ソニーから業務用のショルダータイプのHDVカメラ、HVR-HD1000Jが発表された。発売は2009年1月。HD1000は海外では、昨年発表され、2008年初頭から発売されていた。日本では、XLR入力がないこと、DVCAM記録に対応していないことを理由に、発売を見合わせていたが、ソニーマーケティングでは、必要としているユーザーがあると判断して、2009年1月からの発売を決めた。価格はオープンで、実売推定価格は18万円前後になる。
HD1000Jは完全なショルダータイプとしては、小型軽量設計で、撮影時の総重量は3kgほど。動画記録はミニカセットのみで、HDVとDV(SP/LP)記録に対応し、DVCAM記録はできない。カメラ部のベースは家庭用のHDVカメラで、撮像素子は1/2.9型のクリアビッドCMOSセンサー。総画素約320万、有効約288万画素。レンズは、カールツァイスのバリオ・ゾナーT*レンズで光学10倍。35ミリ判換算で40~400㎜。フィルター径は37㎜だが、大型の角形フードがついている。
カメラ操作も、民生同様だが、鏡筒部分の大型リングを使用できるのがポイント。このリングは切り替え式になっており、フォーカス、明るさ、AEシフト、WBシフト、シャッタースピードを割り当てられる。
ビューファインダー上部にLCDモニターが装備される機構は、上位モデルのS270Jと同じ。液晶パネルは2.7型の16:9タイプとなっている。
入出力端子は、i.LINKの4ピン、HDMIアウト、LANC、コンポーネントアウト、USB、ステレオミニジャックのMIC入力など。XLR端子は装備していない。
ソニーマーケティングでは、展示会などで、ユーザーの声をきいているうちに、HD1000が日本でも求められていると判断したという。これまで放送局の取材カメラは、同社のZ1JやZ7Jが使われることが多いが、クオリティは問題なくても、そのスタイルから「本当に放送局?」と疑われるケースも多く、低価格ながらショルダースタイルのカメラが求められていた。また、ハイアマチュアや学生にも、低価格のショルダーカメラの市場はあると判断したという。
クオリティはおそらく家庭用のHC9相当だが、取材の場合は、スタイルが重要なことは多い。またある程度、しっかりショルダーで構えられるメリットはたしかにある。Z1J、Z7Jなどは手持ちでは、長時間撮影が難しいからだ。現在、ショルダーカメラは、100万円超のHVR-S270Jしかなく、20万円以下という価格はひじょうに魅力的だ。
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http://www.sony.jp/products/Professional/c_c/hdv/products/hvr_hd1000j/index.html