ビデオサロン8月号では音声収録の意識と腕を上げて、より良い作品作りができるための「音声収録術」を特集。
なぜ、思ったような「音」が撮れていないのか、音声関連の基礎知識から実践的なハウツーまで紹介しています。風防の効果やモノラル/ステレオの違い、オートレベル/マニュアル設定による音の違い、そしてマイクアレンジによる音作りまでしっかりご確認ください。
音の違いをぜひ聴いてみてください
(今特集の栁下筆者より、本誌記事追加レポート)
一眼動画ばかりの筆者は、とにかく音声に気を遣うことが多い。ビデオカメラの録音調整の多機能ぶりに少々戸惑ってしまったが、使い込んでみればよく考えられた機能でとても充実していた。
今回はミラーレス一眼を含む3機種を使ってみたが、メーカー毎に特色があり、得手不得手もしくは適材適所といった表現が丁度良い感じがした。
とにかく、まずは多機能を使いこなすことから始めてみるのがオススメという印象だ。
誌面ロケの際に、いくつかのサンプル音源を収録したので、動画にまとめてみた。
以下は動画の登場順に、補足説明。
①冒頭のウインドジャマーの有無は、風の吹かれの違いに注目してほしい。低音の吹かれノイズが消えるだけで、波の音が随分明瞭になることが分かると思う。仮に吹かれノイズをマイクやカメラのローカットで処理してしまうと、波の低域の音がカットされて不自然な音になってしまうだろう。
②電車の定点撮影では、録音レベルをオートに設定した場合は、電車通過時にレベルが不自然に抑えられてしまい、音も篭ったような音質になっている。レベルをマニュアルで調整した場合は、電車通過時の音はクリアに捕らえられていることが分かっていただけると思う。
③ICレコーダーでの定点録音では、周囲全体の音を捉える位置にレコーダーを据えたが、電車の通過音や街中の喧騒も明瞭に捕らえられている。
ロングショットで狙う時などは、ICレコーダーを音源近くに仕込むことで、芯のある音を録音することもできるので、カメラバックに1台忍ばせておくと便利だ。
④モノラルとステレオの聴き比べでは、マイク後方からの吹かれノイズが入ってしまい、少々聞き難い音源となってしまったが、パンした時の音像の変化が実景に奥行き感を持たせてくれているのが分かる。今回使用したAZDEN SMX-30はモノラル/ステレオ切替式なので、状況に応じて使い分けできるのが大変便利な印象だった。
⑤さて、動画のトリを飾るのは、シンガーソングライターの「あーた」さんに協力いただいた、歌の収録テスト。これは必聴です。
誌面通り3パターンのマイクアレンジで収録したほか、内蔵マイクだけでも録ってみた。歌の収録は内蔵マイクではさすがに厳しいが、環境音の収録では有効。歌はやはりワイヤレスマイクシステムを活用するのがいいだろう。また外付けのガンマイクも健闘しているのが印象的だった。
当然ながら、品質の高い音をを求めていけば、より複雑なマイクアレンジが必要になってくる訳で、カメラのレンズや周辺機器を買い揃える感覚で、マイクやICレコーダーを少しづつでも買い揃えて、美しい映像に負けないような、納得のいく音声の収録に挑戦してみてほしい。
収録・編集◎栁下隆之(LimeTec)
歌◎シンガーソングライター・あーた
曲名:はなみずき
作詞作曲:あーた
2nd mini album 「naked」8/31 レーベル・花とポップスより全国発売
(HMV、タワーレコード、ヴィレッジヴァンガードでのCDご予約で特典が付きます)
・あーたオフィシャルサイト
http://www.aata.jp/
・花とポップス オフィシャルサイト
http://www.hanatopops.com/