電子式可変NDフィルターを内蔵した上位モデルが登場
スーパー35㎜用の電動ズームレンズがセットに
ソニーはスーパー35mmの4Kセンサーを搭載した業務用のEマウントレンズ交換式カメラ,
PXW-FS7の上位モデルを発表した。FS5に採用された電子式可変NDフィルターを採用し、あらたたにE PZ 18-110mm F4 G OSSがセットになったレンズキットも用意される。
ソニー
PXW-FS7M2(レンズなし) 120万円
PXW-FS7M2K(レンズキット) 158万円
ウェブCMムービーの制作者を取材していて、圧倒的に多く使われているのが、ソニーのFS7だ。大判センサーの表現力は欲しいがテレビや映画ほどの予算はないという現場でデファクトスタンダードになりつつある。4K対応のスーパー35㎜センサーを搭載し、4K/60p記録、HDでは180fpsのハイスピード撮影も可能。Eマウントなので、純正だけでなく変換アダプターで多種多様なレンズが使えるのもポイントだ。昨年にその弟分であり、よりコンパクトなFS5が登場したが、あらためて両者を比較してみて、やはりFS7がいいと評価するユーザーも多い。
そのFS7の上位モデルが登場した。デジタル一眼のαシリーズのようにラインナップ展開していくのか、FS7と併売になり(レンズキットは終了)、FS7 Ⅱという呼称。センサー、回路、記録部ともにFS7と同じであり画質は同等。NDフィルターがFS5で採用した電子式可変NDフィルターになった。このNDは1/4から1/128の濃度をダイヤルで連続可変できるもので、絞りを固定して明るさを調整できるので、大判センサーカメラでは使い勝手がよくなる。大判センサーを採用したすべてのムービーカメラに採用してもらいたい機能である。
これ以外はユーザーからの声を反映して使い勝手を向上すべく細かく改良を加えることに注力した。FS7はソニーとして新しいスタイルを提案したカメラだったため、ユーザーからのフィードバックが足りない部分があったが、今回は細かい不満点をすべて潰してきた感がある。
特にEマウントでありながら、レバーロックができるようになったのは画期的だ。
レバーロックタイプのマウント
Eマウントを始め一眼のバヨネットはレンズを回転して着脱するが、大きいレンズだったり、リグやアクセサリーがレンズ周囲にあると干渉してしまうこともあって不便だった。そこで新たにレバーロックを設けた。ただし回転方向がはPLと逆。PLの操作に慣れたユーザーが事故を起こさないように、リングストッパーもある。
キットレンズは、すでに海外では発表されているAPS‐C(スーパー35㎜)用の電動ズームレンズ、E PZ 18-110mm F4 G OSS。約6倍のズーム域があり、グリップからのサーボズーム操作が可能なので、従来のビデオカメラ的なオペレートも実現する。リングでのズーム操作ではFS7のキットレンズE PZ 28-135mmは遅れが大きかったが、E PZ 18-110mmではそれが改善された。
液晶モニターの位置決めも楽に
FS7ではEVF兼用の可動式液晶モニターも特徴だったが、位置を決めようとすると回転したり傾いたりすることがあった。モニターの水平をずらすことはまずないので、ロッドを角型にして、不用意に傾かないようにした。またロックレバーを増設して、傾きや距離など個別調整をやりやすくした。
液晶に被せるアイピースは従来と同等だがフック部分を改良。また液晶モニターとして使う場合のフード(折畳式)も同梱するなど、より道具としして洗練させている。
ズームレスポンス向上
新キットレンズは手動のズーム操作のレスポンスがかなり向上。もちろんサーボ動作も可能。回転方向切り換えもメニューに入らずに可能になった。0.8㎜ピッチのフォーカスギアも設けられた。
特徴的なアームも改善された
FS7の特徴的なアームはユーザーの声を取り入れて改善された。伸縮はコインが必要だったが、ネジ式に。またFS5のようにウェストポジションで構えたいという声に応えて、ボディの菊座への取り付け位置を変えてボディに近いところでグリップできるようになった。
新しいキットレンズのズームレンズのレンスポンス、レバーロックタイプのマウント、アームはムービーで確認できます。
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