時間との闘いである「エンドロール」の現場で
取り込みとバックアップを並行して進める
Report◉牧 一世
協力◉サンディスク株式会社
周りでサンディスク以外のカードを使っているカメラマンは皆無
フォトグラファーやビデオグラファーに「サンディスク」と問えば、ほぼ100%の確率で感謝の言葉が返ってくるだろう。多くのデジタルカメラが採用する記録メディアのSDカードにおいて、サンディスクのマーケットシェアはかなり高いと思う。とくにプロユーザーの使用者は多い。筆者の周りを見渡してもサンディスク以外のSDカードを使用しているプロカメラマンは皆無である。聞けば、高い信頼性を確保したブランドイメージと、実際にトラブルが少ないことが選択の理由としてあるようだ。もちろん筆者も、長年「サンディスク」のSDカードには、お世話になりっぱなしである。
▲旧モデル(写真右)のデザインは大変気に入っていたが、新しいモデルでよりモバイルライクな外観となり防塵防滴、2メートルの落下に耐える高耐久モデルに進化している。
「エンドロール」と「フラッシュバック」の現場で
もうひとつ筆者の動画ビジネスにおいて、かかせないアイテムとして愛用しているサンディスク製品に外付けのポータブルSSDがある。今年の5月にデザインや仕様が刷新されたが、前モデルから長らく活用させてもらっている。動画ビジネスがたいへん活況である現在、様々な映像製作に関する依頼があるが、なかでも増えているのが結婚式や企業イベントのエンディングに、当日の様子を撮影した素材を即座に編集した動画を上映して場を盛り上げる演出の依頼である。結婚式の映像アイテムとしては「エンドロール」などの名称ですっかりおなじみの商品であるが、最近は一般企業が開催するイベントでも「フラッシュバック」などの名称で扱われ、たいへん人気がある。この当日撮影・当日編集の現場で、サンディスク・エクストリームポータブルSSDをデータのバックアップ用に使用している。
イベントの準備に悪戦苦闘するスタッフや、期待に胸踊りながらやって来るゲストの様子、華々しいオープニングに登壇者それぞれのプログラム風景など、当日に撮影した多くの素材から取捨選択したハイライトシーンを、イベントのエンディングを盛り上げる動画作品として当日その場で編集を行い作品に仕上げる。編集にかけられる時間は、おおよそ2時間。この間、編集マンは自ずとシビアに時間と向き合い1分1秒を無駄にすることなく素材と格闘することになる。もしものトラブルに備え予備のパソコンも準備し万全の状態で挑む、まさに戦場さながらの緊張感である。
撮影が始まりカメラマンから徐々に素材が集まってくる。受け取ったSDカードから即座にデータをPCに取り込み編集をスタートするのだが、それと同時に外付けのSSDにもバックアップ開始。編集ソフト(Adobe Premiere Pro CC)のプロジェクトデータを含むすべてのデータを丸ごとバックアップする。目の前のPCにもしものトラブルが起きても、すぐに予備のPCでSSD内のデータ使って作業を代替する作戦である。編集をスタートして作業を進める最中にも、カメラマンからリアルタイムで次々に素材のSDカードが届けられ、編集と素材の取り込みとバックアップを常に並行して進めながら完成を目指す。
▲ほんの数年前、USB2.0経由の外付けハードディスクだった頃は、このバックアップにとても時間がかかったが、サンディスク・エクストリームポータブルSSDのUSB3.1Gen2接続で驚くほど高速だ。規格の仕様上はUSB3.1Gen2の転送速度はUSB3.0の2倍、USB2.0の10倍もあると言う。実測してみると、150GBのファイルを転送するのに、前モデルでは9分だったが、エクストリームポータブルSSDでは6分だった。この時間短縮はありがたい。運用上においても電源供給の必要もなく、内部での物理駆動がないため振動もなければ音もしない。ただし発熱はするのでこの点には注意したい。接続端子は上下の向きがなく、ケーブルは本体側と接続側どちらも同じ端子となっており、究極にシンプルだ。
「素早く」最適解に近づくために
クライアントは「高揚感」や「一体感」など、視聴者の心を動かすべくエモーショナルな編集を望むケースがほとんど。それに応えるべくジンバルショットで世界観に引き込み、広角16mmでのダイナミックなワイドショットでスケール感を出し、望遠レンズのキャンディッドショットで捉えたゲストの豊かな表情で動画に感情を吹き込む。素材選びに迷ったりすればタイムアウト。つなぎが細かく丁寧過ぎても時間内に完成させることはできない。じっくり時間をかけて最適解を求める編集のノウハウを「素早く」やろうとしても限界がある。ここで求められるのは単に「素早く」最適解に近づける編集でしかない。
こうして完成した作品をエンディングに披露するわけだが、クライアントの質に関するこだわりや期待値は年々高くなっており、止まるところを知らない。なかなかに大変なお仕事なのが現状である。時間の制約がいかに人間にストレスとプレッシャーを与えるか身をもって実感するとともに、「締め切りこそ創作の源」と言った文豪の言葉を思い出す。
この作業をバックアップしてくれるのが、サンディスク・エクストリームポータブルSSDだ。まず以前使っていたモデルよりも転送速度が1.5倍ほど速くなり、バックップ時間が短縮できるのがありがたい。なんならこの外付けSSD上でPremiereを動かしても良い。それほどにスムーズかつスピーディーにPCと繋がる。形状も薄く軽くコンパクトな手のひらサイズ。爆速の転送スピード、どこにでも持ち運べるコンパクトさ、サンディスクブランドの信頼感、まさしくベストバイに必要な3つの要素を満たす製品である。
激化するミラーレスカメラのスペック競争のなか、動画ファイルの容量は増え続けており、ビデオグラファーにとって高い転送速度を求めることは、多くのデータ容量を確保することと同義となっており、大切な撮影データを格納できるサンディスクのエクストリームポータブルSSDは、クリエイティブの必需品となっている。
◉牧 一世(issey maki)
1974 熊本県生まれ。 日本映画学校(現:日本映画大学)卒業。在学中からフランスの映画雑誌「プレミア」の記者として活動。その後、いくつかの職業を経て、黒澤フィルムスタジオへ入社。コマーシャルやPV、ライブ撮影、映画などの映像制作を行う。 2010年に同社を独立し合同会社ニゴテンを設立。 東京と大阪に拠点を設け、ウェディング、ミュージックビデオ、WebCMなどの映像制作を行っている。2015年には新しいウェディング撮影ブランド「やさしいきおく」をスタート。http://www.nigoten.com/
「サンディスク エクストリーム ポータブルSSD」と「エクストリーム900」の情報はこちら