ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とPR大手の株式会社ベクトルが2019年3月に設立した合弁会社のSoVeC(ソベック)株式会社は、AIを活用した自動動画生成クラウドサービスとして、「SoVeC Smart Video(ソベックスマートビデオ)」の提供を11月7日より開始した。
SoVeC Smart Video開発の背景
SoVeC Smart Videoは、BtoB向けの定額動画生成クラウドサービス。月額10万円からの定額制で動画を何本でも制作できる。従来まではマスからの広告による一方通行型の情報発信が主体となっていたが、SNSやオウンドメディアの登場により、双方向の情報発信が増えてきた。一方、動画広告市場も対一昨年比で2倍の規模に膨れ上がるほど急激な伸びを見せている。情報発信のための動画の量産が活況を呈するなかで、効率的かつ高品質な動画を、映像制作ノウハウを持たない人々にも手軽に作れるようにと開発されたのが、このAIを利用したクラウド型動画生成サービスだ。
WEBブラウザ上でテンプレートを選択し、使用画像や動画を選ぶだけ
操作は至ってシンプル。WEBブラウザ(現在はChromeのみに限られる)で、SoVeC Smart Videoのプラットフォームにアクセスし、テーマ(デザインテンプレート)を選択。テーマごとに動画の尺やBGMが決まっており、下の写真のように使用したい写真や動画を選び、表示させたいテキストを入力するだけで動画が作れる。
▲使用したい画像や動画の選択画面。シーンごとに表示させたいテキスト(文字数も決まっている)を入力。
▲できあがった動画以外にも別のデザインプランもおすすめしてくれる。このあたりは、実際にデザイナーとやり取りする感覚を再現したという。
実際にできあがったは同社サイトにてサンプルを観ることができる。
デザインに力を入れることで目を引く動画を目指す
同社では、今後5G時代を迎え、動画コンテンツがより一層氾濫していくなかで、目を引くコンテンツにするためにはデザイン性の高さが重要だと考えている。レイアウトや配色等のデザインはもちろん、3D演出、ピクセレート演出といったスペシャルプログラムも用意するなど、ソニーグループで培われた映像テクノロジーも注入し、今後外部のクリエイターとも連携しながら、サービスを充実させていくという。
このサービスの先行導入事例として、同社が挙げていたのは、WEBニュースメディアでの活用例。記事内で使用した写真を基に動画を生成し、SNS等で記事への誘導を促すための動画作りを行うケースもあるという。また、製品やサービス紹介のマニュアル動画や不動産等の物件紹介などの分野での活用を見込んでいる。企業の内製によるPR動画制作も増えつつあるなかで、専門知識のないユーザーでも手軽にデザイン性の高い動画を作れることで、このサービスがどう活用されていくのか、今後の展開を見守りたい。
▲お話を伺ったSoVeC株式会社 代表取締役社長の上川 衛さん(左)と企画・開発運用担当の上木健一郎さん(右)。
◉詳細情報
https://www.sovec.net/smartvideo
SoVeC株式会社
https://www.sovec.net/