ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&Asia)では、2010年度の作品募集を行っているが、ユニークかつ意欲的な試みとして、人気ミュージシャンの楽曲を使用してオリジナルの映像作品を作る「ミュージックShortクリエイティブ部門」を今年度より新たにスタートさせた。他の部門は年内の12月15日締切だが、この「ミュージックShort」(PV部門&クリエイティブ部門)は2010年1月30日まで受付を行なっている。
これまでになかった新しいエンターテインメントの創出と、新しい才能の発掘を目的としたカテゴリーで、趣旨に賛同したミュージシャンからエントリーを受けた楽曲を使用して10分以内の映像を作って応募する。その中から選ばれた作品は、映画祭で上映されるだけでなく、携帯やネット用の配信コンテンツとして国内の事業者に販売され、そこで発生した収益が映像の作者であるクリエイターやレコード会社などに還元されるビジネスの試みも実施される。


Artist%20Photo1.jpg
左上から時計回りに土屋アンナ、泉谷しげる、LOVE PSYCHEDELICO、柴田淳(敬称略)
米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」が新しい部門を設立した。昨年までの「ミュージックShort部門」(商業販売されるミュージシャン/楽曲のPVが対象)に、映画祭のための使用が許可されたエントリー楽曲を自由に選び、それを用いた映像作品を制作する「クリエイティブ部門」が追加された。「ミュージックShort」部門は「PV」と「クリエイティブ」の2部門となった。
各レコード会社より公式エントリーされているミュージシャンは11月現在で78組で、使用できる指定楽曲は150曲を超える(SSFF&Asiaのサイトから視聴・購入が可能)。この中から1作品につき1曲を選び、演奏時間の1/3以上を使用するというルール。もちろん全編フルコーラス使ってもいいし、部分を使用する場合はどこを使っても構わない。映像の総尺(エンドロール等含む)は10分以内だが、楽曲をどの部分で使用するかも作者に任される。映像を曲の尺に合わせてPV風にしてもいいし、ミニドラマ仕立てにしてそのオープニングやエンディングに曲を使ってもいい。
%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E5%86%99%E7%9C%9F.jpg
左から葉加瀬太郎、大黒摩季、JYONGRI、サンプラザ中野くん(敬称略、“中野くん”までアーティスト名です)
コンテンツとして配信した収益を作家に還元
本部門では新たな試みが行われる。エンターテインメントコンテンツの企画制作・配信を行うフェイス・ワンダーワークスのサポートにより、1次審査で選考に残った作品を配信したり(一部有料)、デジタルコンテンツとして事業者に販売を行い、そこから発生した収益の一定割合を作者や楽曲提供者(レコード会社)に還元する。
これは、発表の場は増えたものの、ビジネス開拓という点でまだまだ充分とは言えないショートムービーのビジネス化を模索し、その枠組づくりを推進する狙いだ。なお、本部門の応募作品は音の原盤と映像本編で著作権利者が異なるため、映画祭の運営を行っている(株)パシフィックボイスで著作権を一括管理する形をとる。
最新ヒット曲や思い出に残る名曲など、プロの楽曲を使用できる話題性に加え、ショートムービーを使ったコンテンツビジネスの取り組みについても注目されるところだ。
エントリー&応募
SSFF&Asiaのサイトにアクセス、エントリーフォームに必要事項を記入しエントリーを行う。フォームに記述した作品を記録したDVDを応募確認書のコピーとともに下記に送付。映画祭が行われる2010年6月時点で日本初上映作品であることが条件となる
応募DVDと応募確認書の発送先
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-10-2 MBE 705
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア
フォーマット&素材
作品は全フォーマットを対象、応募はDVDにて
応募DVDは返却されない。1枚のDVDに複数の作品を収録する場合は、分かりやすいようラベルに作品名を明記のこと
※作品が選考された場合は、 応募作品のNTSC Digi-Betacam、 Betacam、DV-Cam、もしくはMini-DVテープを提出
応募締切
2010年1月30日消印有効
発表等
映画祭上映、さらに6月以降の配信のための第一次審査、第二次審査を2010年2月1日(予定)~3月1日(予定)に行い、4月1日(予定)までに全応募者に対してEメールで結果を告知

優秀賞(スポンサーアワード):賞金60万円+副賞20万円相当の旅行券
※PV部門はレーベル各社が制作したミュージッククリップから、ショートムービー的要素が高い作品を選定、優秀賞60万円
問:SSFF&Asia実行委員会 Tel.03-5474-8844
■映画祭公式HPhttp://www.shortshorts.org
■ミュージックShort部門の詳細ページhttp://www.shortshorts.org/2010_call_for_entry/ja/music.html