だいげん

北海道生まれ。大阪在住。2018年に9年間勤めた製薬会社を退職し、動画制作会社BLUE BANANA WORKSを設立。企業PVやMVを手がける傍ら、ビデオグラファーを応援するYouTubeチャンネル「TV DAIGEN」を開始。編集ソフトのチュートリアルや撮影・編集のコツを中心に配信。2020年10月現在、登録者数は1万6千人に。自らのチャンネル運営のノウハウを活かし、企業のYouTubeチャンネルのプロデュースも手がける。

YouTube●https://www.youtube.com/c/TVDAIGEN/featured

文●笠井里香/写真提供●だいげん

 

だいげんさんの手がけた作品

自宅でCM作ってみた! with Sony α7III & 電動スライダー

映像コンテスト用に制作した動画。コマ撮りや電動スライダー・回転台を駆使した撮影、バレ消し等の編集の工程を丁寧に解説したメイキング映像も収録している。

 

付けるだけでシネマティックルック!
NiSi ブラックミスト 1/4

NiSiのブラックミストフィルターのレビュー動画。チャンネルでは撮影や編集に関するチュートリアル動画のほかビデオグラファーに向けて自らの経験をもとに語るトーク動画も配信している。

 

製薬会社を30歳で脱サラし、 ビデオグラファーに

YouTubeチャンネル『TV DAIGEN』でVlogやレビュー、チュートリアル動画などを公開しているDAIGENさんは、30歳で脱サラし、映像の世界に飛び込んだ。

「製薬会社に9年間勤めていました。ちょうど子どもが生まれて、子どもに自信を持って見てもらえる自分になりたいという思いもあり、思い切って好きだった映像の仕事にシフトしました。映像はもともと趣味で、友人の結婚式の余興の映像を作った程度。その後はほとんど作っていませんでした。会社を辞めようと決めてから1年間、営業のスキルを活かし、知人に撮影させて欲しいと依頼しながら、週末ビデオグラファーという形で活動し、YouTubeや本、雑誌などで映像の勉強をしました。完全に独学ですね。子どもの頃パズルが好きだったのですが、映像制作ってパズルに似ている気がします。大学の頃はバンドをやって曲作りをしていて、映像が好きというよりも“ものづくり”が好きなんだと思います。ソニーα6500を買ってから自分でもきれいに撮れるということに感動して、映像にのめりこんでいった感じですね」

 

かつて自分が知りたかったことを映像化し惜しまず提供する

とはいえ、順調に仕事として進んでいったのかというと、必ずしもそうではなかったそうだ。

「1年間は鳴かず飛ばずでした。いまは自分のYouTubeチャンネル以外に、他のYouTuberや企業のYouTubeチャンネルのコンサルティング、クライアントワークなどもさせていただいていますが、最初はなかなか…。2年やってダメならやめるつもりでしたが、自分のチャンネルの映像制作で実験的なことをやってみて、そこで得たものを他で活かせるようになって、始めてから2年で軌道に乗ってきたかなというところまで来ました。YouTubeを始めたばかりの頃は、ある意味自己満足で終わってしまっていたなと自分なりに分析して、2019年の8月からいまの“ビデオグラファーのためのチャンネル”というスタイルにしたのですが、ありがたいことにそこから伸び始めました。ここでは「映像を始めたときの自分」がペルソナ。初級から中級の方向けの動画で、かつての自分が知りたかったことを映像化しています」

更新頻度の高いYouTubeチャンネル以外にクライアントワークもこなす多忙なDAIGENさんに、今後トライしてみたいことを伺った。

「自分の経験をもとにこれから動画をやりたい人を勇気づけられるような映像を作り、チュートリアルではなく“僕”を見に来る、自分自身のファンが増えるようなことをしていきたいですね。機材のレビューでも自分のマインドを話したり、動画のなかにVlogをミックスさせるなど新しい表現にも挑戦したいと思っています。インプットの時間を大切にしているので、さまざまなところから吸収して、自分のアウトプットのクオリティを上げていけたらと思っています。ワークショップも再開したいですね」

 

主な使用機材リスト

 

使用機材と制作風景、活動内容

▲だいげんさんの主な撮影機材。ソニーα7S ⅢやBMPCC 6Kをメインにアクションカメラまで幅広く活用する。レンズはEマウントレンズが中心だが、アナログな雰囲気を出したいときはHelios-44-2 58mm F2やMC Pentaco n Auto 50mm F1.8、Pentax M42 Super Takumar 55mm F1.8などのオールドレンズも使用する。

▲機材レビュー動画のテスト撮影の模様。

▲撮影はほぼワンマンオペレーションで行なっている。

 

 

VIDEOSALON 2020年12月号より転載