白木修太

愛知県豊川市生まれ。名古屋ビジュアルアーツ卒業後、上京しフリーランスとして活動。映像制作・タレントマネジメントの株式会社CrazyBank立ち上げに参加し、取締役に就任。ヒップホップを中心にこれまでに200本以上のMVを手がける。
WEB●https://crazybank.co.jp/

文●笠井里香/写真提供●白木修太

 

 

白木修太さんの手がけた作品

ちーかまん『もういいよ』MV

白木さんの地元でもある愛知県豊川市を拠点に活動するレゲエアーティスト・ちーかまんのMV。白木さんがひとりで企画・演出・撮影・編集を手がけた。使用カメラはRED DRAGON-X。

 

 

『終息』

緊急事態宣言下で不要な外出を避けるため、しばらくの間、一緒に暮らすことになったカップル。お互いリモートワークで仲睦まじく生活しているのだが、ある日、彼女が発熱し…。

 

 

幼少期からいつも 映画を観ていた

現在、ヒップホップ系のミュージックビデオ制作を中心に活躍の場を広げる白木修太さん。幼少期から映画をいつも観ていたという白木さんにお話を伺った。

映画好きの父がいつも映画館に連れて行ってくれました。ハリウッド映画が中心でしたが、レンタルビデオを含めて、たくさんの映画を観ましたね。それが日常だったので、特に何とも思っていなかったけれど、高校生くらいのときに“自分で撮ってみたらどうなんだろう?”と、ふと考えて“映画を撮らせて”と友人を集め、当時のガラケーの動画機能とWindowsムービーメーカーを使って映画を撮影しました。周りの反応は“何やってるの? どういうことなの?”という感じでしたが(笑)、無事に完成して、当時の映画甲子園などに出したりもしました」

工業高校を卒業し、地元の工場に就職するも映像への思いが募り退職。名古屋ビジュアルアーツの映像学科へ入学する。

「入学前に先輩たちの卒業制作を見に行き、自分ならこうすると紙に書ききれないほど感想を書いたら、“やばいヤツが入学してくるらしいよ”と噂になっていたそうです(笑)。映画をたくさん観て、レビューを投稿していたので、それと同じ感覚だったんですよね。専門学校では映画技術専攻で8mmや16mmを使って映画を撮るなど、ほぼ実習の授業でした。映像学科では演者を立てたり、自分でも出るし、もちろん撮るので演者側のこともわかるようになりました」

 

SNSを駆使し、2年かけて フリーランスとして活動

「専門学校ではいちばんに就職を決め、東京へ出たのですが、すぐに辞めてしまい、SNSで映像制作の求人などを見て仕事をもらっていました。その後、友人のつながりで、地元の愛知でヒップホップをやっている方のMV撮影を依頼され、東京のラッパーなどの作品も撮るようになったんです。ヒップホップのMVだけでは生活できず、ブライダル系の映像制作会社に入り、しばらくはAfter Effectsでアニメーションを作ったり、社内の動画制作をしていました。約1年半でMVの撮影依頼が増えて、そちらに軸足を置くようになり、今では年間100本以上の映像作品を制作しています」

白木さんは仕事でのMV制作のほか、自身のライフワークとして映画を撮っている。

「仕事をやりながら、映画はずっと撮っています。普段のクライアントワークとは違い、自由に制作しています。今は音楽もそうですが、映像作品も短くなる傾向にあって、語れる情報量が減っています。80秒の映画祭では準グランプリを受賞したこともあり、1分とか短い作品を実験的にTikTokやYouTubeにもアップしています。これが意外とよく観ていただけているんですよ。もちろん、いつかは商業映画にもチャレンジしてみたいなと思いますね」

 

主な使用機材リスト

 

制作風景と機材



▲白木さんの最近の主な使用機材。RED DRAGON-X 6Kをメインカメラに、FS7も所有。ときにはiPhoneも使用してMVを手がける。レンズはRED用のEFマウントとソニー用のEマウントを揃えているが、お気に入りはシグマの18-35mm、50-100mmのArtレンズ。

▲Mac Proを使用し、Premiere Proで編集とカラーグレーディング。モーショングラフィックスを作る場合はAfter Effectsを使用する。

 

 

VIDEO SALON2021年10月号より転載