ビデオサロン7月号の「菅原流撮影術」の作例と解説です。
では、どうぞ。
この映像のテーマは“水が育む生き物たち”。
本誌で説明したインサート用のカットは、
各生き物の場面転換用に撮影されたもので、
途中、水車小屋や棚田など人工的なシーンもあるが、
人も一種の生き物で水によって育まれていると言う意味合いも持つ。
(でも水車小屋は観光施設?)
導入部は、
映像の始まりをわかりやすく、朝~昼の定点撮影で表現した。
ブナの新緑はウグイスに移行するための季節を表わすインサートカット。
ここからアオスジアゲハ、レンゲ、キジと里山系の画で構成されるので、
舞台が人里近くということがわかる。
そして棚田~水車小屋と人の営みを支える水の流れが、
一気に上流源流部の水芭蕉の群落へと移り、
人里から離れた原生林の自然環境で暮す生き物たちのシーンになる。
最後は、
ここまで紹介してきた舞台説明として俯瞰カットで昼~夜へ移行するシーンで終わり。
野生動物のみを描いてしまうと、
一般の人にはわかりにくい画になってしまうので、
人と親和性のあるシーンを数多く挿入してある。
被写体のデティールを固めるために、
インサートカットも重要な役割を担っていることを理解していただけると
大変嬉しく思う。
撮影はTM700撮影(一部除く)。
00m02s 定点撮影(朝~昼)
00m12s 新緑(ブナ)
00m20s ウグイス(TM700コリメート望遠撮影)
00m24s アオスジアゲハ
00m32s レンゲ畑
00m36s レンゲとトンボ(コサナエ)
00m41s キジ(TM700コリメート望遠撮影)
00m50s アマガエル
00m53s 棚田とアルプス
00m59s 畦脇の小川
01m05s 水車 A
01m11s 水車 B
01m16s 水車 C
01m22s 水車 D
01m47s 小川
01m52s 水芭蕉
01m59s アカハラ(TM700コリメート望遠撮影)
02m10s オオルリ(HV20コリメート望遠撮影)
02m22s ノジコ(HV20コリメート望遠撮影)
02m32s オオアカゲラ(TM700コリメート望遠撮影)
02m46s ツツジ~アルプス
03m01s 微速度撮影・雲(TM700微速度望遠撮影)
03m08s 定点撮影(昼~夜) 03m20s
菅原安