昨日から続いているα99の話、その2です。
まずは動画時のマニュアルフォーカスですが、これがなかなかもって合わないのです。
特に要注意なのが、ピーキングです。ピーキングとは、ピントがあったときにエッジをつけるという機能なのですが、もともとの起源は放送業務用カメラに搭載されたもの。であれば、信頼できるんじゃないの?と思うのですが、これがそうではないのです。ピーキングでエッジがついているからフォーカスがそこに来ていると思っても、あとで大画面でみるとボケボケである可能性のほうが大なのです。
私もVG900で痛い目に合いましたし、編集部員もα99で再撮影の憂き目にあいました。
そこで反省しつつ思ったのですが、そもそもピーキングとはせいぜい2/3インチ程度の撮像素子の被写界深度の深いビデオカメラ用の機能であって、デジタル一眼、しかも35㎜フルサイズではそもそも実用にならないということです。
そう、ずばり「ピーキングは使うな」というのが使いこなしの鉄則です。
切っておいたほうが下手に惑わされないからいいと思います。
マニュアルでのフォーカス合わせについては、本誌1月号でテスターの菅原安さんが裏技を紹介していますので、それをご参照ください。
オートフォーカスはコンティニュアスAFが動画でも働くというのは、他メーカーにはないメリットなのですが、この場合はF値が3.5に固定されます。フォーカスリングが被写体に合わせてじわじわ動く(レスポンスはメニューで3段階から変更できる)のですが、これはSAMレンズでないと不快な音が出るはずです。今回使ったレンズがF2.8通し(28-75 F2.8SAM)なので、F3.5に固定されるのもそう問題になりませんでした。このAFは実用になりそうです。
F3.5固定をどう捉えるかによって評価は変わるかもしれませんが、デジタル一眼ムービーとしては、最も実用になるAFではないでしょうか。以下AF時の画面。
もう一度マニュアルフォーカスの話に戻ると、
中央の1点で、ある程度コントラストのある被写体であれば、フォーカスがあったときに緑色に点灯するので、それを元に合わせ続けても24インチのPCモニター上では大丈夫でした。
50インチのテレビではどうなっているかは確認していません。
ただ、これも中央1点というのが厳しいところで、
三脚固定だとカメラを振って合わせないとならないし、再び元の画角に戻したときに合っているのか確証をもてません。それくらい35㎜フルサイズだとピントが浅いのです。
ここはぜひEOS同様5倍、10倍拡大表示(しかも拡大場所を自由に動かせる)を採用してほしいところですね。以下、マニュアルフォーカスで中央でピントを合わせた状態。
今回は、同時に外部液晶モニターCLM-V55もお借りしたのですが、実際に使ってみると、α99のHDMI出力は全画面表示ができないことがわかりました。全画面表示できるのは、VGシリーズのみのようです。ここもちょっと残念。でもピント合わせでは、V55側でドットバイドット表示ができるのは便利です(ただし表示範囲は中央拡大)。
(1月21日追記)
その後の調べて、α99でもHDMI出力全画面表示(キャラクター表示なし)可能なことがわかりました。
デフォルトでは、左右上下が黒みになり画面表示が載る状態ですが、メニューで画面表示なしを選択すると、全画面出力になります。
ちなみにVG900では、デフォルトが全画面(表示なし)になります。
大変失礼いたしました。
また動画のAF時ですが、測距点をマニュアルで変更できるということもわかりました。
(これは取説にも載っていないとのこと)
このあたりのフォーカス関連の事項はもう一度検証してレポートしたいと思います。
次は動画の画質について。
◆α99が気になる(その1)
http://www.genkosha.com/vs/cat752/entry/99.html
◆α99が気になる(その3)
http://www.genkosha.com/vs/cat752/entry/993.html