先週金曜日、7月20日発売の8月号の作業がようやく終わりました。
この号は通常の本誌に加えて約100ページの別冊付録「映像制作機器ガイド」がつきますので、
この1か月は意識朦朧とするような忙しさでした。
今回は、とにかくユーザーのところにいって取材しまくる、
取材してれば今の時代が見えてくるに違いない、
というのが裏コンセプト。
編集部員二人で全16組を取材しました。
これが取材期間としては1か月未満だったので、大変だったのです。
そのなかで本誌も作り、カタログ部分のセレクションと原稿も書き、ですから・・・。
そんな取材をしたなかで印象に残ったエピソードのなどを一つ二つ。
取材した中でカメラマンが何人かいましたが、
そのうちのお二人はセンサーがCCDなのかCMOSなのか、に
かなりこだわっているのです。
お一人は
MTBの撮影の装備を見せていただいたのですが、
こういったMTBでの撮影では「CCD」を選ぶといいます。
理由は、CMOSで早いパンをすると像がゆがむからだと。
もう一人は、CMOSのカメラでパンニングしていると
自分が下手くそになったようでイヤだといいます。
カメラマンはそういうところを気にするんだということがよくわかりました。
でも、CCDのカメラは徐々に選択肢がなくなってきています。
パナソニックのHMC155もAC160になって、CMOSになりましたし、
JVCのHM750、HM150はCCDですが、今度のHM600はCMOSです。
否が応でもCCDからCMOSへという流れは止められないので、
それに順応していかざるを得ないわけです。
そのうち早いパンというのは、古き良きCCD時代の昔風のカメラワークということに
なりかねません。
ローリングシャッター歪みの問題だけでなく、
描写においてもCMOSは気になる、というかCCDと違うところがあります。
これはあくまで印象でしかないのですが、お二人のカメラマンと話をして
一致した部分でいうと、
CCDと同じ感覚CMOSのカメラで露出を決めると、
いい絵にならないということは言えると思います。
本誌ではかけないような証拠のない印象だけでモノをいってしまいますが、
CCDは白ピークが立ってメリハリがあるコントラストの高い映像、
CMOSは階調がなめらかで精細。
(一概には言えませんので、あくまで印象です)
だからCCDのつもりで露出を決めると、白ピークはたたないし、
なんとなく眠い締りのない映像になってしまいます。
ところがもう少し絞っていくと、ひじょうによくトーンが出て奥行き感を感じるような絞りがあります。
ちょっと前にパナソニックAC160をテストしたときに、それを感じました。
あー、このカメラはちょっとアンダーめにいったほうがいい絵になるんだと。
Z1Jのつもりで撮ると全然いい感じにならないんですね。
ただ、ふわっとした締りのない絵も画質調整機能で追い込んでやればCCDに近い
感じにできる可能性は充分あります。
CMOSには物足りない部分もありますが、時代の流れはCMOSですし、
それをうまく使いこなすチューニングや撮影方法をしたほうが賢明でしょう。
さて、卑近なところですが、
自分の取材用のコンパクトデジタルカメラですが、
ずっとキヤノンのS90を使い続けてきてすでに2世代たってしまいました。
で、次のカメラを物色していて、
ソニーのHX30Vにしようかと思って、テスト機としてお借りして
本来の目的の動画を撮りつつも、
自分の取材カメラとしてどうかというテストをさりげなくしていたのですが、
結論としては、やっぱりCCDが選択できる限りはCCDにしよう、と。
CMOSであるからこそHDの動画が撮れるというメリットはあるのですが、
やっぱりCCDの良さは捨てがたい。
HX30Vは、ビデオカメラとしていいですね。
私としてはビデオカメラはメモ的に動画を撮るくらいだからこれで充分かなという感じ。
ビデオとしてなら激安でこれはオススメです。
実はこのHX30Vとミニクレーンで撮った作例もあるので今度アップします。
このミニクレーンはiPhone用なのですが、HX30Vなら代わりに載せられます。
こういう画がお手軽に、安く、撮れてしまうことに価値があると思いました。
それにしてもS90の代わりになるようなコンデジ、
ないでしょうか?