キヤノンからついに出てきた4Kビデオカメラ、XC10。
その内容はこちらで紹介していますが、これを見て思ったのが、
キヤノンのDVカメラ第1号機のMV1でした。
最近、古い話を書いても誰も反応してくれないので、自分がかなり古い人間になっているような気がしますが、MV1の登場は調べてみると、1997年です。(そんなに昔のことではないと思っているのですが)
DVはごぞんじのとおり、ソニーとパナソニック(当時は松下電器か)がビデオ規格としては、
はじめて手を組み共同開発したDVテープ規格がスタート。
2社からDV規格のカメラが出てきましたが、ソニーはVX1000、パナソニックはDJ1という、
歴史に残る名機が1995年に出てきます。
キヤノンとビクター(現JVC)もDV規格に賛同していましたが、、
ビクターはとんでもなく小さいDV1という、これまで歴史に残る名機を生み出します。
考えてみると、3社とも同じDVテープを使いながら、まったくアプローチが違いました。
面白い時代でした。
次にキヤノンですが、やや遅れて1997年。
キヤノンらしく半分スチルカメラのようなスタイルのカメラをDVカメラ1号機として出してきました。
それがMV1です。
詳しくはこちら
「おお~、キヤノンらしくて良いではないか!」とビデオサロンとしては絶賛。
私はこの速報やテストを担当したので、特に思い入れがあります。
でも、売れなかったみたいですね(苦笑)。
そんなに画質も悪くなかったと思うのですが。
続いて翌年には、CV11というコンパクトな横型のカメラが登場します。
個人的にはこのカメラ、結構気に入って、プライベートでも使わせてもらいました。
今の目でみると、液晶が前を向くフレキシブルタイプで、しかも、今回のXC10同様、
液晶に被せるファインダーユニットが付属しているのです。
屋外ではこのファインダーユニットをつけてしっかりモニターするというコンセプトでした。
かなり見やすかった。
▲ちなみにこの記事は、ビデオサロンが創刊30周年を迎えた2010年に作ったビデオカメラの30年史の別冊付録からです。
しかし。
このカメラも売れなかったようです。
今回のXC10には、この2台のDNAが確実に受け継がれていると
私は勝手にそう思ったのですが、
キヤノンによると、縁起でもなくて、
XC10は、「ミニEOS C100」なのだそうです。
たしかにEOS C100とC300は、あの形で成功したので、
そのイメージを受け継ぎたいということなのかもしれません。
MV1とかCV11を持ち出すような人は古いし、
そもそもみんな覚えていないのかもしれません。
ということで、5月号の記事では、MV1にもCV11にも一言も触れずに
「キヤノンからの新しい提案」ということでまとめてみました。
4月20日発売です。