現在開催中のショートショートフィルムフェスティバル(26日まで)では、EOS MOVIEで撮影した作品のみを集めて上映するEOS MOVIEイベントが開催されている。


EOS MOVIEは映画制作のカメラとして定着した感があるが、今回応募された全作品のうち、1/4がEOS MOVIEによるものだったという。個人的にはもっと多くても驚かないが、低コストの自主映画の必携ツールになりつつあると言える。
上映されたのは、5作品。
「バス停より愛をこめて」(5D MarkII)
「リスト」(5D MarkII)
「煩頭」(5D MarkII)
「ケンとカズ」(7D)
「スマイルバス」(5D MarkII)
それぞれの内容はこちらをどうぞ。
http://www.shortshorts.org/2011/ja/special/eos.html
より被写界深度が浅く、かつHDMIからのモニター出力に制限があり、
使いこなしが難しい5D MarkIIが多いことには驚き。
EOS_SHORT.jpg
私が見に行った当日は、
『リスト』の田中監督(左から二人目)と撮影の東鉄矢さん(同三人目)、「ケンとカズ」の小路紘史監督(右)がゲスト。
内容は、期待以上に面白かった。これはEOS MOVIEだからということではなく。
日本の作品(上の4作品)は、低予算の自主映画らしく、脚本に無理がなく、少人数の俳優による会話劇がメインになっている。それでいて、多くの人の共感をよぶ感情をひきだすことに成功している。
EOS MOVIE独特の手持ちでの揺れ(ローリングシャッター)も、なんだかそれはそれで「あり」という気もしてくる。これがもっと大規模な商業映画だったらきっと「どうなのよ」という声も出てきそうだが。
「ケンとカズ」は映画ではあまりあり得ないようなクロースアップの連続だが、監督がトークでもはなしていたように、観客は目の表情に引き込まれていくので、大画面でのクロースアップに違和感があまりなかった。
あんなに「眼球の丸み」に注目した映画ってないですね。
気になったのは「バス停より愛をこめて」で二人の会話劇を、3カメで撮っているのか、角度によって、色があまりに違いすぎて、かつカラコレされていなかったこと。
カメラの設定の違いか、レンズの違いなのか、そこが気になってしまって、集中できなかった。
実は、ほかのレンズ交換式カメラでも、今、このことが気になっている。
レンズが簡単に変えられることで、複数のレンズを同一シーンで使うのだが、レンズの性格が違いすぎて、カットごとに色やトーンが合わないということが最近増えてきたように思う。
かつてであれば、ズームレンズの寄りと引きでそれほど描写が違わなかったので、あまり考えなくてもすんなりつながっていたのが、なまじっかレンズ交換できるので、その選択を間違えると、つながりが悪かったり、後で苦労したりすることになる。
たとえばキヤノンのEFレンズで通せば、
そんな極端な色味やトーンの違いもないのだろうけど、それでもきっと
後で合わせる必要はあるでしょうね。
前項でも書いたけど、高度なカラーグレーディングが無料ソフトでできる時代になったのだから、そのあたりの意識を高めたほうがいいのかしれない。
作品としては日本の4作品はどれも好きですね。
いずれにせよ、ぜひ見ていただければと思います。
あと1回しかチャンスはありませんので。
June 25th Sat 12:50 – 14:40
ブリリア ショートショート シアター(横浜)