名古屋の実家に帰ったときに、いま大須が賑わっていると聞いて出かけてみた。
中高生時代の大須の思い出といえば、アメ横ビルに電気関連のパーツを買いに行ったくらいしかない。そのときの記憶では、大須はもうなんだか寂れていたように思う。
アメ横ビルはまだあったが、その周辺はとんでもない賑わいになっている。
東京でいうと、浅草と原宿とアメ横(御徒町)と、あとメイド喫茶があるので秋葉原を足したような感じだろうか。不思議なのは、男モノの洋服屋ば借り並んでいること。やっぱりアメ横近辺の雰囲気だろうか。
場違いなところに来てしまったと思っていたら、レコード屋が出現。
ハイファイ堂レコード。
嬉しくなって寄ってみると、店頭のワゴンにカセットテープがずらりと並んでいる。
よくよくみると、エアチェックしたお古のテープが大半。でもメタルやクロームテープばかりだ。爪が折ってあるものもある。メタルやクロームなら希少価値があって、録音済みのものでもギリギリ商品になるということだろうか? 1本500円。ちなみに店の中にはデッドストックのメタルテープがまだ何本も在庫があり、1本2000円といったところ。さすがに2000円出して買うほど粋狂ではないし、そもそも最近買ったTEACのカセットデッキはメタルポジションもクロームポジションもない。
ワゴンにあった、人がエアチェックしたメタルテープを何本か買った。
1995年前後のエアチェックテープだから、カセットテープの歴史からしたら、かなり新しいほう。ウォークマンプロフェッショナルにはメタルポジションがあるし、ドルビーもCまで対応。
エアチェックした人はオーディオマニアだったのか、1本はDATからのダビングだと書いてある。ドルビーCだということも明記してるし。
上書きして使おうと思ったが、クラシックの2本は音質はいいし、島倉千代子の公開ラジオ番組(昭和59年)を記録したテープなんて貴重なので、これはこのまま残そう。もう1本はCCRをCDからダビングしたもののようだったので、これだけは再利用しようかと思っている。
名古屋に行ったら、必ず寄る場所がひとつできた。
近くにはバナナレコードもあった。懐かしい。
バナナレコードといえば、昔は栄の地下街から入れるビルの中にあったような記憶がある。
高校生だった頃、輸入盤というものがどうしても欲しかったのだが、当時、名古屋で輸入盤が買えるレコード屋といえば、名古屋駅の名鉄ビルの中に1店、伏見のヤマハ、そして太陽サウンドオンくらしかなかなかったと思う。しかもそれぞれ大した量はなかった。インターネットもなかったから、他にもあったかもしれないが、調べようがなかったし。世の中には輸入盤なるものがあり、本場のレコードが、しかも安く買えるらしいということはわかったが、タワーレコードは当時は、札幌、仙台、渋谷、横浜石川町、大阪くらいにしかなかった(なぜか名古屋にできるのは遅かった)。書いててあまりにくだらないのだが、最低でもタワーレコードのある街の大学に行こうと思っていた。あの渇望感はなんだったんだろうか。