2月11日、ビデオサロンも協賛している第5回「彩の国映画甲子園」本選の上映と表彰式。
この映画祭は埼玉県在住者か勤務者、埼玉県の学校に通う学生が対象なので、地域限定の映画祭なのだが、今回本選で上映された9作品はかなりレベルが高く、事務局も審査員も、協賛した我々も驚いたほど。
応募しているのは、大きくわけて、①ビデオクラブの在籍者、②埼玉在住で今後ステップアップしていきたいと思っている若いクリエイター、③埼玉にある学校関係の3つに分類される。
ビデオサロン賞は、高橋良多監督の「さよなるパークハイツ」。この作品は各映画祭で賞をとっているみたいで、彼は②だと思うが、映画祭に出品して、さらに上を目指していこうというタイプだろう。ビデオサロン定期購読1年分を進呈。
大林千茱萸審査員賞(グランプリ)は、埼玉県立芸術総合高校映像芸術学科の石川実穂さんの「雨宿りのきみ」。
この作品、TVFにも応募されているようで、ただそちらのほうは、最終の40本には入らなかったようで。
↓こちらで見られます
http://tvf2010.org/TVF2016Entry1.html
会場のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザの映像ホールは、上映環境が素晴らしい。毎回ここで見るたびに新たな感動があって、ビデオクラブの方々の作品は別の場所でも観ているのだが、ここで観ると発見があって、たとえば住田勝さんの「大空への夢 ふたたび」は各所で観ているが、ここで観ると白鳥が空と飛ぶカットがより強く胸に迫ってくるので、その分、このドキュメンタリーで言いたいことがより伝わってくる。逆に、大画面である分、インタビューカットの顔のサイズがでかすぎるのではないかとも思う。
解像度はどうも上映素材制作の段階で落ちてしまっているような気がしたのだが、それでも色の強烈な出方とコントラストが印象的で、映像にとっていかにコントラストが重要なのかを毎回思い知らされる。
「さよならパークハイツ」も「雨宿りのきみ」もWeb上では伝わらない、大画面ならではの映画的な表現が評価されたと思う。
それにしても残念なのが、あまりに観客が少ないこと。一般的に作り手で、人が表彰されるような場所に好んでいく人はいないとは思うのだが、表彰だけでなく、これだけいい環境で上映される機会に、表彰される人とその関係者しかいないというのは、もったいない。
こんな素晴らしい上映環境なのに、交通の便が悪いというのも問題で、しかも年々悪くなっていく気がする。夏に開催される国際デジタルシネマ映画祭は川口駅前から無料シャトルバスが出るからいいのだが、ふだんはJR川口駅からバスで10分以上、バス停から降りて7分くらい歩く。かつてはスキップシティが見えるところのバス停までバスがあったのだがそれもなくなり、今はバスを降りててからさらに歩く。同じバスに乗った人が、やはりスキップシティに行くらしく、運転手さんに道順を聞いていた。なんとかならないだろうか。
その後、高円寺のドキュメンタリーフェスティバルのコンペティションの表彰式に移動。
表彰式のダブルヘッダー(死語)。
その前の是枝監督のトークの回はわりと観客がいたようだが、表彰式になるとやはりこちらもぐっと人が少なくなる。
コンペティション部門大賞はジャン・ユンカーマン監督の「沖縄 うりずんの雨」。
今回は特別に奨励賞として、 向井啓太監督の「チョコレートケーキと法隆寺」が選ばれ、副賞としてパナソニックのAC90Aが贈呈された。