実写合成のためのBlender 3DCG制作ワークフロー 2022年3月31日発売!
文●編集部 萩原
3DCG制作の一連の工程を9人のクリエイターが優しく解説!
3月31日に「実写合成のためのBlender 3DCG制作ワークフロー」が発売になります。本書は監修・執筆を務めていただいたTaka Tachibanaさんをはじめ、荒船泰廣さん、Varyさん、是松尚貴さん 、Sphere Cubeさん、星子旋風脚さん、三原昌也さん、和牛先生さん、涌井 嶺さん(50音順)に登壇いただいて実施したウェビナーをもとに制作した記事のほか、注目のクリエイターインタビューやコラムページなどを加筆して1冊にまとめました。
Blender関連の書籍はこれまでも数々出版されてきましたが、本書の特徴は「実写合成」に重点を置いていることです。CGと聞くと、3Dモデルをイチから作らなければならないと思う人も多いかもしれません。しかし、必ずしもそうとは限りません。今や高品質なモデルを販売するサイトもありますし、実写合成のCG制作のフローに目を向けてみると、モデリング以外にもCG空間内でのカメラや照明、アニメーションの付け方、CGの質感を設定するマテリアル・テクスチャマッピング、実写のカメラとCGのカメラの動きを連動させて、カメラが動いてもCGがその動き合わせて追従するように設定するマッチムーブ、そしてCGと実写の質感がうまく馴染むように行うコンポジットの工程など、多岐にわたります。いろいろあるCG制作の工程のすべてに取り組んでみてもいいですし、自分のなかで得意なものを見つけて、その分野を突き詰めていき、チームで分担する制作スタイルもいいかもしれません。
実写合成におけるそれぞれのワークフローの基本を一線で活躍するクリエイターが優しく解説しています。これからBlenderでの3DCGを始めてみようという方にもぜひお手にとっていただけましたら幸いです。
※本書はVIDEO SALON2022年5月号の特集をもとに増ページ・修正を行い1冊にまとめています。
●本の内容
本書の目次です。大きくは上の4章で構成しています。
序章は実写経験しかなかったTaka Tachibanaさんに、Blenderとの出会いや3DCGにのめり込んだ経緯について執筆いただきました。
1章はBlenderを使いこなして魅力的な作品を発信している5人のクリエイターにインタビュー。Kazuyaさん、田崎陽太さん(Khaki)、三宅智之さん、wanoco 4Dさん、涌井 嶺さんにご協力いただきました。
Blenderをこれから始める人にむけて、基本操作を紹介。Taka Tachibanaさんが連動動画も交えて解説。Blener3.0の注目アップデート情報も。
3章冒頭に掲載しているCG制作のワークフローの俯瞰図。様々な工程を行き来しながら作っていきます。3章はクリエイターのみなさんのウェビナーを記事化したものです。
フリーランスのCGモデラー・エディターとして活動するVaryさんにモデリングの基礎知識と初心者が取り組みやすいモデリングの実演をしていただきました。
アニメーション監督・モーションデザイナーとしても活躍する星子旋風脚さんのウェビナーをもとにした記事。リギング(骨組みを作る工程)とアニメーション(動きをつける工程)の基本を紹介。
CG空間上で重力や摩擦、風などの動きを再現するために行う「シミュレーション」について和牛先生さんが解説。
写真をCGのテクスチャとして活用し、リアルなビルなどのオブジェクトを作っていく工程を映像ディレクター・VFXアーティストとして活躍する涌井 嶺さんが自身のMVを例に解説。
BlenderのCG空間内に設置したカメラや照明の基本、レンダリングの方式による描写の違いなどについてTaka Tachibanaさんが解説。
映画やCMなどでマッチムーバーとして活躍する是松尚貴さんがマッチムーブ(CGと実写のカメラの動きを連動させる工程)の基礎知識や2D、3Dトラッキングの流れを紹介。
映像ディレクターとしてCMやMVを手がける荒船泰廣さんがサンプルムービーを例に、BlenderとAfter Effectsを使ったコンポジットの工程を紹介。
映像ディレクターでYouTubeでのチュートリアル動画も人気のSphere Cubeさん。シェーダーノードの基礎知識とそれをどのように活用するのか実例を交えて解説します。
VFXデザイナーとして活動する三原昌也さんが、より自然な実写合成を実現するために欠かせない「環境マップ」の撮影やそのデータの作成方法などについて解説。