動画RAW収録を実現したカメラとして注目のキヤノンのEOS C200。キヤノンが提供するソフトでRAW現像は可能なのだが、EOS C200発売時点ではDaVinci Resolveが対応、ということだったので、発売開始からかなり時間がたってしまっているのだが、7月に斎賀さんがテスト撮影した素材で試してみた。実は発売前の7月中旬の段階、クリスさんのテストでCinema RAW Lightのファイルの挙動を見てみたのだが、「Camera RAW」のパネルの項目はグレーアウトしていて、いわゆる「現像処理」ができなかったからだ。

8月末の展示会イベントで、キヤノン、ブラックマジックデザイン、双方に確認してみたが、DaVinci Resolve 14 Studioが正規版としてリリースされた現時点でも、「RAW現像」はできないようだ。

EOS C200のRAWファイルは、.CRMという拡張子がついている。

これをDaVinci Resolveに読み込むと、再生、編集可能な状態なのだが、Camera RAWのパネルはこのようにグレーアウトしたままで、いわゆるRAW現像はできない。

開くファイルは、どうやらLogの状態のようだ。浅い色とコントラストの状態で開く。

DaVinici Resolve 14 StudioではデフォルトではキヤノンのC-Log2の3D LUTは登録されていないので、キヤノンのサポートページからLUTをダウンロードする。残念ながら、ここはハイエンドユーザーを想定しているらしく、かなりそっけない感じで、どうしたらいいのか分からない人が多いのではないだろうか。ダウンロードしたフォルダ内に簡単な説明はあるのだが、多数あるLUTファイルがそれぞれどういう意味なのか、という解説まではない。

いつものように、プロジェクト設定から、「LUTフォルダーを開く」でフォルダを開き、そこに.CUBEファイルをコピーする。

ファイル数は多いが、そのなかからおそらくこれだろうと思われる「CinemaGamut_CanonLog2-to-BT709_WideDR_65_FF_Ver.1.1.cube」というLUTを当ててみる。つまりC-Log2を色域はBT709の座標軸に戻して、コントラストはWideDR相当にする、というもの。

すると、こうなる。やはりC-Log2状態で開くということのようだ。

 

せっかくの4K/60pの「RAW」なのだが、現時点でのDaVinciでの挙動は、10ビットのLogということになる。もちろん画質が良くて、グレーディング耐性が高ければまったく問題はないのだが、同じデータ容量であるのなら、「RAW」の自由度の高さとわかりやすさをDaVinciで享受できないのはもったいない。そのうちCamera RAWパネルはユーザーに開放されるのだろうか。