第2回 4K・8K映像技術展レポート前編〜SSDと4K/8K編集ワークステーション


2019年7月17日から19日の3日間、青海展示棟において、通信・放送Week 2019 第2回4K・8K映像技術展が開催された。気になった展示をレポートしよう。

最も目立つブースは日本サムスン/ITGマーケティングがとりまとめた共同出展ブースで、SamsungのSSDを利用した各種製品が一堂に集められた。SSDが高解像度大容量映像時代を支え始めたことが見えてきた。

カメラ収録関連としてはJVCのカムコーダー

JVCの4KカムコーダーGY-HC550/HC500は記録メディアにSSDを利用することで4K/60p収録を実現できるが、その記録メディアとしてSSDのSamsung 860 EVOと、そのメディアを収めカメラのスロットに投入するためのSSDメディアアダプターKA-MC100が展示されていた。

カムコーダーは当初今年の初めに発売の予定だったが、まだ発売が開始されていない。遅れの原因は明らかにされていないが、記録メディアのほうは準備万端。

ユーザーは自分でSSDを用意し、メディアアダプターに装填して使用する。

メディアアダプターは専用品。下の写真で左側にカメラボディとのインターフェイス、右側にはUSB端子がある。

すでに映像業界では定番になりつつあるSamsung Portable SSD T5。T5をポケシネ4Kの収録メディアとして利用するケースは増えている。DJIのOsmo PocketやGoProの記録メディアはmicroSDだが、Samsungのmicro SD、EVO Plusは非常にコストパフォーマンスが高い。32GBから512GBまでラインナップされる。

アトモスのSHOGUN 7

ProRes RAW記録に対応した7インチのHDRモニター兼レコーダーのSHOGUN 7。代理店のメディアエッジの担当者によると発売は秋の予定。価格は税込で20万円以下になるようにしたいとのこと。

展示では、パナソニックのシネマカメラEVA1と組み合わせ、SDIから5.7KのPana RAWを入力し、SHOGUN 7側でProRes RAW、もしくはProRes RAW HQ収録し、そのメディアをFinal Cut Pro Xですぐに編集できるところを見せていた。RAWを入力した場合は、記録はProRes RAWかRAW HQを選択でき、ProRes 422系やDNx系のコーデック系の形式は選択できない。

現状、ProRes RAWを編集できるソフトはFinal Cut Pro XとEDIUS。

SHOGUN 7の裏側。SSDは専用のカートリッジに入れて使用する。筐体も新規設計になっている。

メディア情報を見るとSamsung SSD 860 PRO 1TBと認識されていることが表示される。

メディアパッケージ

昨年の4K・8K展で提案があったSamsung T5の放送業界向けのパッケージが好評で、今年は2.5インチSSDのパッケージが参考出展されていた。860 EVOが2つ、きれいに収まるサイズ。

さらにもう一つ。Portable SSD X5も放送局、ポスプロを中心に使われているということで、こちらの専用ケース付きのパッケージも参考出展された。

8K、4K編集PC

SamsungのSSDはハイパフォーマンスを要求されるクリエイター向けのPCで定番となっているが、今年は8Kや4K RAWの再生を目指して各社がワークステーションを持ち寄った。

ツクモ

ツクモで用意している4K/60pノンリニア編集ワークステーション。インテル Core i9-9980XE エクストリーム・エディション・プロセッサー、マザーボードはASUS PRIME X299-A、グラフィックカードはNVIDIA GeForce RTX 2080Ti、128GB DDR4 SDRAM (PC4-21300、16GBx8)、システムドライブは1TB SSD (M.2 NVMe接続、Samsung 970 EVO Plus)、作業ドライブはRAID-0設定のM.2 NVMe SSD 2TBx4枚、Samsung 970 EVO Plus をHighPoint製 NVMe RAID カードアダプタで。これにより、8Kのマルチカム素材を4Kに落としたもの(CineformのMOVファイル、4.7Gbps)をDaVinci Resolve 16(ベータ版)で3ストリーム再生できていた。

もう一つ、ツクモで興味深いのがコストパフォーマンスを重視して、AMDのRYZEN 9をベースに組んだものの。こちらは参考出品的な位置付け。CPUはRYZEN 9 3900X、マザーボードはASROCK X570 Creator、メモリは64GB DDR4、グラフィックはRadeon RX5700 XT 、システムドライブは1TB SSD(M.2 NVMe接続、Samsung 970 EVO Plus)、インターフェイスはUSB 3.2 Gen 2、Thuderbolt 3。価格帯としては40〜50万円といったところのようだ。

Cybaba

Cybaba(サイババ)もAMDのCPUを中心に各種ターンキーを用意している。今回の展示会で出展したのはCGプロダクションプロデュースの「画竜点睛」シリーズのワークステーション、映像制作モデルw/U.2。編集ソフトはDaVinci Resolveを想定。HighPoint製4-Bay U.2 NVMe RAID 6540に、SSDはSamsung 983 DCT(NVMe U.2)X4を採用。このSSDは、サーバー用のものだという。

目を引いたのはこのボックスで、こちらも参考出品。Pocket All in ONEモデルと名付けられ、ポケシネ4Kを買って、とにかく編集したい入門層向けに企画したという。PCとは思えないコンパクトな筐体にCPUはAMD Ryzen 5 4コア 3.7-4.0GHz。ポケシネ4Kを買ってすぐに編集が始められることを想定し、カメラとセットで299.800円〜という価格で販売したいとのこと。まさにこれから動画をはじめてみたい人向け。ただしモニターは別売。

ビジュアルテクノロジー

8K/60p編集に対応したワークステーション。RED WEAPONの8K素材をPremiere Proで再生できていた。総額250万円くらい。CPUはXeon W-3175X、GPUにNVIDIA TITAN TRXを搭載。

JBS

JBS(ジャパンブロードキャストソリューションズ)の4K編集ワークステーション。4K60p RAW/XAVCで撮影下素材を編集やグレーディング時にコマ落ちせずに2ストリームの再生が可能。Samsung 970EVO Plus(2TB)4枚をNVMe RAIDカード(HighPoint製)で利用。インターフェイスはThunderbolt3、USB3.1 Gen2、10GbEなど。

JBSの関連会社、JBSクロスがTILTAの代理店に。TILTAのリグとフォローフォーカスNUCLEUS-Nを装着したポケシネ4Kも展示。

グリップと本体の間にSSDのSamsung T5を入れるスロットを装着することができる。

後編に続く。