レポート◎ノダタケオ

Hollyland Technology はラスベガスで開催された NAB2023 において2種類のカメラを発表しました。Hollyland はインターカムシステム Solidcom C1 Pro や無線の映像転送が可能な Mars 400S Pro など、近年、ライブ配信の現場で頻繁に目にする製品が多く、日本での勢いを感じるメーカーのひとつといえるでしょう。

 

 

「Venuss Air」と「Venuss Pro」と名付けられたこれらのカメラ本体の外観は、家庭用ハンディーカムビデオカメラを少し角ばらせたような箱型のカタチをしたもの、といった印象。三脚から取り外せば、どちらも片手で握れ、機材バッグのちょっとしたスペースに入れて気軽に持ち運びもできそうです。ちなみに、カラーバリエーションは白と黒の2パターン。

NP-Fバッテリーでの可能が可能なプロモデル「Venuss Pro」

上位モデルにあたる「Venuss Pro」は5インチのディスプレイを備え、ソニーのNP-Fバッテリーを用いたバッテリー駆動も可能。本体には3.5mmのMIC IN/LINE INと、HollyLandから発売されているLark C1のようなワイヤレスマイクもUSB-CのMIC IN端子から入力もできます。

 

横向きの撮影だけでなく、縦向きでの撮影に対応。設定画面からはもちろん、カメラ本体の回転をさせることによって「横向き」かそれとも「縦向き」の撮影なのかを選ぶことができます。

 

Wi-FiやLANを通じてYouTube LiveやFacebook Liveをはじめ、RTMPを用いたライブ配信を本体から直接行うこともできます。なお、InstagramとTwitchの対応も予定されています。

 

そして、これらの映像をATEM MiniシリーズのようなビデオスイッチャーへHDMI OUT端子から、OBSなどのライブ配信ソフトウェアがインストールされたパソコンなどへUSB-C OUT端子からUVC/UAC出力が可能です。

 

さらには、本体にSDカードスロットが内蔵されており、録画も可能となっています。

 

Venuss Airは求めやすい安価なモデルとしての位置付け

一方、「Venuss Air」は一言でいうと「Venuss Proの安価なモデル」としての位置付け。実際に本体を握った感じのサイズ感としては、Proに比べると本体の大きさは気持ち小ぶりな印象です。

 

違いは「バッテリースロットが無い(=AC電源供給が必要)」「LANポートがない(=Wi-Fiのみ)」「3.5mmの音声入力はMIC/LINE入力ではなく、MIC入力のみ」そして「SDカードスロットがない」ことです。

 

そして、「Venuss Air」にはProと異なり液晶ディスプレイがありませんので、基本的な設定は HollyView アプリで操作をすることになるのも大きな違いと言えるでしょう(残念ながら「Venuss Air」を HollyView アプリで操作する様子は見ることはまだできませんでした)。

 

日本で発売がされればビギナーの大きな注目を集めそう

今回のNAB2023で展示されていたものは現在プロトタイプモデルで、最終的な仕様の確定と値段の情報についてはもう少し待つ必要がありますが、順調にいけば、今年秋ごろのリリースを予定です。

 

もちろん、「Venuss Air」と「Venuss Pro」日本でも発売されることに大きな期待をしたいところですし、もし発売されれば、スマートフォン単体やWEBカメラでのライブ配信をしているようなビギナー層へ向けて、「もう一歩上のクオリティーがあるライブ配信を実現してくれる製品」のひとつとして、関心を集めそうな製品となる予感がするのです。

 

●NAB Showは2023年4月15日-19日までラスベガスで開催中

https://nabshow.com/2023/