観ると癒される動画とそれを制作できるクリエイターを集めた!心にジーンとくる最長10分の 映像作品を厳選した「ジーンシアター」


YouTubeの広告と不快な関連動画は仕方がないと思っている人は多いかもしれない。オススメできる短尺動画だけをセレクトする動画サイトを作った井村さんにその思いを訊いた。

語り◎井村哲郎さん(ジーンハート株式会社CEO) 聞き手◎編集部 一柳

 

◉ジーンシアター

https://genetheater.jp

 

 

映像には心を揺さぶる力がある

「ジーンシアターとは、その名の通り心にジーンとくる最長10分の映像作品だけを厳選した動画サイトで、この5月にスタートしました。動画の最初や途中に広告が入ることもなく、また不快な関連動画のサムネイルも表示されることはありません。もちろん視聴は無料で、登録なども必要ありません」

「なぜこの動画サイトを立ち上げたのかと言いますと、コロナになって以降、気落ちしている人、心が疲れている人が多くなってきた気がして、そういった人たちを動画作品で癒やしたり、元気にしたいと思ったんです」

「実は自分の経験も関係しています。私は前職で自分史ビデオを作るサービスというのを立ち上げたのですが、40歳くらいの娘さんから病気の父親の自分史ビデオを作りたいと注文されました。自分がディレクターとして作ったんですが、その試写のときに娘さんが途中から号泣してしまったんです。驚きました。写真や文章ではここまで号泣しないと思うんです。映像というのは人の心をここまで揺さぶるのかと」

「私自身も映画が好きで映画に励まされてきたのですが、ただ映画鑑賞は時間もお金もかかります。スペシャルコンテンツとしてはいいのですが、気軽に楽しむにはハードルが高い。そういうときにYouTubeなどで短い動画を見て癒やされてきました。それこそJTのCMの姉妹編なんて30回以上見まして(笑)。こういう感動できたり、癒やされる動画だけを集められないものだろうかと思いました」

「ただYouTubeで見ていると、アルゴリズムを利用して関連動画を薦めてくれるのはいいんですが、どうしても見たくないものまで目に入ってきてしまいます。また短い動画であっても広告が表示されてしまいます。せっかく癒やされたいと思っているのに、ゲンナリしてしまうんです。そこで同じような思いをしている人はいるのではないかと調査してみました。そうしたらやはり同じような思いを持っている人は多いけど、そもそも無料だし、そういうシステムだから仕方がないよねと諦めてしまっている。であれば、自分で立ち上げようと決意しました」

 

視聴者のターゲットは40〜50代

「サイトのターゲットは40〜50代としました。当初はWEB動画を見る習慣のある人の多い20〜30代を想定していましたが、アンケートを取るとその層はそもそも動画に癒やしや感動を求めていない。面白さとか情報を求めているんです。やはり人生経験を積んだ40代以上のほうが癒やしの映像を求めている。WEB動画を見る人の割合は少なくても、実は人口そのものが若い世代の2倍近くいるんです。だからネット動画を見る人口は同じだということに気がついて、ターゲット年齢を上げました」

「また彼らは隙間時間ではなくてわりと動画を見る時間をまとめて確保していることもわかりました。PCやテレビというよりはスマホやタブレットではありますが、テレビ録画を見るような感覚で腰を据えて見ています。こういったコンテンツが求められているのではないかと思いました」

 

ストーリーを重視

「そこで見せたい作品を厳選する作業を始めました。自分だけでは限界があるので、いろいろな方に手伝ってもらい、1200本ほどピックアップしました。そこから自分も含めて複数名で「どれだけ心が動いたか」という観点で評価していきました。条件としては、10分以内で、公序良俗に反しないもの。感動させたい、癒やしたい、明るく元気にしたいという目的があったので、強いメッセージ性があるものは外してエンタテインメントに絞っています」

「また、映像作品としてのストーリーを重視しています。やはり心にどれだけ響いたかというのは、もちろん、撮影とか編集、演技力などは重要ですが、ストーリーを作れる力だと思うんです」

 

力のある映像作家を集めたサイトに

「結果的にサイトオープン段階で180作品をピックアップして映像作家おひとりずつに声をかけていきました。当たってみるとすでにプロとして活躍されている方から学生まで、結果的に素人ではなく、なんらかの映像制作をされている方々でした。私の主旨をご説明したところ、権利関係上出せないという作品以外は喜んで出していただけました。作品は今後もどんどん追加されていく予定です」

「サイトでは映像作家を紹介する専用ページも作っています。今、WEB上でストーリー性のある短尺のブランディンムービーの需要は高まっていますが、大手広告代理店に頼むと莫大な金額になります。ジーンシアターは力のある映像作家が揃っているサイトになると思っています。我々が映像作家のエージェント的に動き、企業やテレビ局とのマッチングをするなど、作家を応援できるようなサイトになるのが目標です」

 

ジーンシアターのコンセプトムービーより

 

ジーンシアター「感動」ジャンルの作品より

サイトは「ジャンル」と「気分」で選べる構造になっている。ジャンルは「ヒューマンドラマ」「コメディ」「ホラー」「アニメ・CG」「ミュージック」「ダンス・表現」「ドキュメンタリー・バラエティ」、気分は「感動」「癒し」「元気」「ドキドキ」「スカッと」「笑い」「懐かしさ」。

『おどりなき夏』(鯨岡弘識)


https://genetheater.jp/archive/cinema/1755/

 

『さいごのごちそう』 (李 智亨)


https://genetheater.jp/archive/cinema/1827/

 

『Rie』 (かまだともゆき)


https://genetheater.jp/archive/cinema/1890/

 

『てがみ』 (なりたもえこ)


https://genetheater.jp/archive/cinema/1926/

 

 

VIDEO SALON 2022年6月号より転載