多様化する映像クリエイターの制作スタイルを訊く『Videographer’s File』Tomoaki Yui


Tomoaki Yui

東京生まれ、石川県金沢市育ち。元々は美容師を志して18歳の時に上京し、美容関係の学校に通った後、3年間、都内美容室に勤務。その後、4年生大学に入学し哲学を専攻、アメリカに留学する。当初はInstagramで趣味で写真や動画を投稿していたが、友人の勧めをきっかけに留学中のアメリカで映像の仕事を開始。昨年8月に帰国し、現在はコンテンツマーケティング会社・Filmwalkrのクリエイティブディレクターを務める傍ら、フリーランスのビデオグラファーとしても活動。

Instagram●https://www.instagram.com/tomoaki_yui/

取材・文:松岡佳枝/現場写真提供:飯塚光彩

グローバルな視点で
海外からも注目される映像作家

インターネットを利用して、誰もが気軽に様々な疑似体験をできる昨今。写真や映像をこれほどカジュアルに、しかも手のひらに乗る程度のデバイスで楽しめるような時代に、新たなクリエイターが生まれるのは、ある意味では必然。YUIさんは、まさにそんな現代に現れるべくして現れた気鋭のクリエイターだ。

現在28歳のYUIさんは、23歳の頃まで美容師として働いていた。その後、あらためて勉強したいと一般入試を経て大学に入学。哲学を専攻し、26歳でアメリカへ渡り昨年帰国したばかり。現在は東京を拠点に企業のWEB動画を中心に活躍している。

「映画がとても好きで、いろいろな作品を見ていました。父がカメラ好きだったため、カメラは身近な存在で、美容師をしていた頃からモデルさんの撮影もしていました」

Instagramを2014年にスタートし、趣味の写真、動画をアップ。iPhoneから始め、GoProやキヤノンEOS 70Dなどを使用して動画を撮影していた。また、アメリカ留学の間にアメリカでの生活、旅などを映像で残すVLOGもInstagramで行う。

「アメリカにいた時のルームメイトに、映像が好き、得意なら、それを仕事にしてみたらどうかと言われたんです。それがきっかけで、カリフォルニアからニューヨークへ渡り、映像を作ったりしました。アメリカにいる時に(2017年)旅行会社のH.I.S. USAのお問い合わせフォームから自分の情報を送信してコンタクトを取り、生まれて初めて“営業”したんです」

その営業は見事成功し、YUIさんの作った映像はH.I.S.本社や各支店にて公開される。公式サイトのみならずSNSサイトやアメリカで配布される冊子の表紙になるなど、大きな話題に。

「映像を作る時、自分自身が楽しいかどうかということを一番に考えます。また、ハリウッド作品なら『トランスフォーマー』や『アベンジャーズ』などブロックバスター的な映画が好きなこともあって、ティール&オレンジのような色味が好みで、色にもこだわりがありますね」

映像を仕事として活動していく
帰国と同時にEOS-1D Xを購入

 “独自の視点”という使い古された言葉ではYUIさんの個性は表し切れない。

「アメリカから帰国する時、これから映像で飯を食っていくという覚悟とともにEOS-1D Xを買いました。キヤノンユーザーだったからということもありますが、EDMと中心としたMVで活躍するローリー・クレイマーも使っているなど、僕にとって1D Xはドリームカメラです。帰国時に3年でトップクリエイターになると決めていたので、あと2年。アメリカ人がアメリカ以外の国でも活躍しているように、海外と勝負をしていきたいですね」

「海外と勝負をしたい」という彼の言葉からも分かるように、YUIさんの見ている景色は想像以上にグローバルだ。

よく使う映像機材リスト

▲ ワンマンオペレーションの現場が多いため、機材で重視するのは機動性だという。大規模な撮影の案件の場合は機材をレンタルして運用している。

Tomoaki Yuiさんの作品

東田トモヒロMV『Indigo Blues』

シンガーソングライター、東田トモヒロさんのMV。仕事に行き詰まり、シャッターを切れなくなった写真家が旅先での出会いをきっかけに純粋な気持ちを取り戻す。

H.I.S.『アメリカの街を歩く!ニューヨーク編』

Yuiさんが初めて仕事として映像を手掛けたWEB動画。H.I.S.がおすすめする観光スポットをハイパーラプスの映像を織り交ぜながら紹介していく。

 

日頃よく使う撮影・編集機材

1/メインカメラはキヤノンEOS 1DX MarkⅡ。元々キヤノンユーザーでEOS D70を愛用していたが、日本で映像の仕事を始めるに当って購入したという。2/ロケ用の機材パッキング。マンフロットのローラーバッグ55は航空機に手荷物で持ち込める。現地に到着したらEndurance(エンデュランス)のバックパックに移し替えて、移動する。3/ローラーバッグの中身。4/編集は移動先ではMacBook Pro。4K RAW編集などの案件ではFilmwalkr編集部内のiMac Proで編集を行う。撮影データは、HDDやRAIDに何重にもバックアップする。

 

アメリカでのミュージックビデオの撮影風景

▲ アメリカでのミュージックビデオ撮影の様子。Filmwalkrのチーム体制で制作。アウトドアブランドKEENのWEB CMの制作と合わせて、実施された。撮影は10日間にも及んだという。カメラはEOS C200を使用した。