多様化する映像クリエイターの制作スタイルを訊く『Videographer’s File』嶋田史朗


嶋田史朗

香川県生まれ。工業高校のデザイン科でクリエイティブの基礎を学び、美大の映像学科に進学。大学在学中は映画制作の現場に制作・演出として携わる。一度、映画の現場からは離れ、Webデザイナーのアルバイトを続ける傍ら、ミュージシャンのPV 等を個人で請け負う。2011年にGMOインターネット株式会社へ入社後は、ゲーム事業部でゲームPVを制作していたが、2016年にグループ広報・IR部に異動。グループ全体のPR 映像や、社内イベント映像、研修用映像などの制作を手がけるようになる。

WEB●https://www.gmo.jp/

取材・文松岡佳枝/現場写真提供:GMOインターネット

映画制作の現場から企業の映像制作へ

GMOインターネットでコーポレート・ビデオグラファーとして映像を制作する嶋田史朗さんは、企業に所属しながら、自社のPR映像作りを中心に活動している。

「小学校5年生の時に映画『インディペンデンス・デイ』を観たのが映像に興味を持つきっかけでした。中学生の時には、その日ごとにホラーにしようなどとテーマを決めて、友人と一緒にビデオカメラで映画を作って遊んでいましたね」

その後嶋田さんは、工業高校のデザイン科を経て、美大の映像学科「映画コース」に進学。大学時代は「早く現場を経験したい」との思いから、映画制作のスタッフに自力で連絡を取って現場で制作・演出に携わり、助監督なども務めた。

映画制作の現場を離れた後、2011年に現在の会社、GMOインターネットに入社。当初はゲーム事業部でゲームのPVの制作を行なっていたが、現在の所属部署であるグループ広報・IR部から「グループ全体に関わる映像の仕事をしないか」と声をかけられたことをきっかけに、現在は同部でコーポレート映像の制作に従事している。

GMOインターネットでの映像の仕事

クリエイターとして、会社のメッセージをいかに映像に翻訳し伝えていくか。これがコーポレート・ビデオグラファーの特色であり、やりがいだという。

「コーポレート映像にも種類があって、社外向けのPR映像や記者発表の映像コンテンツ、また株主総会や社内研修用の映像など、さまざまです。事業領域が幅広い当社グループでは毎回違うことにトライできるので、とても楽しく仕事ができています」

シナリオ作りをイチから行うこともあり、わかりやすく、その時々の気持ちや感情がより伝わるような映像制作を心がけているという。

「GMOアスリーツの紹介映像制作に際しては、選手の調子や普段の練習の雰囲気をつかむため、練習に同行させてもらいました。ひたむきに練習に打ち込んでいる選手の姿に感銘を受け、それが構成の起点になりましたね」

これからの自身の活動のなかで目指していきたいことを伺うと、

「当社において、映像はまだ弱いと思っています。他社では既に映像を利用したPRを数多く行なっているので、もっと事業やプロジェクトに入り込んでヒアリングしながら、作品の数を増やしていきたいですね」

より大きな規模での未来を見据えた希望を話してくれた。

●よく使う映像機材リスト

▲ 嶋田さんの機材選びの選定基準は、撮影時に取材対象にカメラの存在を意識させず、普段どおりの姿を写したいという思いから、小型・軽量な機材を中心に選んでいる。α6500はSmallRigと組み合わせて使用する。

嶋田史朗さんの作品

GMOアスリーツ 2018

GMOインターネットグループが世界で戦うアスリートの育成を目指し取り組むプロジェクト「GMOアスリーツ」。そこに所属する選手たちの活動を追った紹介ムービー。

GMO CLUB NIGHT 2017 (Offical Aftermovie)

GMOインターネット公認の部活動「GMO DJ部」が昨年末に行なった社内DJイベントの模様を記録したアフタームービー。嶋田さん自身も、クリエイターとして部に在籍している。

撮影現場の風景

1/GMOアスリーツ2018の撮影現場。演出の他、自らカメラを構えて撮影も行う。グループ会社の協力により、ドローンを使った空撮も実現した。 2/新規サービスの担当者へのインタビューのセッティング。 3/GMO DJ部の社内イベント収録の模様。日頃は小型軽量な機材をメインで使っているが、この時はソニーFS7で撮影に挑んだ。

 

事前にシナリオや絵コンテも作り込む

▲ GMOインターネットグループの新規サービス紹介、株主総会、社内研修用映像など制作する映像は多岐に渡る。事前の調査・ヒアリングを元に、シナリオ・絵コンテ作りも行う。

 

◉この連載はビデオSALON 2018年8月号に掲載した内容を転載しています。