岡野さん同様、毎月のViews投稿作品の全作を視聴しているViewsコーナー担当・池田が [ Views Award 2018-2019 ] として選考した1作は、2018年6月号でベストムービーに輝いたMAKOTO ONODERAさん制作の『PHOTOGRAPHER TSUKUNE』。

2018年6月号という比較的Views立ち上げ黎明期に近いタイミングでの投稿作品で、Views応募作品のポテンシャルと広がりの可能性を強く感じさせてくれた作品でもあった。

凍てつく季節の中、凜とした空気感とほわっとした空気感の両方を感じさせてくれる映像に思わず目と気持ちが釘付けになった一作。作者の画作りの考え方に興味がわき、掲載直後におもわず連絡をとったというエピソードも。

ほかにも「HEISEI LAST SUMMER」をはじめ印象的なポートレートムービーや、地元仙台の魅力を描いた作品投稿の多いMAKOTO ONODERAさん。

 

ずっと仙台に住んでいたONODERAさんだが、震災後に仕事の関係で地元を離れることに。それから3年がたった頃にテレビなどで地元復興の知らせを見聞きしているうちに郷愁の思いにかられ、地元に戻ることにしたという。

 

◎ONODERAさんの作品には個性というか雰囲気を感じると同時に、地元への愛着も感じます。作品作りの動機とモチベーションを教えていただけますか

実際に戻ってみると、まだまだ元気のない地元宮城と東北。
震災の津波で街を破壊された沿岸部の復興がなかなか進んでいないことを嘆き、映像でもっと地元や東北のことを世界中の人に知ってもらえないかと考えるようになりました。
そして、YouTubeに映像をアップしたところ、たくさんの方々から「感動した」とメッセージを頂くようになり、モチベーションがさらに高まっていきました。

 

◎ONODERAさんの映像には前述したように独特の雰囲気を感じるのですが、撮影ではどのようなことを考えているか教えてもらえますか?

自然や観光映像などを撮影する場合には、ひとつのロケーションでも光と影のあるところを探して綺麗だなと思う場所を探します。
そして自分のイメージに合わない場所は排除していきます。例えば、神社の正門が立派であってもイメージに合わないものが門の前にあれば撮影を諦めることもあります(笑)

また、見る人を飽きさせないように、ひとつの被写体でもいろいろな角度から撮影してカット割りをするようにしています。
「絵コンテなど書かれているんですか?」とたまに視聴者の方に聞かれることがありますが、残念ながら絵ごころがないので、準備していません(苦笑)。でも、どのような映像にしたいかというイメージは常に頭の中に描いていて、ストーリー性や繋ぎも意識しながら撮影するように心がけています。

そしてなにより感動して撮影することが大切だと思っています。いい絵が撮れている時ほど、自分自身が感動しているのだと思います。

 

◎撮ってきた映像を最終的な作品にまとめる編集についても、教えていただけますか?

音楽の選定はかなり重視しています。
はじめから選曲することもありますが、ほとんどは撮影素材を見てイメージングしてから選曲します。映像のイメージが沸いたら、オープニングとラストをどの素材にするか初めの段階で決めています。
また、飽きさせない映像にするために音楽も短くカットしたり、SE(効果音)を使ったりしています。

完成後は、自分が本当に感動する映像なのか、その視点で繰り返し見るようにもしています。自分が感動(心が動く)しなければ、見る人にも何も伝わらないのではないかと思っていますので。

他にも色々とあるのですが、なかなか表現しきれないので・・。
私のチャンネルの映像を見ていただいて、気に入りましたらチャンネル登録していただけると有難いです。どうぞよろしくお願いいたします。

◎ありがとうございました。これからも観ているこちらの心も動くような作品お待ちしています。

ズームレンズは使わない、というMAKOTO ONODERAさん。レンズへのこだわりもなかなかのもので、2019年2月号のレンズ特集にもご登場いただいた。

 

◎MAKOTO ONODERAさん YouTubeチャンネル

◎今回掲載のMAKOTO ONODERAさんの写真を撮影してくれた、PHOTOGRAPHER TSUKUNE さんのツイッター