「じぶん銀行」のWebムービーに
Blackmagic Cinema Cameraおよび
DaVinici Resolveを使用


株式会社ビジネス・アーキテクツ
ディレクター 村木昭仁氏
アートディレクター荒木脩人氏
株式会社ビジネス・アーキテクツ (以下BA)は、Webサイトの構築・プロデュースを強みとし、国内外で数々の賞に輝いてきた。2011年に株式会社AOI Pro.のグループ会社となったことで、映像制作のプロフェッショナルも合流し、Webサイトと動画の一貫したプロデュースを可能にしている。クライアントには国内外の有名企業があり、デザインやアートディレクションにとどまらず、PCやスマートフォン向けのサービス・コンテンツの開発、調査、分析、最適化まで幅広いサービスを提供している。
近年、Webサイトに動画が取り入れられるのは珍しくない。Webサイトの訪問者に、短時間で分かりやすくメッセージを伝えるのに、映像は非常に効果的である。しかし、その映像の出来によっては、思ったような効果を得られないこともある。BAでは、クライアントとオーディエンス(サイトの訪問者)を確実に結びつけるような作品作りをしている。


「じぶん銀行」の紹介ムービー



そんなBAが手がけた株式会社じぶん銀行のWebサイトおよびWebムービー。ムービーの役割は「じぶん銀行」とはどういったものであるか、をオーディエンスに改めて紹介すること。「なんとなく名前は知っているけれど、KDDIのサービスの一つのような感覚でとらえている人たちに向けて『じぶん銀行』とは何かを知ってもらい、身近に感じてもらうのが目的でした」と、BAのディレクターである村木昭仁氏は説明する。
「その目的に対し、『スライス・オブ・ライフ』という、商品やサービスが実際に使われる日常生活の場面を切り取ったムービーを提案しました。ターゲット像に合わせて、極端に尖りすぎず、少しだけクオリティの高い生活を提案するというコンセプトです」と話すのは同社アートディレクター、荒木脩人氏。
「クライアントは比較的新しいネットバンクであるため、一般的なメガバンクのイメージとの差別化を考え、情報感度の高いターゲットに合わせた今らしいトーンを決めていきました。ムービーのことだけでなく、Webサイトとの一貫性も考慮し、動画の1シーンをサイトのデザインにも使用しています」と荒木氏は続けた。
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Blackmagic Cinema Camera EFとDaVinci Resolveを使用


Webムービーの撮影とカラーグレーディングに使用されたのがBlackmagic DesignのBlackmagic Cinema Camera EFとDaVinci Resolveだ。
「撮影では作品の規模やワークフローなどによって、カメラを使い分けています。今回の作品 では、DSLRでの撮影が候補にあがったのですが、DSLRの映像はすでに一般的なため、ターゲットに合わせて、もっと違った映像を撮ってみたいと考えました」と村木氏。
「閉鎖的なイメージにならないように窓抜けや逆光のカットを多用したかったので、ラチチュードの広いLogかRawで撮影したいと考えていました。今回の撮影を担当したDPの井村事務所の谷さんがちょうどBlackmagic Cinema Cameraを導入したこともあり、自分の撮りたい映像がこれなら撮れると感じて、Blackmagic Cinama Cameraを使用することに決めました」
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「オーディエンスに身近に感じてもらうことが目的なので、特機はほとんど使わず、リグを装着して手持ち感を生かしました。出演者のさまざまな表情を狙いたかったので、素材が多くなることも考え、ProResのfilmモードで撮影しました」
村木氏は続ける。
「撮影スケジュールは2日間で5カ所の撮影現場を移動するため、非常にタイトでした。さらに、いろいろなシーンを撮る必要があったので、1シーンにあてられる時間も短い状況でした。Blackmagic Cinema Cameraのコンパクトさは撮影時のセットアップや撤収がしやすいのがよかったですね」
「撮影に同行して感じたのは、カメラが小さいので威圧感がなく、出演者がリラックスしやすかった気がします」と荒木氏は話す。
今回の作品では、スマートフォンの液晶画面のアップや、画面のどこかに光源が入っていたり、窓の外が抜けたりしたシーンが多く見られる。
「窓抜けや逆光などの撮影は、照明を作りこむ必要があるのですが、時間的にもそうするのが難しい状況でした。さらに、スマートフォンの画面のアップも多用しています。こういったものは、普通なら液晶画面部分のハイライトは白とびし、その周辺は黒つぶれになってしまいますが、Blackmagic のカメラはダイナミックレンジの広いLogで撮影できるので、きちんと欲しい画が撮れました」と村木氏は語る。

ポラロイドのようなチープ感をResolveで演出


オフライン用には、logデータにLUTを当てたファイルを書き出して使用し、XMLを介してResolveとデータのやり取りをした。編集とカラーグレーディングは村木氏が自ら行なった。
 村木氏はもともと、演出以外にもオフライン編集はもちろんのこと、場合によっては自分でカメラを回すこともあったが、グレーディングは初めてだったという。「わからない部分は、Resolveのユーザーグループで質問したりして完成させました」
「このWebムービーのターゲットは、普段からスマホで写真をアップする際にもInstagramなどで色を加工してアップするような人たちです。今回のグレーディングの狙いは、そんな人たちにアピールするルックを作ることでした。通常CM制作の現場だと『ハイエンド』なルックになってしまうところを、トイカメラやポラロイドで撮ったような、ちょっと隙のある、素人っぽいけど雰囲気のあるルックにして、親近感を持っていただくという狙いがありました」
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完成したものは、PCやスマートフォンなどの(画面の)コントラストの高いもので視聴されるため、その点を考慮し、コントラストを低めにグレーディングを行なったという。
「はじめに、コントラストを決めて、PowerWindowを使って顔の部分やスマホの画面部分などの色を調整しました。Resolveのトラッキングはかなり使いやすかったですね。また、逆光感を強調するために、ほとんどのシーンで、PowerWindowをフレームの外側に置いて、フレアのような光源を足しています。ノードをいくつも足して、追い込んでいける点が便利でした」
「今回は、自分自身でグレーディングしたこともあり、じっくり時間をかけてルックを作ることができました。撮影から編集、グレーディングと一貫してProRes素材を使えたのも非常に効率的で、満足のいく作品に仕上げることができました。この作品で、同作品プロデューサーAOI Pro.吉原さんがBlackmagicのカメラのルックを気に入って、すぐに別の仕事でも3本ほど、Blackmagic Cinema Cameraを使ったと聞いています」と村木氏は結んだ。
じぶん銀行紹介ムービー
http://www.jibunbank.co.jp/about/
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