ソニーからレンズ部と記録部を分離したビデオカメラ、「まめカム」のHD版が発売される。HDとしては初の「まめカム」になる。型番はHXR-MC1。発売は2009年の1月上旬。価格はオープンで、推定価格は19.8万円前後。11月19日から開催されるInterBEE2008では多数のデモ機が用意されるという。


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 レンズ部と記録部が別体になってケーブルで接続、小型のレンズ部を生かして普通のカメラでは設置できないようなアングルから撮影できるのが「まめカム」の魅力。ソニーでは、Hi8、DV時代からビデオウォークマンとの組み合わせで商品化してきたが、実は現役の製品としては存在していなかった。「まめカム」はないのか? という問い合わせや旧製品の修理依頼が、特に放送局周辺から多かったという。そこで今回は業務用として登場したのが、HDとしては初の「まめカム」になるHXR-MC1だ。
 小型カメラヘッドとコントロールパネル兼記録部という分離型のスタイルはそのまま。ただし記録部はこれまでのテープではなく、メモリースティックデュオを使用することで、コンパクトになった。
 記録フォーマットはAVCHD。4GBのメモリースティックデュオに16MbpsのFHモードで約25分、7MbpsのSPモードなら約1時間25分記録できる。
 カメラヘッド部は、1/5型のクリアビッドExmorタイプのCMOSセンサー(単板)。有効画素は約143万画素。レンズは10倍ズームのカールツァイス「バリオ・テッサー」。この仕様を見る限り、ベースになっているのは、ポケットに入るコンパクトなメモリーカメラHDR-TG1であることがうかがわれる。
しかしTG1はフィルター径の溝がなく、発展性に欠けていたのに対し、こちらは、30㎜径の溝があり、ワイコンを装着することが可能。カメラヘッド部にはステレオマイクも搭載されている

 コントロールユニット部は、タッチパネル式の2.7型の液晶パネルで、メニュー設定やスポットフォーカスなどの操作が可能。操作ボタンとしては、REC、ズームレバー、カメラコントロールダイヤル、フォトボタンなどが独立して用意される。コントロールダイヤルで、フォーカス、露出、AEシフト、WBシフトの調整が可能となっている。接続端子は、USB、HDMI、A/V R端子(コンポーネント、コンポジット、リモート兼用)となり、最新の家庭用AVCHDカメラと同等。
 バッテリーはインフォリチウムのHシリーズに対応。最大サイズのバッテリーで連続6時間の使用が可能。ワイコンや、バッテリーチャージャー、ワイヤードリモコンなどを専用ケースに収納できるアクセサリーキットも用意される。
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▲別売のアクセサリーキットACC-H1BP。ワイコンもアクセサリーキットに同梱。
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▲カメラヘッド部にワイコンを装着。
 さて、この「まめカムHD」をどう使うか? 車載や自転車につけても迫力のある映像が得られるし、ステージなどでは仕込みカメラとしても効果的。これまでは解像度ががくっと落ちたり、4:3になってしまったりしていたが、それがHDになることの意味は大きい。表現の幅が広がりそうだ。
(スペック)
●撮像素子:1/5型クリアビッド配列ExmorCMOSセンサー ●総画素:約236万画素 ●有効画素:約143万画素 ●記録フォーマット:AVCHD ●記録メディア:メモリースティックデュオ ●レンズ:カールツァイス「バリオ・テッサー」レンズ光学10倍 ●35㎜判換算:43~507㎜ ●フィルター径:30㎜ ●防滴:カメラヘッドはJIS C 0920防水保護等2級(IPX2)に適合 ●液晶パネル:2.7型クリアフォト液晶プラス(タッチパネル)●ケーブル長:2.8m