3月8日追記・訂正しました。

ソニーは、2月19日、CP+2016を前にEマウントのデジタル一眼カメラ、α6300を正式発表した。α6000の上位機種という位置づけでAPS-Cセンサーのフラッグシップモデル。センサーは新規開発の2420万画素のAPS-C CMOS。従来と比べて、配線層にCu(銅)を採用し、かつ回路プロセスを微細化することにより配線層を低層化。あわせて光を取り込むフォトダイオードの受光面積を拡大することにより集光効率が大幅に向上したことで、高感度・低ノイズ化を果たしている。また読み出し速度もCu(銅)配線により高速化。これにより画素加算のない全画素読み出しによる4K動画記録(30p、24p)、フルHDの120fpsハイスピード撮影を実現している。発売は3月11日。


α6300ボディ オープン価格 135,000円前後
α6300 Lズームレンズキット(ズームレンズSELP1650) オープン価格 150,000円前後

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ボディは、α6000と近いデザインだが、フルマルネシウム合金ボディに。防塵・防滴に配慮した設計になっている。EVFは高速撮影における表示性能を究めた120fpsの高フレームレート表示モードを採用。なめらかな表示が可能になった。
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 4K動画は、全画素読み出しによる高解像度4K動画内部記録を実現。スーパー35mmフォーマットでの全画素読み出し(2000万画素)、そこからオーバーサンプリングする効果により、α7R IIのスーパー35mmでの4K動画を凌ぐ究極の解像感のある4K撮影が可能になったという。ただし、30pにすると処理の関係でスーパー35mm面積相当での読み出しができなくなり、撮像面積は狭くなる(1.6倍に拡大される)。→(テストした結果、正しくは1.2倍でした。35㎜判換算で1.8倍になります。お詫びして訂正いたします)それでも全画素読み出ししており、オーバーサンプリング効果はあるという。120fpsのハイフレームレート撮影でも1.6倍の拡大になる。(→こちらも正しくは1.2倍の拡大です)
 動画のフォーマットはXAVC S。4Kは100Mbpsと60Mbpsから選択、フルHDの60p、30p、24p記録時は50Mbpsの高ビットレートでの撮影が可能。
 動画の連続撮影時間は従来どおり29分59秒だが、4Kの場合は、熱の関係で20分ほどで警告が出て止まる可能性が高いという(気温などの環境に左右される)。
 動画撮影用に設計されているピクチャープロファイル(PP)もα7S IIなどと同様、PP1からPP9までプリセットされ、そこからさらに細かく調整していくことができる。S-Log2とS-Log3、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineにも対応しており、S-Log撮影時に便利な表示アシスト機能もあり。ゼブラも厳密な輝度レベルが分かるように細かい設定が可能になっているのはα7S IIと同様である。ちなみにS-Logの場合は、センサーの特性によりある一定のISO以上しか設計できないが、α6300では、ISO800以上での設定可能(α7Sでは、ISO3200以上、α7S IIはISO1600以上)であり、より使い勝手はよくなっている。
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 αシリーズの動画機能は徐々に進化し、新しいモデルほど機能が充実しており、α6300は、これまで追加されてきた機能の全部入りの感があり、動画撮影機としても充実している。
 ひじょうに残念なのはボディのスペースの関係だとは思うが、ヘッドホン端子がないこと。マイク端子はあるが、音がモニターできないマイク端子ではあまり意味がない。マイク端子は、マルチインターフェース(MI)シュー経由で純正のマイクをつけたり、XLRアダプターを装着することで外部マイクは使えるようになる。このスペースはマイク端子ではなくヘッドホン端子を採用してほしかった。音をモニターするには、たとえば純正のクリップオンモニターCLD-FHD5を搭載し、そちらのほうのヘッドホン端子を利用するという手はある。
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α6300の製品情報はこちら
http://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-6300/