パナソニックは240GBのHDDを搭載し、最大約100時間の長時間撮影を可能にしたデジタルハイビジョンビデオカメラHDC-HS350を7月25日より発売する。HDD記録モデルという点ではHS300の後継機になるが、基本性能は6月に発売された内蔵メモリーモデルHDC-TM350と共通。手ブレ補正にはワイドでの歩き撮りの横揺れに対応する「アクティブモード」や、低照度撮影機能の強化など、TM350と同じ心機能が盛り込まれている。
パナソニックは、記録メディアに240GBの大容量HDDを搭載し、最長で約100時間(HEモード時)という長時間の撮影・記録が可能なデジタルハイビジョンビデオカメラHDC-HS350を発売する。同社のHDD搭載モデルでは最上位機種となる。
ビデオカメラ市場では現在90%以上がハイビジョン対応となり、記録メディアではHDD搭載モデルが全体の半分以上を占めている。小型軽量化と耐衝撃性で有利なフラッシュメモリー搭載モデルのシェアが急速に拡大中で、遠くない将来にHDD型を凌駕すると見込まれているが、記録容量の点ではまだまだHDDの優位性は大きく、それまでの上位機種HS300から容量が倍増したことでその魅力がさらに拡大した形だ。SD/SDHCカードのスロットも用意されている。
3MOSは高画質へのこだわりの表れ
HS350は撮像部に3つのセンサーを使用する3MOS方式を採用している。業務用ビデオカメラにも採用されている方式で、305万画素の1/4.1型センサーを3枚搭載、映像をプリズムで光の3原色(R/G/B)に分解し、各センサーが1つの色を専用で受け持ち処理する。総画素数は915万画素(305万×3)、動画有効画素数は621万画素(207万×3)で、スペック的にはHS300やTM350と共通だ。
3MOSは仕組みが大掛かりになる分、小型軽量化の点では不利になるが、ダイナミックレンジが広く、被写体の色を緻密に正確に記録することができる。これにより忠実に色を再現するとともに、ハイライト部の白とびや暗部の色つぶれ、偽色の発生などを抑える。
手ブレ補正や顔認識機能も強化
TM350と共通する部分なので詳細は省くが、手ブレ補正は従来よりも精度を向上させ補正レンズの動作エリアを拡大した「新光学手ブレ補正機能」に進化。毎秒4000回の手ブレ検出が可能で、大きなブレから細かいブレまで効果的に低減する。特に目立ちやすく補正が困難だったズーム側の手ブレの補正に威力を発揮する。また、ワイド側での歩きながらの撮影で起こるゆらゆらとした大きなブレには、「アクティブモード」が用意されている。
顔認識と追尾機能も進化した。タッチパネルでターゲットを指定すれば被写体を顔を色で認識し、自動的に追尾してくれる。顔だけでなく色でも認識するので、横顔でも追尾し続けられ、顔がない動く被写体でも追尾可能だ。
高画質のための機能や便利機能を満載
便利な機能として、撮影時に被写体の顔の有無や距離、明るさ、コントラストなどの情報から5つのシーンを自動認識して露出やコントラストを制御する「おまかせiA」機能を搭載。動画撮影時だけでなく、静止画撮影でもシーン認識を行う。クイックスタートもウリの一つで、液晶モニターを開くと0.6秒でスタンバイ状態となり、電源オフ状態からでも約1.9秒で撮影可能になる。「プリREC」はHDD内に常に約3秒の映像を記録しておく機能で、録画ボタンを押すとそこから3秒遡って映像が記録され、決定的瞬間を逃さない。「インターバル記録」は開花シーンなどゆっくりした動きの被写体を指定された間隔で記録し、ハイビジョン動画として再生する。このほか、長時間撮影した映像からハイライトを抜き出して再生する「ハイライト撮影」や不要と判断したシーンを飛ばす「オートスキップ再生」など便利機能を満載。
上位機種らしいこだわり機能としては、ズームやフォーカス、ホワイトバランスなどをすべて手動で操作する「フルマニュアル操作」、画面のエリア毎の輝度情報を検出して白とびや暗部のつぶれを抑え見た目に近い映像が撮れる「コントラスト視覚補正」がある。また、「x.v.Color」を採用し、ハイビジョン放送を超えたデジタルシネマに迫る広色域化を図っている。さらにフィルムカメラと同じ24pでの撮影が可能で(記録は60i)、映画のようなテイストの映像を1080フルHDで楽しめる。
5個の内蔵マイクを備え、5.1chサラウンド記録が可能。ズームマイク機能やガンマイク機能など、高音質での記録を大切にしている点も評価ポイントになるだろう。
HDC-HS350 オープン価格(推定15万円前後)
問:パナソニックお客様ご相談センター
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