パロットは3月1日、1080/30p撮影に対応するドローンParrot Bebop2を発表した。同機は1月に開催されたCESでも発表されていたが、国内でも正式に発売が決定した。発売日は3月下旬を予定しており、価格は価格は67,500円。専用コントローラとのセット「Parrot Bebop 2 + Parrot Skycontroller Black Edition」は102,500円となる。
▲登壇者はパロット社 JPAC 地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターのクリス・ロバーツ氏。
500gクラスのドローンとしては初めて最大25分の飛行時間を実現
長時間飛行を可能にするため、本体設計に加えてソフトウェアやバッテリーの設計を見直したという。バッテリーは2700mAhのリチウムイオン電池を採用し、従来機では11分だった飛行時間が約2倍の25分にまで拡張された。
▲バッテリーは機体にしっかりと差し込める形状になった。近日中に、バッテリーのみの販売も開始するという。
ソフトウェア処理のスタビライザーで強力にブレを防ぐ。
真俯瞰のカメラアングルも可能に
Bebop2には1400万画素の魚眼レンズを採用したカメラが機体前方に搭載されている。静止画では全画素を利用した魚眼撮影が可能になっているが、動画では1920×1080のエリアを切り出して、デジタル処理による加工で飛行時の揺れを抑えるスタビライザー機能を備える。
また、カメラ映像は無料アプリ「Free Flight3」を使用して手元で映像が確認することができるが、画面上を指でスライドするか、オプションのParrotSkycontrollerでもパン・チルトの操作が可能になっている。今回のモデルではユーザーからのフィードバックに応えて、カメラアングルを従来機よりも30°傾けることで、真俯瞰撮影も可能になった。
最大風速63kmの向かい風でも飛行可能
Bebop2は水平方向の最高速度が60km、垂直方向が21kmで20秒以内に100mの高度に到達できるという。最高速度への到達時間は14秒で、制動時間は4.5秒。同社が行った飛行実験では、最大風速時速63kmの向かい風のなかでも飛行することができたという。
今回のモデルからプロペラガードがなくなったものの、安全対策としてプロペラが物に接触すると瞬時に動作を停止する機能が備えられた。
最大2kmまで飛行距離を延長できるParrotSkycontroller
Bebop2はiOSやAndroidのスマートフォンやタブレット端末だけでもコントロールができるが、オプションのParrotSkycontrollerを使うと最大2kmまで飛行距離を延ばすことができる。
▲ジョイスティックの操作はユーザーの好みでカスタマイズできる。
ParrotSkycontrollerはHDMI出力を備え、720p映像を出力する。飛行時の位置や高度、方向などを記したテレメトリーやバッテリ残量等も表示した状態で外部モニターに出力することもでき、航空法の申請が必要になるがヘッドマウントディスプレイを利用したFPVにも対応できるという。
▲パロットでは対応のヘッドマウントディスプレイを順次WEBで公開していくという。
7つのセンサーで安定飛行を実現
Bebop2には7つのセンサーが備えられ、それらを通じて収集された情報をデュアルコア・プロセッサーとクアッドコアGPUを搭載するオンボードコンピューターで分析し、安定した飛行を実現している。7つのセンサーとその役割は以下の通り。
➊垂直安定化カメラ:地面の画像を16ミリ秒ごとに撮影し、直前の画像と比較して機体の速度を決定。
➋超音波センサー:最大5mまで圧力センサーと連携して機体の高度を分析。
➌圧力センサー:気圧を測定し、5m以上の高度で機体の高度を分析。
➍3軸ジャイロスコープ:ドローンの傾き角度を測定。
➎加速度計:3軸によるドローンの位置と直線速度を測定。
➏3軸磁力計:コンパスのようにドローンの方向を検出。
➐GNSS(全地球衛星測位システム)チップセット:GPSに加えて、ロシアの衛星GLONASも合わせてドローンの位置情報を特定し、速度を測定することでホバリング中に風等に煽られても安定した飛行が可能になる。
自動飛行やフライトレコーダーも
飛行時の天候や位置情報に加え、飛行経路を3Dマップとして記録をできるフライトレコーダーを搭載。オンライン上のクラウド「Drone Academy Cloud」にフライトレコードを投稿したり、見直したり、コミュニティと共有することもできるという。
FreeFlight3のアプリ内購入で「Flight Plan(2,400円)」をダウンロードすると、GPSウェイポイントを利用し、地図上で指定した地点を飛行できる自動操縦を行うことも可能。
開発者向けSDKを用意し、他社との連携アプリも進行中
まもなくリリース予定のPix4Dという測量向けのアプリ。指定したエリアを複数枚写真撮影することで、その土地や建物の形状を3Dデータとしてスキャンできるというもの。
neurala(ヌーララ)は対象物を追跡してセルフィー(自撮り)ができるアプリ。こちらもまもなくリリース予定。