8月24日、フジヤエービック主催「能勢広カメラマンのビデオで撮影する映画制作セミナー」が、東京都中野区の中野サンプラザの会議室で開催されました。
今回でフジヤエービックでは4回目となる能勢広カメラマンによるセミナー。すでに事前予約でいっぱいになるほどの人気セミナーです。当日はあいにくの雨模様でしたが、アマチュアからプロまで幅広い方々が集まりました。テーマは、「ビデオカメラを使って4、5人で制作する映画」のノウハウ。デジタルビデオとノンリニア編集の普及により、個人レベルでもクォリティの高い映像作品を作ることができるようになりましたが、自主映画においては、なかなか最後まで作品が完成しないのが実状です。セミナーでは、完パケを目標として、最後まで完成させるには何が必要なのかが最大のテーマになりました。企画から脚本、読み込み、ロケハン、撮影、編集など、順を追って、能勢カメラマンの実体験に基くアドバイスがありました。
能勢さんは、時間や予算、技術力などの規制をあらかじめ洗い出しておくことが重要だといいます。たとえば技術力という面で、NGモノとしては、子供、動物、屋外ナイター、スタントなどです。つい子供などは使いたくなってしまいますが、子役でもない限り、思うような演技をさせることはムリです。であれば、最初からその要素は入れずに脚本を作ることが成功に近づく一歩です。
一番説明に熱が入ったのが、「撮影設計」。場合にもよりますが、ロケハンの時に、そのシーンをどうやって撮るのかという撮影設計をたてます。これが一番面白いところだといいます。三脚を使用するのか、手持ちでいくのか、それとも特機を使うのか、ライトはどうするか、カメラワークはどうするか、などです。
第2部では、能勢カメラマンも何本か担当したオムニバス映画のキャラウェイを題材に、このシーンはどのように撮ったのか、という撮影設計の解説がありました。DVDで細かくカットを見ていきながらの解説で、ひじょうに勉強になります。
最後にまとめとして、能勢さんがアドバイスされたのが、
◎自分たちの生活に関わる問題を取り上げる
◎5分以内の短編ドラマを数多く作ってから、長編に挑戦する
◎セリフに頼らず、映像だけで表現することを心がける
ということでした。
これは、ドラマだけではなく、ドキュメンタリーまで含めた映像制作全般に言えることではないでしょうか。
あっという間の3時間半でしたが、話を聞いているうちに映画制作に挑戦してみたくなりました。
また機会があれば参加してレポートしたいと思います。
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