ペンタックスは、動画撮影機能を搭載したデジタル一眼カメラK-7を発表した。マグネシウム合金による堅牢なボディは防塵・防滴構造で、ペンタックスの伝統であるすぐれた耐候性を持ちながら大幅に小型軽量化。その小さなボディに高い機能を凝縮している。名づけて「プレミアム・スモール」。発売は6月27日を予定している。
機能を充実しつつボディを小型軽量化
ペンタックスK-7は撮像素子に新開発のCMOSセンサー(APS-Cサイズ相当/有効画素数1460万画素)を採用、新画像処理エンジン「PRIMEⅡ」を搭載し、S/N比の向上や各種ノイズの軽減、高いレスポンスを実現している。アナログ情報のデジタル信号変換に14bit処理を採り入れることで、一般的な12bitの最大約4倍の情報量を画像処理エンジンに送ることができる。また、撮像部のダストを除去するダストリムーバル機構は、超音波振動を用いた「DRⅡ」へと進化。AFセンサー、測光センサーも一新して、フォーカシングや測光/露出設定の精度向上を図っている。
ペンタプリズムを大型化することなくファインダー視野率100%を達成。ボディ内蔵型の手ブレ補正機能「SR」(シェイクリダクション)やそれを利用した傾き補正機能を搭載。このほか、電子水準器や2種類のノイズリダクション機構、ホワイトバランスの充実など、高機能デバイスを惜しげなく注ぎ込んだ。さらに、ペンタックスのDAレンズ/D FAレンズ装着時に有効なレンズ収差補正機能も新しい。レンズ特性に由来する樽型・糸巻型等のディストーション(歪曲)補正や倍率色収差に威力を発揮する。
価格帯では上位機種にあたるK20Dを凌駕する機能を随所に持ちながら、130.5mmのボディ幅はK20Dよりも約1cm小さく、重量も670gと50g近く軽い。サイズ的にはK20Dとクラス世界最小を謳うエントリーモデルK-mの中間あたりに収まっている。まさにプレミアム・スモールである。これにはペンタックスでは初となるマグネシウム合金の採用が大きく貢献している。
注目のHD動画撮影機能
静止画撮影のための基本性能向上とともに、見逃せないのがHD動画撮影機能の搭載だ。K-7の動画撮影はフレームレート30fpsで、記録方式はMotion JPEGのAVI形式で、記録サイズは0.9M(1280×720ピクセル、アスペクト比16:9)、1.6 M(1536×1024ピクセル、アスペクト比3:2)、0.3M(640×416ピクセル、アスペクト比3:2)が選択できる。映像出力用にHDMI端子を備える。動画撮影時の録音用にモノクロの内蔵マイクを備えるが、外部マイク端子もついていて外部ステレオマイクの使用が可能だ。内蔵マイクはAFや絞り制御の動作音を拾う場合があり、それを避ける意味でも外部マイクの使用は有効だろう。
ホワイトバランス調整やカスタムイメージ設定は、静止画だけでなく動画にも有効で、柔軟で斬新な画づくりが動画でも行える。また、動画撮影においても手ブレ補正は機能する。
K-7は動画撮影中でも露出の制御が可能だ。このとき問題になるのが、従来の一眼レフカメラのように露出制御を瞬時に行うと画面の明るさが唐突に変化してしまうこと。その対策として絞りの制御にステッピングモーターを採用し、明るさの変化に応じて適切な速度で制御を行うことで、ビデオカメラ並みの自然で安定した露出変化を実現する。
豊富なレンズ群が動画撮影にも使える
レンズキットには標準ズームレンズDA-18-55mm F3.5-5.6 AL WRが付属する。また、望遠ズームDA 50-200mm F4-5.6 ED WRも同時発売される。これ以外にも、ペンタックスの豊富なレンズ群が使用できる。フル35mmに次ぐサイズのAPS-C相当の画像素子は、動画撮影におけるK-7のアドバンテージで、ビデオカメラでは不可能な美しいボケ味を活かした映像表現が可能だ。そこに組み合わされるレンズの選択幅の広さも、K-7の大きな魅力となるだろう。
PENTAX K-7 ボディのみ オープン価格(推定13万円前後)
PENTAX K-7 レンズキット(DA-18-55mm F3.5-5.6 AL WR) オープン価格(推定14万円前後)
望遠ズームレンズ DA 50-200mm F4-5.6 ED WR オープン価格(推定3万円台前半)
http://www.pentax.jp/