池上通信機は、7月24日と25日の二日間、青山TEPIAにおいて、メモリーを使った新システム、GFシリーズを中心にした展示会「Ikegami Broadcast fair 2008」を開催した。
◆GFシリーズも稼働状態に
2007年春のNABで構想が発表されたGFシリーズとは、池上と東芝がコラボレーションして、放送局向けに提案するシステム。記録メディアにGFパックと呼ばれる32GBのフラッシュメモリーのパッケージを使用し、汎用性の高いMPEG2を採用することで、送出までのテープレスワークフローを実現する。コーデックはMPEG2でIフレームオンリーの100MbpsとLongGOPの50Mbpsの2モード。100Mbpsでは32GBのGFパックに30分、50Mbpsでは1時間の記録が可能。
展示会では、カムコーダー、レコーダーともに稼働状態になっており、今年秋には発売開始となる。国内では地方局を中心に採用される予定だという。カメラのHDS-V10は2/3インチ230万画素3CCDタイプ。ファインダー、三脚アダプターなどのセット(レンズ別)で、360万円。撮影した映像は液晶パネルでサムネイルで確認し、すぐに再生したり、コマ送り、早送りなどの作業をカメラ本体で快適に行うことができる。また、カメラの設定をいくつか本体に記憶させて、カメラマンや状況に応じて呼び出したり、その設定を外部のUSBメモリーに保存して、流用するといったことも可能。
▲撮影時の液晶パネル表示
▲サムネイル表示
▲レンズはこのカメラ用にフジノンが新たに設計をした小型軽量タイプ。XA17×7.6BERM-M58B。
◆MPEG2なので編集、アーカイブは汎用性のあるワークフローになる
おもにニュース取材用ということもあり、コーデックはMPEG2。もちろん将来的にはH.264を採用することも視野に入れているという。ちなみに音声は最大で24ビット48kHzで4チャンネルまで。GFパックをUSBでPCと接続し、ブラウジングソフトで中身を管理し、コメントなどを付け加えることができる。
◆編集はカノープスのEDIUS Proが対応
編集は現状では、カノープスのEDIUS Proがすでに対応している。アビッド、アップルも現段階では未対応だが、時間の問題ではないだろうか。EDIUS Proでは、GFパックをUSBでPCと接続して、ファイルを直接編集することができる。
◆アーカイブはホログラフィックディスクが予定されている
メモリー記録の場合は、どうしてもアーカイブが問題になるが、汎用のブルーレイディスクも使えるが、さらに大容量のホログラフィックディスクを開発中。ドライブは展示されていなかったが、カートリッジ入りのホログラフィックディスクを展示。なんとDVDやBDと同サイズのディスクながら、300GBという大容量を記録できるというライトワンスディスク。実用化されればアーカイブ用途としてはひじょうに魅力的だ。