Adobe Premiere Pro CC 次期アップグレードが早くも年内に


オランダ・アムステルダムで9月11日から15日まで開かれた、放送業界のプロフェッショナルを対象とした欧州最大の展示会「IBC 2015」にて、Creative Cloudのうち、年内にアップデートが予定されているビデオ製品に採用予定の新機能が公開された。2014年版もこの時期にインターフェイスのデザインを変えるなど、1年のうちに2度は大き目のアップグレードをするのが恒例になりつつある。

新機能のポイント

Premiere Proの注目ポイントはハイダイナミックレンジ(HDR)のワークフローをサポートする点だろう。どうやら世界的には解像度よりも豊かな階調表現に目が向いているらしく、実際、HDRはSD映像でも効果があるという。Lumetri カラーパネルやLumetri スコープがそれぞれHDRに対応し、オプション設定を変更することでIRE100以上の1Kや10K(1万)まで一気に調整幅が広がり、高輝度情報まで網羅したグレーディングも可能になる。また、それらの映像を扱うためにDolby VidionやOpenEXRのワークフローに対応する。ビデオカメラやディスプレイが対応していけば、面白い時代がやって来るだろう。
Premiere%20Pro%20CC%20-%20HDR.jpg
▲HDRに対応した「カラー」ワークスペース
即戦力となるであろう新機能では、まず4Kそして8Kの高精細映像編集に対応するために、アビッドの「DNxHR」コーデックのネイティブ対応と書き出しも機能も搭載される。そして、スロー映像をより滑らかに再現するために、「速度」機能に「オプティカル・フロー」というオプションが追加。足りない画像を作り出して補完してくれるアドビらしい機能だ。タブレットやタッチ対応のパソコンで操作できるように、タップやピンチイン/ピンチアウトにも対応するようになる。そして「HEVC(H.265)」の書き出し機能にも対応する。
Premiere%20Pro%20CC%20-%20Touch%20Edit.jpg
▲タッチ操作で活躍しそうな「アセンブリ」ワークスペース
そして、実は一番「使える」と思ったのがAdobe Auditionに搭載される「Remix」機能。これは、編集で利用したい時間に合わせて、曲を見事に短くしてくれる機能。曲の切れ目を自動分析して一旦バラバラにし、使用したい時間に合わせて再構成。まるでそれが元からある1曲であるかのように仕上げてくれる。指定した時間に対し完全に一致させることは目指していないようで、どうしても合わせたい場合は、ピッチの変更をユーザーが指定してストレッチさせる。こういった作業はプロの編集者なら手動でやっていたものだが、素人にはなかなか難しい作業だった。これならフェードに頼らずにプロの技を活用できそうだ。
Audition%20Remix.jpg
▲早く使いたいと思わせる「Remix」機能を搭載したAdobe Audition
まだまだ新機能はあるが、特に印象的だったものを紹介した。Creative CloudになってからのPremiere Proの進化の速度が異様に速い。これはCreative Cloudに移行する際の公約通りというか、それ以上に感じられる。ユーザーにとっては歓迎すべきことだろう。