ブラックマジックデザインは、ライブプロダクションスイッチャー『ATEM Television Studio 4K8』を発表した。7月発売予定で、価格は664,800円(税込)。
『ATEM Television Studio 4K8』は、放送パネルを内蔵した新しい12G-SDIライブプロダクションスイッチャーで、2160p60までのフォーマットに対応。
フォーマット変換に対応した8個の12G-SDI入力、外部レコーダー用の10個の12G-SDI Aux出力、4ポートの10Gイーサネットスイッチを搭載。また、ライブ配信、トークバック、オプションの内部ネットワークストレージ、DVEコントロール用のジョイスティックにも対応している。
ハイエンドの作業に対応できる性能を有しながら、極めてポータブルで、機材ラックや中継車を使用できない小さな現場でも使用できる。フォーマット変換機能を搭載した8個の12G-SDI入力、10個の12G-SDI Aux出力、4つのクロマキーヤー、2つのダウンストリームキーヤー、SuperSource、2つのメディアプレーヤー、多数のトランジションを搭載。また、ハードウェア配信、収録、オーディオミキサー、トークバック、マルチビュー、オプションの内部ネットワーク共有ストレージなど、テレビスタジオの機能を完全搭載。
スイッチャーとコントロールパネルがひとつのユニットに統合され、フロントパネルのボタンでは、ソースの選択、トランジションの開始、ビデオエフェクトの設定が可能。これらのボタンは、高価な放送用スイッチャーと同じハイエンドのボタンであり、また、トランジションをマニュアルでコントロールできるTバーも搭載。フロントパネルには革新的なオーディオミキサーコントロールがあり、専用のLCDにはライブメーターが搭載されている。
ATEM Television Studioは、SDIビデオ入力を8つ搭載しているため、複数のカメラを接続し、様々なアングルからパフォーマンスを捉えることができる。Blackmagic Studio CameraやBlackmagic URSA Broadcast G2など、SDI出力を搭載したビデオカメラは、低照明条件での性能に優れ、プロ仕様のレンズを使用するため、遥かに高い品質の映像を撮影できる。それぞれのビデオフォーマットが異なる場合でも、全ビデオソースがスイッチャーに再同期される。ロケ先でのセットアップも簡単で、シンプルに機能するので技術的な心配は不要であるとしている。
ディゾルブなどのエキサイティングなトランジションや、ディップ・トゥ・カラー、DVEスクイーズ、DVEプッシュなどのドラマチックなエフェクトを選択できる。また、DVEを追加して、カスタマイズしたグラフィックによるピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトの作成も可能。アルファチャンネル付きのグラフィックを、タイトルまたはグラフィック用としてメディアプレーヤーに保存し、ライブビデオ入力としてロードして、ライブ配信できる。
ATEM Television Studioの強みのひとつが、内蔵された多彩なプロ仕様ビデオエフェクトであり、ビデオエフェクトのトランジションは、Tバーフェーダーを使用するか、AUTOボタンを押して自動的に実行可能。様々なSMPTEワイプのほか、ビデオソース間をトランジションする際に、イメージを画面外にスライドまたはスクイーズさせるDVEエフェクトなどもある。
『ATEM Television Studio 4K8』は、ジョイスティックを搭載しており、DVEの位置を調整して、ピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトをカスタマイズできる。完全な3軸コントロールで、ワイプパターンのX、Y、Z軸の位置や、DVEの位置をコントロール可能。ジョイスティックでDVEを正確に配置し、回転ノブでDVEのサイズを変更できる。サイズの調整、上下左右のポジショニングを行って完璧なピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトを実現できる。また、ジョイスティックでDVEを動かして、開始と終了のキーフレームにおけるDVEの位置を設定し、独自のアニメーションDVEを作成することも可能。
内蔵のメディアプールには放送品質のグラフィックおよびアニメーションを保存でき、同じく内蔵されたメディアプレーヤーで再生可能。最高の品質を得るために、すべてのメディアがアルファチャンネル付きのRGBカラースペースをサポートしており、透明化とレイヤリングが可能。メディアプールには20個までのHDまたはUltra HD解像度スチルを保存可能。
『ATEM Television Studio 4K8』では、アニメーションやスティンガーに使用するモーショングラフィックスのクリップは、720HDで800フレーム、1080HDで400フレーム、2160 Ultra HDで200フレームまで保存できる。
ATEM Television Studioは、グリーンバックのキーイングを行えるパワフルなATEM Advanced Keyerを4つ搭載しており、ニュースやオンセットでのプレゼンテーションに適している。クロマキーヤーはパワフルで、背景色をサンプリングしてキーパラメーターを自動生成できるカラーピッカーなどの機能を搭載。エッジやフレアを正確にコントロールでき、フォアグラウンド用のカラーコレクターを搭載しているため、フォアグラウンドレイヤーとバックグラウンドレイヤーをマッチさせて、シームレスな合成を作成できる。キーヤーは、パターンキーやDVEキーにも使用できる。
ATEM Television Studioは、DVEに加えて、パワフルなSuperSourceマルチレイヤープロセッサーも内蔵。SuperSourceでは、4つのDVEレイヤーと1つのバックグラウンドレイヤーが、1つの入力ソースとしてレイヤーされる。SuperSourceは、複数のピクチャー・イン・ピクチャーを表示したい場合に最適で、1つのスタイリッシュなグラフィックを背景にインタビューを受ける複数の人を配置して表示できる。
『ATEM Television Studio 4K8』は、8つの12G-SDI入力を搭載。各入力には専用のフォーマットコンバーターが搭載されており、720 HD、1080 HD、2160 Ultra HDのあらゆる入力ソースが、スイッチャーで設定したフォーマットに変換される。
ATEM Television StudioはSDIプログラム出力を最大9つ搭載しているので、プログラムリターンフィードをすべてのカメラに送信できる。SDIプログラムリターンは、タリー、トークバック、コントロール情報をカメラに送信するので、全カメラに接続できることは重要である。また、ステージモニターおよびマスターレコーダー用にAux出力も搭載。さらに、マルチビュー専用の3G-SDIおよびHDMI出力も搭載している。
ATEM Television Studioは、Fairlightオーディオミキサーを内蔵しており、複雑なライブのサウンドミキシングを実行できる。内部ミキサーは全SDI入力用に十分なチャンネル数があり、XLR、RCA、MADI入力用にも予備のチャンネルがある。各入力チャンネルは、6バンドの高品質パラメトリックEQ、コンプレッサー、リミッター、エクスパンダー、ノイズゲート、レベルおよびパンコントロールを搭載。オーディオミキサーは極めてパワフルで、フロントパネルから専用のオーディオミキサーコントロールおよびLCDを使用して調整できる。
ATEM Television Studioはプロ仕様のマルチビューを搭載しており、すべてのビデオ入力、プレビュー、プログラムを1台のSDIまたはHDMIモニターで確認可能。各カメラのビューには、オンエア状態が確認できるタリーインジケーターが表示される。また、各ビューのラベルはカスタマイズ可能で、それぞれのオーディオメーターも表示される。マルチビューのレイアウトは、最大16個まで同時に表示でき、自由にカスタマイズ可能。
ATEM Television Studioは、ハードウェア配信エンジンを内蔵しており、世界中の人々に対してライブ配信でき、YouTubeやFacebook、Twitchなどのサービスに、高品質かつコマ落ちなしでライブ配信できるという。配信はインターネットへのイーサネット接続で行うか、スマートフォンに接続してモバイルデータを使用することも可能。
USB接続はウェブカムをエミュレートするので、あらゆるビデオソフトウェアとATEM Television Studioを使用できる。コンピューターに接続するだけで、ウェブカム対応のあらゆるビデオソフトウェアで作業可能で、あらゆるビデオソフトウェアとの互換が保証されており、フル解像度の1080HD品質が得られるとしている。
ATEM Television Studioは、外付けUSBフラッシュディスクへの収録に対応。オプションでM.2フラッシュディスクを取り付けている場合は、内部ネットワーク共有ストレージに直接収録できる。内部ストレージおよびあらゆるUSBディスクは、ローカルイーサネット・ネットワークで共有できるので、他の作業者も編集、カラーコレクション、グラフィックの準備などのポストプロダクション作業に参加できる。収録はすべてH.264フォーマットとAACオーディオで行われるので、放送品質のビデオが小さいファイルサイズで得られるという。
ATEM Software Controlを使用すると、ATEM Television Studioの全機能にアクセスできるようになる。ATEM Software Controlのユーザーインターフェースはスイッチャーを視覚化したもので、パラメーターパレットで調整を実行できる。ATEM Software Controlを使用することで、ライブスイッチング、オーディオのミキシング、カメラ内でのカラーコレクション、メディアの管理が可能。
ポッドキャストスタジオを構築する場合や、より多くのマイクが必要な場合は、ATEM Microphone Converterでオーディオ入力を拡張できる。同製品はMADIポートでATEM Television Studioに接続できるので、複雑なセットアップは必要なく、複数のユニットをデイジーチェーン接続して入力を追加できる。各コンバーターに搭載された4つのアナログ入力は、Mic/Lineの選択が可能で、ファンタム電源に対応。非常に高品質で、すべてのチャンネルが-129dBvと極めて低いノイズフロア、131dB(A)のダイナミックレンジ、0.002%の低歪み、均一の誤差許容範囲に対応している。各入力に8つの独立したADCがあり、ダイナミックレンジをまとめて拡張できる。また、オーディオ波形がスクロールする楽しいHDMIモニタリング出力も搭載している。
ATEM Television Studio 4K8の機能
- コントロールパネルを搭載したオールインワン型のスイッチャー
- 8台までの12G-SDIカメラを接続可能
- スチルおよびモーショングラフィック用の内部メディア
- フォーマット変換に対応した8つの12G-SDI入力
- 9個の3G-SDIプログラムビデオ出力、10個の12G-SDI Aux出力
- 4ポートの10Gイーサネットスイッチ
- リミッター、コンプレッサー、6バンドEQなどに対応したオーディオミキサー
- 16通りのマルチビューで、単一のモニターで全カメラをモニタリング
- イーサネット経由、またはUSB接続した携帯電話経由でライブ配信
- USB出力はウェブカムとして認識され、あらゆるビデオソフトウェアを使用可能
- USBフラッシュディスクまたはオプションの内部クラウドストレージに収録
- ISOモデルはリモートのインターネット接続カメラをサポート
- 無償のATEM Software Controlを同梱(Mac/Windows対応)
- 13ヶ国語のユーザーインターフェース
◉製品情報
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemtelevisionstudio
ブラックマジックデザイン
https://www.blackmagicdesign.com/jp