第13回恵比寿映像祭が、2021年2月5日(金)~2月21日(日)まで東京都写真美術館などで開催される。

恵比寿映像祭は、2009年の第1回開催以来、年に一度恵比寿の地で、展示、上映、パフォーマンス、トーク・セッションなどを複合的かつ、領域横断的に紹介する映像とアートの国際フェスティヴァル。第13回開催となる今回は、「動画」であるということに焦点をあて、歴史的な作品も参照しながら映像の楽しみ方を広げるテーマとなっている。

さまざまな動画表現の工夫の歴史を示す先駆的な作品を参照しつつ、3DCGを用いてシュールで謎めいた独特の世界観を描き出す異才ユニット、カワイオカムラ、A.I.やデータサイエンスを動画生成に取り入れて新しい感性の想像に挑む韓国のチョ・ヨンガクといった同時代の表現を紹介する。

 

開催概要

名称:第13回恵比寿映像祭「映像の気持ち」
YebisuInternational Festival for Art & Alternative Visions 2021:EMOTION GRAPHICS

会期:2021年2月5日(金)~ 2月21日(日) 《 15 日間 》 月曜休館

時間:10:00〜 20:00 最終日は18:00 まで

会場:東京都写真美術館 /日仏会館/ザ・ガーデンルーム/恵比寿ガーデンプレイスセンター広場/ 地域連携各所 ほか

料金:入場無料※定員制のプログラムは有料

公式HPhttps://www.yebizo.com/jp/

 

主な出品アーティスト

赤松正行+ARART プロジェクト

ARとARTの交差領域で活動するアーティスト集団。古典的名画から高次元幾何学図形まで、絵画や写真に命を吹き込み、活き活きとした躍動感と醸し出される物語性を重視した作品を制作している。NTTインターコミュニケーション・センター [東京や「TentLondon」など国内外で多数の展覧会を開催しており、その一部は無償アプリARARTでも鑑賞できる。メンバーは、赤松正行、大石暁規、神谷典孝、北村穣、白鳥啓、向井丈視、和田純平、バク・ヨンヒョ他。協力:情報科学芸術大学院大学(IAMAS)

 

カワイオカムラ

ARとARTの交差領域で活動するアーティスト集団。古典的名画から高次元幾何学図形まで、絵画や写真に命を吹き込み、活き活きとした躍動感と醸し出される物語性を重視した作品を制作している。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](東京)や「TentLondon」など国内外で多数の展覧会を開催しており、その一部は無償アプリARARTでも鑑賞できる。メンバーは、赤松正行、大石暁規、神谷典孝、北村穣、白鳥啓、向井丈視、和田純平、バク・ヨンヒョ他。協力:情報科学芸術大学院大学(IAMAS)

 

渡辺豪

1975年兵庫県生まれ、東京都在住。2002年、3DCGで作成した顔にヒトの皮膚画像を貼り付けた作品《フェイス》を発表。同じ3Dモデルをベースにさまざまなヒトの皮膚画像を当て嵌めた、「フェイス(ポートレート)」シリーズを展開する。数年前より、モチーフを作家自身の身の回りにある本や食器、部屋などへと移し、物質・光学的な法則から離れた変化や動きをみせるアニメーションを制作。自らが何を見ているのかを私たちに静かに問いかける。

 

トニー・アウスラー

1957年ニューヨーク生まれ、在住。1979年、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・ジ・アーツ卒業。メディア技術がいかに人々の心理に影響を及ぼしているかを、絵画や立体作品、ヴィデオ・インスタレーション、パフォーマンスなど多様な領域を横断する表現で示してきた。世界各地の主要美術館で展覧会を開催。2021年には高雄市立美術館(台湾)で個展を開催する。

 

チョ・ヨンガク

1986年蔚山(韓国)生まれ、ソウル在住のニューメディア・アーティスト。インタラクティヴ・メディアを通して、マシンとシステム間の相互作用が生み出すデジタルの感性と新しい体験を提示する。システムの内外にある要素を組み合わせ、見逃されがちな社会的、技術的問題を探求している。最新のデジタルテクノロジー、AI、データサイエンス、ロボティクスを使用し、不確実な想定状況を現在に投影している。アルス・エレクトロニカ(オーストリア)、ELEKTRA(カナダ)、エルミタージュ美術館(ロシア)、ソウル市立美術館(韓国)などで、国際的に作品を発表している。

 

木本圭子

1980年代から独学で数理的手法による造形を始め、2000年前後よりさらに動的表現を探る研究および制作を開始。2003年『イマジナリー・ナンバーズ』(工作舎)を発表、以降精緻な平面作品も展開する。合原複雑数理モデルプロジェクト(2005-2008)、合原最先端数理モデルプロジェクト(2010-2013) などの学術プロジェクトにも参加。平成18年度文化庁メディア芸術祭アート部門大賞受賞。東京都写真美術館、東京都現代美術館、ミラノサローネ・レクサス館など国内外で作品発表を行う。

 

ペトラ・コートライト

1986年サンタ・バーバラ(米国)生まれ。デジタルファイルを作成・操作し、多面的な実践を行う。彼女のデジタル思考の作品は、印刷物、建築への投影、機械による石彫など様々にアウトプットされる。YouTubeやオンライン展での作品発表によって、2000年代中後半の「ポストインターネット」の作家として認められる。近年はPhotoshopでレイヤーを重ね合わせたデジタル絵画を制作し、アルミ、麻、紙、アクリルなどに描画。画家、グラフィックデザイナー、編集者、プロデューサーを兼ねる彼女の作家像は、現代の視覚文化の特異点ともいえる。

 

松本力


1967年東京生まれ。1991年、多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。コマ割りのドローイングによる映像作品を制作。また、オルガノラウンジ、音楽家・VOQとのライヴ活動と、手製映像装置「絵巻物マシーン」のワークショップ「踊る人形」を学校や美術館、滞在先で行う。近年は、市原湖畔美術館(千葉)、沖縄県立美術館、港まち協議会(名古屋)での展覧会に参加、個展は「さよならをいって、それからであう旅」(横浜市民ギャラリーあざみ野、2019)、「記しを憶う-東京都写真美術館コレクションを中心に」(東京都美術館、2019)などがある。

 

シシヤマザキ

1989年神奈川県生まれ。東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。同大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。自身をモチーフとしたロトスコープアニメーションを独自の表現方法として確立。Chanel、PRADAや資生堂などのプロモーション制作を担当し、2018年には「Forbes30Under30Asia」に選ばれるなど、世界的に活躍。代表作に《YA‐NE‐SENaGoGo》(2011)、《やますき、やまざき》(2013)、一日一個の顔を毎日作り続けるプロジェクト「MASK」(2010〜現在)などがある。個展「舕TONGUE」(Vacant、東京、2019年)では、陶芸作品を中心に発表。

 

 

トークやイヴェントなど多様なプログラム

トーク・セッションやパフォーマンス、イヴェントなどを開催。展示や上映だけではない様々な形式で、映像文化の楽しみ方や理解を深める。

・ラウンジトーク 東京都写真美術館 (無料)
カジュアルな雰囲気のなかで、作家や作品の背景に触れる「ラウンジトーク」を開催。映像というメディアについてさらに理解を深め、発見を促す機会を提供する。

・シンポジウム 東京都写真美術館 1F ホール(有料チケット制)
「展示」「上映」プログラムと連動し、テーマにちなんだ「シンポジウム」を実施し、豊かな議論を喚起する。

・イヴェント ザ・ガーデンルーム(有料チケット制)
ザ・ガーデンルームでは、映像に関連する「イヴェント」を実施。

 

◉公式HP  https://www.yebizo.com/jp/