株式会社K2 Picturesは、“日本映画の新しい生態系をつくる”ことを目指し、日本発の映画製作ファンド設立。さらに、岩井俊二、是枝裕和、白石和彌、西川美和、MAPPA、三池崇史ら映画製作を進めるクリエイターを発表した。
日本発の映画製作ファンド“K2P Film FundⅠ”の立ち上げ
K2 Picturesは、“日本映画の新しい生態系をつくる”べく、日本発の映画製作ファンド「K2P Film Fund Ⅰ(ケーツーピー フィルム ファンド ファースト)」を立ち上げた。同ファンドの映画製作では、新たな国内外投資家の日本映画産業への参入、クリエイターへの利益還元を推し進めていく。
まだまだ日本の映画製作において、その生態系は長らく変わっていない状況で、その一つに海外法人や国内においても新しい投資家が参入しにくい現状がある。そこで、現状の日本の映画製作における新たな選択肢として、日本コンテンツに興味がありながら接点を持てなかった国内外の会社が参加しやすいように、スポーツ・エンタメ領域やファンド領域を専門とする弁護士や、エンタメ領域を得意とする会計事務所・ビズアドバイザーズ株式会社のサポートのもと、海外からの投資を想定した法律・会計基準をもつ、このファンドを練り上げたという。
さらに、同ファンドではクリエイターや制作に関わるスタッフに対する利益還元の仕組みを取り入れます。それによって、多くの才能が映画産業に夢を持ち続けられる体制を整えていくという。
映画に欠かせない投資家・クリエイターにおける新たな生態系を本ファンドでつくることにより、日本映画をさらに活気ある産業にしていくこと、そして世界の市場に向けて展開していくことが大きな目標だとしている。
K2 Picturesが思い描く映画制作の形やビジョンを形にした、ファンド組成について詳細を発表すべく、世界中の映画業界の関係者が多く集まる、カンヌ国際映画祭が開催中であるフランス・カンヌの場で記者会見を行う。
世界で活躍するクリエイターとの映画製作が進行中
日本のみならず、特にアジアでの人気が高く、欧米、中国での映画製作の場を広げている岩井俊二氏、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭・パルムドールを受賞し、本年のカンヌ国際映画祭では審査員を務める是枝裕和氏、毎年のように新作を発表し、最新作『碁盤斬り』は先日イタリアで開催されたウディネ・ファーイースト映画祭で批評家により選出されるブラック・ドラゴン賞を受賞した白石和彌氏。
監督2作目の『ゆれる』がカンヌ国際映画祭の監督週間で正式出品され、その後もオリジナル作品を中心に精力的に作品制作を続けている西川美和氏、「呪術廻戦」「チェンソーマン」など海外でも人気の高いアニメーション制作を行う株式会社MAPPA、その新作は常に海外からも注目され、カンヌ国際映画祭をはじめ幾度となく様々な映画祭に招待されている三池崇史氏など、日本はもちろんのこと、海外でも活躍の場を広げ続けているクリエイターと同社は世界市場を目指した映画製作を進めていくとしている。
クリエイターコメント(五十音順)
・岩井俊二
紀伊宗之のやりたいことなら絶対に応援したい。それがこのプロジェクトに参加した僕の純粋なる動機だ。
プロデューサーとしての彼は無類に頼もしい。彼にかかったら開かない鍵なんかないかのようだ。
彼とする仕事は無類に楽しい。それは彼に人を信じる力があるからだと思う。いつの時代も破天荒な発明家が時代を塗り替えて行く。今回、彼は僕らのために新しい乗り物を作ってくれた。K2 Pictures。
それは自動車のようでもあり、船のようでもある。飛行機にも潜水艦にもなり得る。
山に登ればそれはピッケルとアイゼンに変身してくれる。
そんな変幻自在、臨機応変なしなやかさがK2 Picturesの持ち味になることだろう。
そんなチームだったらフィルムメーカーだって本気で頑張れる。
僕も思いつく限りのアイディアを投じてこの恩に報いたい。
どんな冒険が僕らを待ち受けているだろう。
10年後、どんなチームに成長しているだろう。
とにかく今から何もかもが待ち遠しくて仕方がない。
・是枝裕和
30年映画を作って来て感じていた既成の作り方への疑問や、違和感をどうしたら改善出来るか模索している途上で、紀伊さんたちの取り組みに出会いました。このチャレンジが成功して、映画界に良い風が吹き、新しい才能にチャンスが開かれる。そんな未来を実現しようとしている心意気に共感して、仲間に加えて頂きました。
共闘を楽しみにしています。
・西川美和
日本の映画の世界でキャリアを重ねながら抱くようになったのは、なぜか自信や希望よりも行き止まりのロープにつんのめるような感覚でした。これ以上映画を撮るのはなんとなく怖いような気がしていました。
それで「映画」から背を向けるように、従来の映画会社や出資者が決して歓迎しないような話を書いていたんです。すると紀伊さんという人が立ち上げたK2 Picturesが新しい投資で資金繰りしてそれを映画にする、と言ってくれた。本気だろうか、と思いました。
しかも若い作り手の独創的な企画にもチャンスの扉を開いているという。安全牌で固める発想ではなく、新しい人やきわどいものに必要十分な資金と環境で機会を作ることを目指すK2 Picturesの挑戦には乗ってみる価値があると思いました。
ある意味、K2 Picturesのファンドや新しい配給の仕組みは、危険な冒険にも思えます。実際、一筋縄ではいかないこともあるでしょう。でもそれが映画作りだし、どうせ映画を作るなら私は冒険をするチームと組みたい。それがこれから先に日本で映画を作っていく人たちの、新しい活路になっていく可能性があるならば尚更です。
・MAPPA
「K2 Picturesの挑戦を応援したい」という想いで、このプロジェクトに参加させていただきました。
私たちも、アニメーションスタジオとして何ができるのかを精一杯考えながら、映画製作のパートナーとして力を尽くしたいと考えております。
・三池崇史
『K2 Pictures』。 そして紀伊という怪しげな男について
紀伊=誠実な破壊者。
私はこう見ている。とてもパワフルだ。そして、そのエネルギーの源は、優しさだと思っている。
「もっと面白い映画を創って、もっと幸せになろうよ」
紀伊さんの笑顔に、そんなシンプルなメッセージを感じる。
だから私は『K2 Pictures』を信じている。
■5月18日(土)フランス・カンヌにて、記者会見開催決定
フランス・カンヌにて現地時間5月14日(火)より開催される、第77回カンヌ国際映画祭。その会期中となる現地時間5月18日(土)に映画祭メイン会場に程近いJWマリオット・カンヌにて、K2 Picturesが掲げるビジョンと共に今回立ち上げるファンドを世界に向けてプレゼンテーションをするため、記者会見を実施。
同社代表取締役CEO 紀伊宗之氏、そして共に作品製作をしていくクリエイター・三池崇史氏、西川美和氏も登壇する。さらに、監督デビューをする、大型新人監督の発表もこの会見で行うという。
株式会社K2 Pictures
https://k2pic.com/