2012年のNABで発表された初代Pocket Cinema Cameraから6年。カラーグレーディングは個人のクリエイターの間にも広まり、小型RAWカメラを求めるユーザーの願いが現実になった。NAB開催初日、ラスベガスのメインストリート「ラスベガス・ストリップ」にあるビルボードサイネージにでかでかとBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kの登場が予告された。「マウントは?」「センサーサイズは?」などSNSでも熱狂の声が上がる。そして、4月9日(アメリカ現地時間)のプレスカンファレンスにてその全貌が明らかにされた。
待望のBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kが登場
BMPCC 4Kは最大4K DCI、60fpsのCinemaDNG/ProRes収録に対応。記録メディアはSDカードとCFast。USB-C端子を備え、汎用のポータブルSSDに録画することもできる。従来までは動画撮影専用となっていたが、新たにスチルボタンも搭載され、4096 x 2160ドットの静止画の記録も可能だ。
マウントはマイクロフォーサーズ規格。前モデルはセンサーサイズがスーパー16(12.5× 7.4mm)だったため、画角が通常のマイクロフォーサーズ機よりもクロップされていたが、センサーもマイクロフォーサーズサイズに。ボディ内手ブレ補正には非対応。内蔵マイクの位置がレンズマウントの両側面にあり、タッチノイズが入らないのか気になるところ。
端子はステレオミニのマイク端子、ヘッドホン端子、HDMI標準、12V電源端子、USB-C、Mini XLR(ファンタム電源)を備える。バッテリーはLP-E6。USB−C端子からのモバイルバッテリー等からの電源供給にも対応する。
背面には5インチのタッチパネル液晶を備え、URSA Miniなどと同様のUIで操作できる。
デュアルネイティブISO(400、1600)を備え、ISOレンジは200-25600に。ダイナミックレンジは13ストップ。
LUTSメニューにはHDRのモードも用意。HDMIでHDR出力も可能。
タッチ&トライのコーナー。ARRIのシネレンズと組み合わせた実機も展示され、長蛇の列を作っていた。発売は9月を予定しており、価格は147,800円。なんとDaVinci Resolve Studioも同梱される。発売が待ち遠しいカメラがまた一つ増えた。
DaVinci Resolve15ではFusionが統合
同社の総合ポスト・プロダクションソフト「DaVinci Resolve」はエディット(編集)、カラー(グレーディング)、昨年はオーディオミキシングができるFairLightが加わり、さらに今回のバージョンアップでは動画が予てから同社で提供していたVFX・モーショングラフィックス用合成ソフト「Fusion」が統合された。パブリックベータ版は発表と同時に同社WEBサイトにて提供開始されている。
12G-SDI・8入力の4Kスイッチャー、ATEM Television Studio Pro 4Kも
ATEM Television Studio Pro 4Kはスイッチャーとコントロールパネルが一体型となった12G-SDI・8入力のオールインワンスイッチャー。価格は339,800円。
ATEM Television Studio Pro 4Kでは、専用ソフトSoftware Controlのメディアプールに20個までのカスタムグラフィックやロゴを保存しておくことができ、2系統の内蔵のメディアプレーヤーで再生できる。
Software ControlではFairLightの機能も搭載し、オーディオミキシングも可能。また、各カメラの露出・ズーム・フォーカス・色味をリモート操作できるカメラコントロールにも対応。今回のNABではカメラコントロール用のハードウェア・ATEM Camera Control Pannel(339,800円)も発表され、より直感的な操作が可能となる。この他、今回のNABではその他にもコンバーターやフィルムスキャナーなど数多くの新製品が発表された。
NAB展示会開幕直後の様子。ブースには溢れんばかりの人で、同社製品の使いこなしセミナーにも立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。
●ブラックマジックデザインの公式サイト
https://www.blackmagicdesign.com/jp