シグマの公式YouTubeチャンネル「SIGMA Station」の特別編として吉祥寺のカフェ「キチム」で行われた高野寛さんと山木社長と対談とミニライブの配信現場を紹介。使用したオーディオミキサーはTASCAM Model 12、エンコーダは同じくVS-R265である。

レポート◎駿河由知(スタートライン)

協力:TASCAM、SIGMA

◉Artist × SIGMA 音楽と写真で紡ぐ確かな未来 vol,2

 

今回私がライブ配信を担当したSIGMA Stationは、定期的に(ほぼ毎週)SIGMA製品を中心にライブ配信をお届けしているYouTube番組である。通常は会社内で社員スタッフのみで配信しているが、規模が大きいライブ中継は弊社スタートラインで業務委託を受けている。6月25日は、「Artist×SIGMA 音楽と写真で紡ぐ確かな未来vol.2」と題して、吉祥寺のイベントスペース&カフェキチムで、前半はシグマの山木社長とアーティストの高野 寛さんの対談、後半は高野さんのミニライブという形式で行われた。

▲配信は吉祥寺のカフェを借り切って無観客で行われた。右奥のスクリーンは登壇者への返しモニター。

▲V-8HDを操作する駿河さん(写真手前)。

 

この翌日からここで高野さんの写真展を開催されることもあり、今回のポイントは、①対談をfpとシネレンズを使用することで、深度が浅い臨場感のある映像にする、②高野さんがfpで撮影された写真を忠実に配信する、③対談で紹介する写真集(現物)を忠実に撮影して配信することであり、カメラはSIGMA fpを6台にシネレンズなどを組み合わせ、さらに写真集を見せる書画カメラを入れた。

SIGMA fpに加えて、ミキサーのTASCAM Model 12、PCレスライブ配信エンコーダVS-Rシリーズというのは、この組み合わせで約80回の現場で使用してきた私の相棒である。

自分のライブ配信現場のテーマは「小さくて高性能」である。

少ない電力で運用でき、搬入は時間を短縮し、最小人数で運用できることを目指している。というのも搬入搬出作業はかなりの重労働になるからだ。これでも物量はシグマからワゴン1台(写真展用パネル、造作機器)、ハイエース1台(音響機材)、ワゴン車1台(配信機材…カメラ、スイッチャー、映像機材、ケーブル、三脚、スライダー等)となる。スタッフは音響x2、映像・配信x4、シグマx3、TASCAMx1で、スタッフ全員で協力して安全第一で行なった。

音声信号は、YAMAHA QL-1にてメインミックス。メインPAとモニターミックスを行いQL-1のメインアウトからTASCAM Model 12へ入力し整音してV-8HDの音声入力へ。V-8HDにて映像音声の調整(リップシンクなど)して、PCレスエンコーダーのTASCAM VS-R265 HDMI入力。VS-R265から1080/59.94p(6Mbps)にてYouTube LIVEへ送り出した。

エンコーダのTASCAM VS-R265は、ハーフラックの筐体ひとつでPCレスで配信が可能(Wi-Fi等は非対応で有線接続のみ)。現場前に配信設定を本体に登録しておく。配信主催者からリクエストが多いサイマル配信も可能で、同時3ストリーム(例えばYouTube、Facebook、Twithcなど)に対応する。省電力で発熱も少なく安定した配信が行える。約1年近く本番現場で使用してきているが、一度もトラブルが起きたことはない!

設置はネットワーク接続したPCのブラウザから行えるので、初めて使用する方でも気楽に使えるだろう。

ミキサーはアナログ感覚で使えるModel 12を好んで使っている。マルチチトラック録音も可能なので、配信のバックアップ用音声収録にも使える。SUBアウト出力、AUX出力の組み合わせを使用することで会場PAとの兼用でハウリング防止(マイナスワンの設定)もでき、あらゆる場面で活躍してくれている。

 

カメラはSIGMA fpを6台使用

▲有人カメラはシネズーム50-100mm T2で、それぞれの人物を狙う。

▲電動スライダーは105mm で高野さん狙い(特にライブシーン)。常に左右に動いているカットを撮影。

▲85mmで肩越しのカットを左右から入れる。

▲正面の2ショットは固定でレンズは24-70mm F2.8。

▲Accsoon CineEye 2Sでワイヤレスでマルチカメラ映像をカメラマン用のタブレット(iOSもしくはアンドロイド端末)に送ることができる。

▲システム全体。Model 12の後ろにVS-R265。センターにV-8HD。右にiPadアプリのV-8HD Remote。

▲卓上の書画カメラで写真集を見せていく。

 

TASCAM VS-R265でPCレス配信

▲配信エンコーダはTASCAMのVS-R265。今回は1080/60pでYouTube Liveにのみ配信した。配信スタッフ側はPCレス! シグマ担当者が背後でYouTube Live配信画面を管理した。

 

機材リスト

 

 

VIDEO SALON2021年9月号より転載