ソニーは、サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術「360 Virtual Mixing Environment(サンロクマル・バーチャル・ミキシング・エンバイロンメント、以下「360VME」)の測定サービスおよび専用ソフトウエアの提供を2023年6月を目処に開始する。

音楽、映画、ゲームなどにおいて立体音響コンテンツが増えている中、制作スタジオのモニター環境では多チャンネル化が進んでいる。「360VME」は、ヘッドホンで多チャンネルのスタジオの音場を再現し、クリエイターが場所の制約を受けずに立体音響コンテンツ制作ができる環境をサポートする。

測定サービスでは、スタジオで利用者の聴感特性などを正確に測定し、個人最適化された「360VME」のプロファイルデータを作成。プロファイルデータと専用ソフトウエアを用いて、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現。

「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」をはじめとするさまざまな立体音響のコンテンツを、場所の制約を受けずにスタジオの音場環境で制作することが可能。日米3箇所のスタジオとパートナーシップを締結し、各スタジオにおいて測定サービスの実施および専用ソフトウエアの提供が6月を目途に開始する。

また、5月12日発売予定の背面開放型モニターヘッドホン『MDR-MV1』は、360VMEの性能を最大限に発揮できる仕様で、あわせて使用することでより高精度にスタジオの音場環境を再現できる。

 

「360 Virtual Mixing Environment」とは

サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術。スタジオで利用者の聴感特性などを正確に測定し、個人最適化された360VMEのプロファイルデータを作成する。作成したプロファイルデータを用いて専用ソフトウエアでヘッドホン向けにレンダリングし、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現。

従来、立体音響コンテンツの制作はマルチスピーカー環境が整備されたスタジオで行われることが多く、対応した スタジオが限られていることが制作上の課題となっていた。360VMEは、ヘッドホン用のバーチャルサウンド技術や環境最適化・個人最適化などのソニーの360立体音響技術を活用しており、場所の制約を受けずにスタジオの音場環境で立体音響コンテンツを制作することが可能。

 

1. 日米3つのスタジオにおける測定サービスの提供開始

個人最適化された360VMEのプロファイルデータを作成するための測定サービスを開始。測定サービスはMIL Studio(東京)、The Hit Factory(ニューヨーク)、Gold Diggers Sound(ロサンゼルス)の日米3箇所のスタジオより6月を目途に提供を開始。

 

2. 専用ソフトウエアの提供

360VMEのプロファイルデータを用いて、立体音響コンテンツをヘッドホン向けにレンダリングする専用ソフトウエアの提供を6月を目途に開始します。専用ソフトウエアはDigital Audio Workstationソフトウエアおよび「360 WalkMix Creato(サンロクマル・ウォークミックス・クリエイター)」と連携し、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現する。

 

3. 360VMEの性能を最大限に発揮できるモニターヘッドホン『MDR-MV1』

360VMEのサービス開始に伴い、360VMEの性能を最大限に発揮できるクリエイター向け背面開放型モニターヘッドホン『MDR-MV1』を5月12日に発売。『MDR-MV1』は、背面開放型音響構造の特性を活かした正確な音場再現による優れた空間表現が可能であり、360VMEの性能を最大限に発揮できる仕様となっている。

 

 

360VME公式サイト
https://www.sony.co.jp/Products/create360RA/360VME/

ソニー株式会社
https://www.sony.jp/