ティアックは、TASCAMブランドのPCMレコーダーとして、デジタル一眼やビデオカメラと組み合わせて使用することを想定した、DR-70DとDR-60DMKIIを発表した。
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11月6日には、東京駅八重洲口にあるギブソン東京において、その製品の特徴を紹介するプレス向けの説明会が開催され、本誌でもおなじみの映像クリエイター、ふるいちやすし氏による解説も行われた。


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もともと音楽業界にいたふるいち氏は、映画、映像に対しての音はどうあるべきかということを常に考えているクリエイターである。ある映像に対して、どのような音がふさわしいのか、現場に合った音とは、ということを追究してきた。そんななかでTASCAMが昨年出したDR-60Dは、デジタル一眼が使われる小規模な映像制作の現場をよく考えた製品になっており、自身愛用していたという。
今回の新製品はDR-60DMKIIが、その60Dをブラッシュアップしたもの。
そしてDR-70Dがステレオマイクを内蔵し、入力数も増やし、かつ筐体を薄型にしたもの。
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実際にDR-70Dを使い、海辺でギターの音を収録したサンプルをデモ。DR-70Dはデジタル一眼のソニーα7Sと組み合わせ、DR-70Dの音はガイドとしてα7Sに入力して記録している。こちらはあくまでバックアップであり、編集のガイドとなるもの。DR-60DMKII、DR-70Dともスレートを入れることができ、ふるいちさんの場合は、テイク2の場合は、スレートを2回、テイク3の場合はスレートを3回入れることで、編集時の波形で一発で確認できて重宝しているという。
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またPCMレコーダーとカメラのマイク入力を組み合わせる場合、機種によってインピーダンスが異なることが多く、レベルが合わないケースあったが、TASCAM製品は、アウトプットのレベルを調整することができるので便利。またレコーダー側にカメライン機能があるのは、録音した音を再生確認したいときに、カメラの音とレコーダーの音の両方をチェックしたいときにヘッドホンを差し替える必要がなく、現場の声を反映した機能だと評価した。
実際の海辺の録音では、DR-70Dの内蔵ステレオマイクと、ギターに向けたガンマイクを用意し、デモでは、内蔵ステレオマイクのみ、ガンマイクのみ、その両者をミックスしたものを順番に聴かせた。
本来であれば、ガンマイクの音をメインに使い、内蔵ステレオマイクの音はアンビエント的に使うミックスが普通かもしれないが、内蔵ステレオマイクが「距離感が出るマイク」であったため、こちらをメインに使い、ガンマイクは楽器の音の芯を出すために使った。より映像に合った音と考えたときに、聴きやすさ優先の音よりも、場の空気が伝わる音のほうが映像にマッチするのではないかと言う。ミックス時にはコンプもEQもかけていない。
ビデオサロン12月号(11月20日発売)では、
ふるいち氏による詳しいレポートとさらにマイクを1本加えた歌とギターのフィールド録音のPVの作例をビデオSALON.Webにアップします。ご期待ください。
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