実写VRに特化し、VRクリエイターの支援事業を展開するベンチャー企業であるLIFE STYLE株式会社は、4月13日に六本木ヒルズにて、短期間でプロの制作技術が身につく実写360度VR専門講座「VR CREATORSアカデミー」の開講を発表した。同講座は4日間の短期間で本格的な実写360度VR動画の撮影からスティッチ、編集までの実践的なスキルを学べるというもの。
複数台のカメラをつなぎ合わせて360度VR動画を作成するスティッチングソフト・AutoPano VideoやAutoPano GigaをリリースするKolor GoPro社は認定トレーナー制度を設けており、同講座の受講者は全カリキュラム終了後、講師陣の審査の上、この認定資格を取得することもできる。現状では認定トレーナーは世界に14名のみ、これまではフランスでしか取得することができなかったが、Kolorの認定を取得できる講座は企業として日本初になるという。
「LIFE STYLEは2014年創業の会社ですが、これまでにGoogle認定代理店としてGoogleストリートビューの制作公開を手がけてきた他、観光・不動産・イベント等10,000件近いコンテンツの制作に携わってきました。2016年はVR元年と言われ、大手企業がVRに参入し、視聴環境やハードウェア環境が整ってきたものの、コンテンツを作れるクリエイターはまだ少ない状況です。今後のVR業界を発展させていくためにはクリエイターの育成が不可欠だと考えました(永田氏)」
「VRは映像作品やアトラクション等での活用の他、コミュニケーションツールとしての活用も期待されています。私はこれまでに高解像度のVR動画やスチル制作に取り組んできました。日々、登場するVRカメラや空間音声マイクが発表され、日夜いろんなカメラをテストしていますが、そこで培ったノウハウや高いクオリティのものを作ろうとした時の機材の選定なども含めて教えて行けたらと思います(染瀬氏)」
「VRには勇気や希望を与える力、そして現実を伝える力があると思っています。VR映像を通じて主観的に問題を捉えて、それがきっかけに何か行動を起こす人が一人でも増える、そんなコンテンツを作れるクリエイターを増やしたいと考えています。(冨山氏)」
VR CREATORS アカデミーのカリキュラム
VRクリエイターアカデミーのカリキュラムは全4日間。受講料は390,000円(税別)。1日目は基礎知識や撮影実習を行い、2日目は自ら撮影した素材をスティッチング、3日目は編集についての概要を学び試験を行う。そして、後日制作発表を行い修了となる。講座は最大10名の少人数で行い、開催場所はLIFE STYLEのセミナールームとなっている。対象は制作会社、動画クリエイター、写真家、インハウスで動画制作に力を入れている一般企業・自治体等を想定している。その他詳細は公式サイトで。
LIFE STYLEではVRクリエイターを育成する「VRクリエイターアカデミー」の他、VRコンテンツ作成ツール「Flic360 Make」やVR制作を行いたい企業とクリエイターをマッチングするサービス「Flic360」を展開し、この3本の柱を通じて、VRクリエイターのコミュニティの構築を目指すという。
「現状のマーケットから弊社がどれくらいのシェアを取るかというよりも、まずはVRのマーケットのサイズをいかに大きくしていけるかということが大事だと考えています。そのために必要なのはクリエイターのプラットフォームを構築すること。今後、技術がどんどん新しくなっていくなかで、ノウハウや情報を共有していくことが大切です。その核になるのがコミュニティ作りだと考えています(永田氏)」
●VRクリエイターアカデミー公式サイト
●LIFE STYLEの公式サイト