フルサイズ機のファーストステップカメラ! EOS R8で “いつもの風景” をシネマティックに


キヤノンの新しいフルサイズ機のエントリーモデルEOS R8は、幅広い映像制作のニーズに応えてくれるファーストステップカメラとして注目されている。今回、シネマティックVlogを制作した映像クリエイターのエムスタさんに、その使用感や魅力を語ってもらった。

取材・文●高柳 圭/構成●編集部 片柳  協力●キヤノンマーケティングジャパン

 

 


エムスタ
出雲を中心に山陰で活動する若手映像クリエーター。独学で編集、撮影スキルを学び、映像クリエイターに。映る人のその時の感情を残し、温かみもありながらリアルな作品にするのを得意としている。

 

 

『家族日記』

「家族のいつもの日常のなかのお出かけ」をテーマにした作品。エムスタさんの家族をモデルに、拠点である島根のロケ地で、親子が触れ合う様子や、美しい風景が織りなす情緒的なシーンが描かれている。

 

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キヤノン EOS R8

オープン価格 ボディのみ
(キヤノンオンラインショップ参考価格264,000円)

上位機EOS R6 Mark IIから受け継いだ約2,420万画素イメージセンサーと画像処理エンジンDIGIC Xを搭載。6Kオーバーサンプリングの4K/60p動画撮影が可能で、4:2:2、10bit、Canon Log 3の録画にも対応。最大2時間までの連続撮影にも対応。

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エムスタさんの最初のカメラはEOS Kiss X9i

2023年4月に発売されたキヤノン「EOS R8」は、フルサイズ機でありながら、EOS Rシリーズのフルサイズ機の中で最軽量、さらに上位機種に迫る性能を実現し、ビギナーからプロのビデオグラファーまで注目を集めている。今回は、島根県の出雲を拠点に活動し、ドラマチックな作品や記憶に残る企業の広告、Vlog形式の親しみやすいものなど、多彩な映像作品を手掛けるエムスタさんに、EOS R8を使った作品を撮影してもらい、その使い勝手や魅力について語っていただいた。

エムスタさんは、元は建築業界で働いていたが、映像制作の世界に出会い、フリーの映像クリエイターへと転身した特殊な経歴の持ち主。「もともとスマホで映像を撮ってYouTubeにアップしたりもしていたのですが、ミュージシャンやビデオグラファーとして活躍する山下 歩さんの作品を観て感動し、『この美しい映像はどうやって撮るのだろう』と本格的な映像制作に興味を持ちました。そこからは他のクリエイターが公開している情報を集めて、ひとつずつ機材を揃え、独学で撮影や編集の手法を身につけていきました」

約4年前にエムスタさんが最初に手にしたのは、当時のエントリーモデルのカメラとして高い評価を得ていた、キヤノンの「EOS Kiss X9i」。自身の家族をモデルにした作品や知人の結婚式などを撮影し、シネマティックな世界観を表現するための試行錯誤を繰り返したと話す。

「様々な作品づくりにチャレンジするなかで、自分が表現したいものを撮れる機材を探すことは楽しく、同時に最先端の機材に出会うことで、その表現の幅が広がっていくと感じます。今も新しい機材を常にチェックしていて、どんなことができるか模索していますね」

その言葉通り、エムスタさんの公開作品には、カメラの機種名を掲載しているものも多くあり、そのカメラでできることの可能性を追求している姿が目に浮かぶ。

 

軽量・コンパクトな機体で被写体の様々な動きに対応

▲ほとんどを手持ちで撮影したエムスタさんは「EOS R8は本体が軽量かつコンパクトであるため、様々な動きに対応しやすい」と語る。個人の映像クリエイターにとってフットワーク軽く撮影できるのは大きなポイント。

今回、EOS R8を使用して撮影された作品は『家族日記』。家族の何気ない日常のお出かけをテーマに、エムスタさんが得意としているVlog風の映像のなかでシネマティックな世界観が表現されている。作品内では、明るい屋外から暗い学校の校舎内といった様々な光の変化がある場所、遠景の開放的な風景、躍動感のある子どもの目線のカットなど、カメラのパワーを存分に活かした様々なシーンが盛り込まれている。

「EOS R8の性能を実験する意味でも色んな撮り方をしたいと思いました。4K/60pで記録し、レンズはほとんどがRF50mm F1.2 L USMで、シャッタースピードもあまり変えずに撮影しました。個人的に50mmのレンズが好きで、画にほどよい圧縮感や非現実感が生まれると感じています。撮影をしていて印象的だったのは、本体が軽量であるため、撮り回しがしやすい点です。私は手が小さいので、コンパクトな本体はしっかりグリップできて、ほとんどレンズだけを持って動いているような感覚で、予測不可能な子どもの動きについていくのも苦労しませんでした。AFも何度か使いましたが、暗い場所でのピント調整などかなり進化していると感じました。トータルでの使いやすさや価格のコストパフォーマンスの面で、これから本格的に映像制作に取り組みたい人はもちろんですが、子どもや家族をキレイに映像で記録したいパパやママにもぴったりだと思います」

撮影は1日で行われ、ほとんど手持ちで撮っていたそうだが、負担は少なかったと言う。加えて、操作系ではタッチパネルの感度を始めとする性能にも注目だ。

「キヤノンのカメラはタッチパネルの操作のしやすさも魅力ですね。液晶も明るく、いつもモデルをしてくれる妻はその場で画を見て『いつもよりキレイに見える』と話していました。撮った瞬間に美しい状態で見ることができると、撮影する側もされる側もモチベーションが上がるなと改めて思いました」

 

曇りガラスがいいディフューズとなり、柔らかい光を生み出している。本編を見れば、EOS R8がその光を綺麗に捉えていることが分かる。

EOS R8の液晶は明るく高精細。REC中はモニターに赤枠も表示される。


▲ジンバルはDJI RS 3 Pro、外部マイクは取り回しの良さを活かすため、小型のRODE VideoMicro IIをオンカメラで使用。

 

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キヤノン機の生む色味グレーディングの作業も行いやすい

▲グレーディング後の作品の切り出し。「キヤノンのカメラはスキントーンや逆光の雰囲気が美しく好み」とエムスタさん。

「この作品は約2時間で編集しました。撮影している段階で、脳内で構成はだいたい組み立てていて、そこに自前のLUTをあてているので、制作時間は比較的短いかもしれません。そもそも、キヤノンのカメラはスキントーンを始めとする色味がとても好みで、EOS R8でも撮って出しでキヤノンらしい美しい画が撮れていました。エモーショナルな世界観を表現する上で、逆光での人の肌や自然の風景の色づかいはポイントになりますが、その色味がキレイだとカラーグレーディングの作業がしやすいですね」

暗いシーンでもノイズをほとんど気にすることなく、ノイズリダクションも最低限で済んだとも話す。今回の作品では、自然な空気感を出すため、明るすぎず、暗すぎず、また彩度も落としすぎないよう心掛けたというエムスタさん。カラーグレーディングでは、LUTをあてた後に、コントラスト、ホワイトバランス、サチュレーションと調整していくなかで、特に難しい場面はなかったそうだ。

「私は作品づくりのなかで、登場人物の一瞬の表情や、ちょっとした手の動きなどを大事にしているので、特にスキントーンは重要だと考えています。キヤノンのデータは色分解も良くて調整しやすく、トータルバランスが優れていると感じました。カメラに詳しくない人でも、EOS R8を使えば、質の高い映像が撮れると思いますし、そこでの楽しみや喜びをきっかけにして、本格的な映像制作に踏み込んでいくのも良いですよね。EOS R8は、映像制作における最初のハードルである機材や撮影手法の“迷子”を導いてくれる存在になるのではないでしょうか」

本気で映像制作を始めたいと考えているクリエイターのファーストステップ機として、また、気軽にシネマティックでオリジナリティのある映像を表現したい人にもマッチするEOS R8を、一度手にしてみてはほしい。

 

▲DaVinci Resolveでのカラーグレーディング画面。カラーを赤みと緑に寄せた独自のLUTをかけ、コントラスト、ホワイトバランス、サチュレーション、グローの順に調整。ノードを見てわかるように、非常にシンプルな調整で、作品の絶妙なカラーを生み出している。

 

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VIDEO SALON 2023年6月号より転載

vsw