【Sony FDR-AX700 Creator’s Voice】フォトグラファー 成田 健さん


AX700は写真と動画の両方を撮影する現場の一台として、また、フォトグラファーが動画を始めるカメラとして最適です。

成田 健

フォトグラファー。1967年札幌生まれ。スポーツメーカーや文房具を中心に撮影。個人では野生動物、ペットの写真、動画を撮影してInstagramにポストしている。ジャンルは美容、料理、建築、商品、スポーツと幅広い。

協力:ソニーマーケティング株式会社

フォトグラファーが写真だけでなく、動画も依頼されるケースが増えている。カメラの選択肢のひとつとしてデジタル一眼カメラそのまま利用することが考えられるが、成田さんはビデオカメラも活用している。使い分けるメリットはどこにあるのだろうか?

 

成田さんが動画を始められたきっかけは?

 

2005年頃からフリースタイルスキーを撮影したDVDを販売をしていました。その頃はビデオカメラで撮影していました。ただ、私は自分で動画撮影はしていなくて、主に編集や写真撮影、全体のディレクションをしていました。その後、2011年くらいにスキーのブランドの仕事をするようになってから、本格的に動画と写真の両方を自分で撮影するケースが増えていきました。

 

当時はどんなカメラを使用されていましたか?

 

ソニーのNEX-VG30ですね。フォーカスはマニュアルで操作していました。その後は、技術の進化に合わせて、使いやすいカメラにどんどん乗り換えていきました。

 

写真でも動画でもカメラ機能の進化が著しかった時代ですね。

 

そうですね。カメラ機材にはずいぶんと投資しましたね(笑)。ソニーのカメラもここ数年でAFが進化していて、α9の登場で劇的に変わったと思っています。現在写真では20コマ/秒の高速連写やAF性能に惹かれて、α9、α7R IVをメインに使っています。

 

最近はビデオカメラのFDR-AX700も使い始められたそうですが、どういう経緯でしょうか?

 

α9で動画も撮影しようと考えていたのですが、写真と動画の両方を撮影しなければならない現場がありました。写真と動画では、現場で重視するポイントが異なります。動画は持久力、写真は瞬発力が求められます。写真に集中すると動画がおろそかになってしまい、動画に集中すると写真が撮れない。そこで動画を安心して任せられるカメラとして、AX700を選びました。

 

なぜAX700を選ばれたのですか?

 

AX700は2017年に購入したのですが、当時、業務用カメラのPXW-FS5やサイバーショットのDSC-RX10シリーズとも比較検討しました。

まずFS5はフォトグラファーが写真と並行して使うには動画にシフトしすぎてしまいます。企画から構成まで本格的な作業が必要になるので全体のオペレーションを一人ではできなくなり、予算面だけじゃなく、体制的にも厳しくなります。クライアントとしても、それだけ予算がかかるならば、映像制作会社に依頼したほうが良いということになります。

フォトグラファーに動画も依頼するケースというのは、気軽に頼まれる撮影の場合が多いのです。手間をかけずに、早く撮影する。もちろん、失敗しないということが重要です。AX700は本体のボタンがそれほど多くなく、しかも適度に配置されていて、戸惑わずに操作ができます。たとえばホワイトバランス、ピクチャープロファイル、スロットのセレクトも本体ボタンでできます。なんといってもNDフィルターも分かりやすいスイッチになっています。もちろんFS5でも同じように本体ボタンで操作できるのですが、フォトグラファーが兼任で操作するとしたら多すぎる印象です。

 

RX10シリーズも検討しましたが、長時間撮影するなど動画メインの用途を考えると、やはり動画専用機であるAX700が良い選択だという結論になりました。

 

AX700は撮影現場ではどのように使用されていますか?

 

今の映像制作の現場はカメラを複数台入れることが多いのです。たとえばウィンタースポーツ関係ではデジタル一眼カメラ、アクションカメラ、空撮用のドローンなど、機材の特性を生かして素材を撮影していきます。AX700はそうした撮影機材を複数台入れる現場で重宝しています。

以前、AX700を固定カメラとして使用した際に、思わぬハプニングなど貴重なカットが撮れていたことがありました。そういった使い方をするためには、長時間回しっぱなしにしても熱で止まることもなく、バッテリーが持つということが重要です。AX700は最大サイズのバッテリーが2つあれば、1日中かかる現場でも十分足ります。

しかもセンサーが1.0型で適度なサイズであり、像面位相差AFに対応しているので、AFに任せておいてもフォーカスを外すこともあまりありません。

スタッフにカメラを持たせて撮影することもあるのですが、編集の段階で、広い画が欲しいとなったときに、AX700で使える素材が撮れていたということもありました。

適度に手ブレ補正が効きます。でも、これがデジタル一眼カメラだと形状の問題もあり、手持ち撮影だとどうしてもブレが出てしまうシーンがあります。それを避けるためにジンバルにデジタル一眼カメラを装着して使おうとすると、現場でのセッティングに時間がかかってしまいます。そのためAX700がちょうど良いのです。

 

時間との勝負の現場で重宝するカメラだということですね。

 

そうですね。実は撮影後も助かることがあります。AX700はメモリーカードがダブルスロットで4KのXAVC Sと同時にMP4を記録できるので、すぐにファイルが欲しいと言われたときに、軽くて汎用性のあるMP4のほうの動画素材を渡すことができます。

 

画のクオリティとしてはデジタル一眼カメラと比べていかがですか?

 

光量があれば全く遜色ありません。もちろんフルサイズセンサーと比べれば、1.0型センサーですから暗いところでの再現性には限界があります。でもそれはライティングで補えばいい。フォトグラファーのメリットとして、ライティング機材を持っていること、スタジオライティングの知識があることだと私は思っています。光量の課題はカバーできると思います。

 

画の傾向はいかがですか? ピクチャープロファイルはどうされていますか?

 

AX700はデジタル一眼カメラと違って色があっさり目で調整しやすい印象です。ピクチャープロファイルはPP4(ITU709マトリックスカラーモードを用いた設定がプリセット)かPP6(CINE2ガンマを用いた設定例がプリセット)を使います。S-Logは使いません。カラーグレーディングで時間がとられてしまったら本末転倒なので。α9にピクチャープロファイルが採用されていないということもありますが、αのクリエイティブスタイルの設定を「ニュートラル」にすることで、色やコントラストはAX700と結構合わせられます。

普段フルサイズセンサーのデジタル一眼カメラを使用されているフォトグラファーの立場から見て、1.0型センサーのビデオカメラというのはどんな感覚ですか?

フルサイズのデジタル一眼カメラの場合200mm、400mなどの焦点距離で、よりピント面をシビアに見ようとすると、F11くらい絞らないと難しいときがありますが、AX700は被写体深度が浅くない分、望遠側はピントがそれほどシビアではなくて、ナーバスにならなくていいんです。

青森のムービー(以下の作例参照)のねぶたのシーンはAX700で撮影したのですが、現場は三脚を立てられないところだったので、一脚につけてシーンをどんどん切り取っていくという撮影をしました。夜だったので撮影条件は厳しいのですが、フットワークよく撮れることで、使える素材が多くありました。

AX700で撮影したカットより(52秒〜)

 

 

 

最近はAX700でキタキツネを撮影しました(以下作例参照)。テレ側になると絞りの開放はF4.5になるのですが、フルサイズのデジタル一眼カメラだとF8〜F11くらいの被写界深度の感覚です。だから背景は適度にボケる。でもキツネはしっかり輪郭もとれていて、ちょうどいい感じです。これがフルサイズのデジタル一眼カメラだと操作に慣れていないカメラマンでは撮影することは難しいと思われます。また、AX700くらいのセンサーサイズだと小さい鳥は撮りやすいと思いますね。

AX700で撮影したカットより(61秒〜)

 

 

 

他にオススメの使い方はありますか?

 

今、YouTube向けにレビュー動画やインタビューを撮影することも多いのですが、そういうケースでもAX700は活躍してくれます。照明を立てて、手元で製品レビューをするようなシーンを撮影する場合、被写界深度が浅くなりすぎないので、気軽に撮影できます。

 

動画も同時に撮影しなければならないフォトグラファーにアドバイスをお願いします

 

おそらく私のような地方を基盤にしたカメラマンは昔から写真と動画の両方をフットワーク良くやっていると思います。そのフットワークを支える機材としてAX700は大いにオススメしますね。

というのは、フォトグラファーが自分だけで、使い慣れたデジタル一眼カメラをそのまま利用して写真の感覚で動画を撮影し始めると、被写界深度のやたら浅い動画になってしまったり、カットの尺が足りなかったり、インサートカットが足りない、ということが起きがちです。まずはAX700のようなビデオカメラを使ってみて、動画用のカメラの特性を理解することは、実は上達の近道のような気がします。バッテリーの持ちなどを気にせず長回しもでき、ある程度のズーム範囲があって、なおかつ滑らかなズームを活用することで、同じシーンでヨリとヒキの変化があるカットを数多く撮ることができます。ビデオカメラだかこそできる現場での動き方が自然と身についてくると思います。

フォトグラファーが映像を手がける方向として、クオリティの高い映像で自分の作品を仕上げることで、より予算の大きな仕事に繋げるという選択肢もあります。一方で、いかに手間をかけずに早く撮影して編集し、YouTubeやSNSに展開するかということも今後は重要になっていきます。そんな時代に、AX700はサブでもメインでも使える便利なカメラで、動画撮影においては欠かせないカメラになるはずです。

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