サンディスク エクストリーム900
ポータブルSSDが活躍する映像制作現場
─ カモディ・マシューさんの使い方

協力●サンディスク株式会社

サンディスクの CFast2.0 と
UHS-II の SDカードから RAWデータを
PCとエクストリーム900に
現場でコピーする

カモディ・マシュー(Matt(e) Prodcution)
1979年生まれの豪州出身。1999年の来日以来日本語と日本文化に精通するために猛勉強し、2001年に大阪大学に入学。2005年に文学部日本史専修卒業後はフリーランス翻訳者・通訳者として活躍。映像に目覚めたのは2010年頃。ハワイの旅行中に初めて買ったネオ一眼でマニュアル設定の面白みに気づき、帰国後EOS KISS X3 をすぐ購入して日々練習。2014年に翻訳・通訳の仕事を少しずつ減らしながら未経験の状態でフリーランスカメラマンとして映像業界に飛び込む。1年目でRAW撮影を味わい、現在は Blackmagic の URSA Mini Pro や RED を活用したRAW撮影を中心に、国内外の製品PVやショートフィルムに携わるまで成長。

 

現場でのバックアップはSSDかHDDか?

個人プロジェクトを含めRAW収録中心の撮影スタイルを導入してもう2年目です。RAWデータを扱わない撮影はもはや想像できないけど、決してバラ色な毎日というわけではありません。RAWならではの12bitの色情報あってこそ作り出せる鮮明な画像の裏には莫大なデータ量の管理があります。

現在メインで使っている URSA Mini Pro と DJI Osmo RAW は Cinema DNG の連番でRAWデータを記録します。4:1圧縮の際でも URSA Mini Pro は128GBの CFast2.0カードに4.6K/60pを6分しか収録できません。最近ファームウエアで追加された GH5 の 400Mbps ALL-Intra と比べても数倍高いデータレートです。

URSA Mini Pro用の CINEURSASHMSSD というSSDレコーダーがようやく発売され、インタビューなど長時間収録の一つの解決にはなるものの、現場でのバックアップではまた別のSSDかHDDにコピーすることに変わりはありません。さて、現場バックアップにSSDかHDDか…誰もが一度は直面したことのある課題でしょう。

HDDは単体では幾分遅いのですが、安いという利点があります。そのため昔から大容量RAIDを構成するのに大変有利な選択肢として使われてきました。私も現場用に4TBの外付けHDDを持っています。しかし、時にテラバイトにも及ぶ現在の撮影現場でのRAWデータのバックアップにHDDは転送速度が足りませんし、かといって重いRAIDケースを持って行きたい人もいないでしょう。車やテントのような場所でバックアップしないといけない現場だとなおさらです。個人的に必要なのは、どこにでも持って行けて、USBバスパワーで動き、高速な転送ができる頑丈な小型メディアです。そこで外付けSSDの登場です。

最大3枚のメモリーカードから高速バックアップ

単体で買う場合、SSDはいろいろな容量と特徴のものが販売されていて、かなり贅沢な世の中になってきました。単体のSSDを別売りの外付けケースに入れて使うのはもちろんありですが、個人的にサードパーティのケースは故障の確率が未知数なのでできるだけ避けたいところです。そこで選んだのはCFast2.0やSDカードでお馴染みのサンディスクのエクストリーム900 ポータブルSSD。決め手は容量も充分な1.92TB(※1)。手にして納得の頑丈さ。満足の転送速度。しかも他に持っているメディアはすべてサンディスクで統一しています。

今年に入って現場バックアップ用HDDをほぼ引退させてノートPCもメディアも一新。現在では高性能ノートPCの内蔵SSDとサンディスク エクストリーム900 ポータブルSSDという二重バックアップ体制をとっています。

PCの内蔵SSD(4TB 2.5″ SSDと2TB M.2 SSD)と外付けエクストリーム900ポータブルSSDの内外体制は2台以上のカメラからのRAWデータを同時にバックアップするのに有利に働きます。サンディスクの 256GB/128GB CFast2.0 と 128GB UHS-II のSDカード、そして Osmo RAW の 512GB SSD を3枚同時にそれぞれ別のSSDにバックアップする時もあります。CFast2.0 の 300MB/s(※2)に対して UHS-II のSDカードは 250MB/s(※2)という嬉しい速さ。それも同時にバックアップする状態で、さらに Osmo RAW の SSDを合わせてバックアップ。午前はどんどん撮影しても、昼の間に全データを二重バックアップでき、午後にはメディアをフォーマット・再利用できます。

▲現場で昼の休憩を使ってのバックアップ風景。後ろに見えるのは岸和田市内畑町下出のだんじり。今回のような被写体=だんじりが出発したら機材を持って追いつくのは大変。大量のデータバックアップが間に合わなければ午後の撮影に支障が出てしまう。高速かつ確実にバックアップできて初めて長時間のRAW撮影が可能になる。

高速・大容量・小型のマルチプレーヤーの登場

撮影後に事務所に戻ってエクストリーム900 ポータブルSSDにコピーした片方のデータを編集用RAIDにバックアップするとともにノートPCの内蔵SSDのデータを長期保管用の 3.5″ HDD に同時バックアップします。さらにインターネットのクラウドドライブにも念のためにアップロードを仕掛けます。二度と撮れない映像のバックアップは最も神経を使う作業の一つかもしれません。すべてのデータをRAIDとHDDに移し終えたらエクストリーム900 ポータブルSSDとノートPCの内蔵SSDにあるデータを初めて安心して削除して次の現場に備えることができます。合計6TB以上のSSDを内蔵しているノートPCを組んだのは、海外現場ではそのまま帰国までノートPCで片方のデータを長期保管・編集する場合もあるからです。

▲事務所でのデータ転送作業。シルバー色の Thunderboltケーブルは RAIDに繋がっている。ここには写っていないが、3台目のノートPCで少しずつデータをクラウドドライブにもバックアップするという三重データ保護体制を実施。

信頼性は映像にも好影響を与える

機械はいつかは故障するものだと肝に銘じています。その故障がデータ喪失に繋がるのは最も望ましくないシナリオです。予算を含めいろんな制限がある中で個人的に絶対に妥協しないのはメディア。信頼性・交換性・性能のすべてが揃って初めて安心して撮影に挑めるのです。収録をRAWに切り替えて以来一筋で使っているサンディスクのメディアは確かに他より少々高価ですが、メディア故障でデータをなくしたことは一度もありません。この信頼性=自信は映像にも好影響を与えていると思います。

※1 ほかに960GBと480GBの選択肢もある。
※2 Cinema DNGの連番は転送時に速度が多少落ち込むこともある。

 

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サンディスク エクストリーム900 ポータブルSSD