撮影現場、ポスプロのみならず、営業やプレゼンでも映像の高速編集が必要。SSDの導入でプレゼンできる素材の幅が大きく広がった。

Report◉山本 輔
協力◉サンディスク株式会社

 

 

撮影現場だけでなく、プリプロダクションでも大活躍のSSD

時代は4K・8Kが加速し、収録もポスプロもデータ容量、マシン負荷ともに増大の一途を辿っています。それは制作現場のワークフローを圧迫し、頭を悩ませる種にもなっていますが、同時に企画や提案段階にも多大な影響を及ぼしています。この連載では、偉大な先輩方が制作現場でのサンディスク エクストリーム ポータブルSSDの活用手法を紹介していました。今回は若干趣向を変えて、「企画・提案段階」や「登壇業務」の中での活用手法を紹介していきます。

 

受注前のプレゼンの場で即座に編集を行う場面もある

私は映像制作を主業として活動しております。得意分野はポスプロ(編集及び画面デザイン、モーショングラフィックス)としているのですが、フリーランスとして活動する中で求められる守備範囲はどうしても広がっています。代理店やエンドクライアントと直接取引をする場合には、演出という名のワンマンビデオグラファー(笑)として企画から納品まですべてを担当することも多くなってきました。その中でも、最近特に増えてきているのが「受注前のプレゼン」です。

代理店の方とともにエンドクライアントの会議室に赴き、その場で提案されたラフ案を、手元の素材を活用しながらテロップ、モーショングラフィックス含め会議時間内に作り上げてプレゼンする…いわば昔の初校プレビューに近いことを、提案段階で求められるのです。クライアントからは通称「エディットサーカス」などという名前で呼ばれたりもします(笑)。「山本さん、次回のサーカス公演なんですけど…」というLINEが入ってきたり…僕はピエロじゃない!  クライアントのニーズによって、事前に素材をセレクトしておく必要はありますが、それでも4Kハイビットレートの素材を複数用意すると、あっという間に1TB、2TBは超えてしまいます。その中でも最適なものをすぐに読み込み、必要のないものを削除する…画質的にプロキシで編集することさえも許されない状況もあり、同時に編集速度を両立させる必要があります。

特に外資系企業の場合、そのプレゼン現場で数万ドルもの取引が決定してしまう場合もあります。プレゼンターとして、その場でクライアントの意向を汲み取って目の前でイメージを作り上げる仕事は、非常にスリリングであると同時に、決してミスが許されない舞台でもあります。「ちょっと待ってください」「今レンダリング中です」「少しPCが遅くて…」なんていう言い訳も許されません。目の前にいるのは「映像業界外」の人たちです。レンダリングという言葉を知る必要のない方の前で作業をする際に、こちらの常識は通用しません。ここで「求められている映像を目の前でいかに素早くアメージングに見せられるか」です。

 

学校の講師業でもSSDが活躍

そして似たような業務として、「動画学校の講師業」があります。私はBYNDという学校で、青山や日本橋、麻布など5拠点にてPremiereやAfter Effectsの講師を行なっておりますが、こちらでも同様に「速さと美しさ」を求められることが多いです。何と言ってもカリキュラム外のQ&A、実例をその場でみたいという受講生が多く存在する中、目の前で受講生の疑問に答えられる回答を見せなければいけません。こちらでも、多数のフッテージから即座にベストチョイスを選び出し、受講生の希望に合う編集を目の前を行う必要があります。プレゼンでも授業でも、重たい機材を持ちこんで、野暮ったい姿を見せるわけにもいきません。そのためにタワーHDDを持ち込んで机の上に置く、なんてことをやるわけにもいかないのです。性能と速度と見栄え、そのすべての成立を考えると、このサンディスク エクストリーム ポータブルSSDは最適解でした。

▲動画の学校BYNDで講師を務める筆者。生徒からカリキュラム外の質問を受け、その場で編集を実演することも。SSDを導入したことで編集時のレスポンスも向上した。

 

求めているのは性能部分のみならず「スタイリッシュな外見」

どうしても、この業界にいると様々な商品に対して「外見をスタイリッシュにする開発費があるなら、その分、質実剛健でいいから安くしてほしい」「外見よりもスペックに開発ボリュームを振り切ってほしい」という意向を感じることが多々あります。「カラバリは要らない」「このボディはかっこいいけど、もう少し硬い方が現場では使えるよな」と言った…。しかしながら、エンドクライアントとの直接交渉、授業への登壇の際に最も意識するべきは、私は「外見」だと思っています。いかに見栄えするか。如何にスタイリッシュに見せるか。それはモニタの中だけではなく、スタッフの立ち振る舞いにも求められます。もちろん私の容姿については意見を控えますが、可能な限りのスタイリッシュさを求めることもプロの必須条件だと考えます。いかにスタイリッシュなパーツを駆使するか、それは「これから映像業界に入ろうとする、憧れを持つ若い才能」たちの前では見せなければならない工夫だと思います。

特にBYNDは女性比率が半分を超える環境ということもあり、外見の部分には人一倍気を使います。その点、サンディスク エクストリーム ポータブルSSDは細やかなエッジ、朱に近いレッドライン、ワンポイントアクセントのステッカーを貼るスペースが設けられています。また、こんなに小さくて軽いと、僕のようなうっかり者は失くしてしまうんじゃないかと心配になるくらいですが、ストラップやチェーンを装着するホールが準備されているなど、細部に配慮がなされています。速さ、ボリューム、耐久性…複数のニーズを同時に満たせる記録媒体はSSDしかありません。その中でも、外見や実績、安心感を含めて、満足できるチョイスはサンディスク エクストリーム ポータブルSSDしか考えられないのが現状です。

 


▲BlackMagic Disk Speed Testを使用しての読み込み速度測定(MacBookPro13inch 2015年モデルにて)。HDD(USB2.0接続)とSSD(USB3.1接続)では、読み込みで3倍、書き込みで4倍近い差が出た。

 

◉山本 輔(Taskyamamoto)

映像作家・モーショングラフィックデザイナー。2015年「彌榮制作-Production YiYasa」を設立。TVCMや企業プロモーション映像、ミュージッククリップ、インスタレーションなどを手がける他、クラブ/アートイベントのVJや、動画/モーショングラフィックスの学校「BYND」でテクニカルマスターとしてカリキュラム開発/登壇を含め後進の育成にも尽力する。その他、音楽と映像の融合を目指す活動を中心に、ラジオパーソナリティ、舞台(オペラ)、スチールカメラマン、企業研修など幅広く活動中。BeGLAMOUR所属。

写真●長 真奈美(BeGLAMOUR)

 

 

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