主に海外のフォロワーを惹きつけるための強力なツールとして流行するInstagramリール。Instagramアカウントで18万人のフォロワーを抱える「shuto_films」を運営する鈴木秀翔さんに縦型リールならではの構図の狙い方、撮影機材選び普段どんなことに重点を置いて制作しているのかなど、鈴木さんが手掛けたリールを作例としながら実践的なテクニックを解説してもらった。

講師 鈴木秀翔 Shuto Suzuki

2001年生まれ。大学在学中に映像制作の会社を立ち上げ、現在は独立しフリーランスの映像クリエイターとして活動中。Instagramを中心に日本や海外の美しい景色を映像を通して発信している。主に宿泊施設の映像制作をメインとして行なっている。






映像制作を始めた理由

「こんなに格好いい動画を作る人がいるんだ」と衝撃を受け映像制作の道へ

映像クリエイターの鈴木秀翔と申します。経歴としては、大学在学中の20歳のときに映像制作会社を起業し、2年半を経て2024年に会社から独立しました。現在はフリーランスのビデオグラファーとして活動しています。

元々は、海外に留学したくて英語系のYouTubeを見ていたんですが、そこにビデオグラファーの大川優介さんが偶然出ていたんです。それで大川さんの映像に興味を持ち作品を見てみたところ、「こんなに格好いい動画を作る人がいるんだ」と衝撃を受けたことをきっかけに、映像制作を始めるようになりました。

現在は、Instagramを中心に日本や海外の美しい景色のリールをメインコンテンツとして投稿しており、フォロワー数は約18万人になりました。DMを通じて直接お仕事のご依頼をいただくことも多く、仕事の内容としてはホテルのリールや写真といった宿泊系をメインに、車メーカーや企業プロモーションの動画など幅広く制作しています。基本的に縦型のリールをメインで発信しているため、ご依頼いただく内容も縦型の動画が多いです。

今回の記事では、僕が制作している観光系のリールを作例とし、縦型リールならではの構図の狙い方や、撮影機材の選び方、クライアントワークと自主制作の違い、普段どんなことに重点を置いてリールを制作しているのかなどについて解説していきます。






Instagramでの発信について

なぜ発信を始めたのか?




観光系の縦型リールを投稿して影響力をつけていこうと考え始めた

僕がInstagramで映像を発信し始めたのが2022年からなのですが、当時のフォロワー数はまだ300人程度でした。その頃は映像を始めたばかりなうえ、ただでさえクリエイターがたくさんいるような環境だったので、普通に映像を作っているだけでは誰にも注目してもらえないし、仕事にもならないという状況で、まずはクリエイターの中で何かしらの差別化をしなければと考えていました。

そこで、「簡単に差別化できるものってなんだろう?」と考えたとき、やはり数字を持っていたほうが注目されるし、いろんな人に見てもらえるチャンスがあると思ったんです。また、当時はInstagramを使って発信する観光産業の方がほとんどいなかったことも発信を始めるきっかけとなりました。さらに、コロナが明けて日本観光産業への注目が高まっていたため、観光系動画の需要があるんじゃないかと考え、日本の縦型リールを投稿して影響力をつけていこうと考え始めたのが、Instagramで発信を始めた理由になります。



フォロワー増加までの軌跡

リールを見る




Instagramフォロワーの推移

2023年5月に投稿した京都の動画がバズり、再生数が600万回を超える。本動画がきっかけで一気に約10万人のフォロワーを獲得することができた。




Instagramを始めてから約8カ月でフォロワー数10万人を突破

2022年の9月から2月までの投稿頻度は週に2、3本を目安にあげており、素材も全くないところからスタートしました。1日で都内や都内近郊で撮影できる場所をとにかく回り続け、ストックを貯めては編集して投稿をするというスタイルでの撮影でした。なので、多いときは7、8カ所を巡り、朝から晩まで撮影をしていましたね。

ただ、それでもまだまだ数字が伸び足りないと感じていたため、2023年の4月頃に「毎日投稿を始めよう」と考えました。その一環で、映像クリエイター仲間と2週間ほど京都での撮影を行い、その中で600万再生を超える京都の動画が生まれ、結果的にInstagramを始めてから約8カ月で10万人を超えるフォロワーを獲得することができました。



フォロワーを増やすために行なったこと

フォロワー数を伸ばすためには数値の可視化や推移などの分析が重要

Instagramのフォロワー数を増やすためにやったこととしては、スプレッドシートを使って投稿時間や音源の分析、1時間あたりのいいね数、保存数などを可視化できるように管理していました。最初のうちは面倒くさいなと思いながらやっていたんですが、管理するうちにどの音源やどの時間が伸びやすいかなど見えてきたこともあり、だんだんと楽しくなってきて伸びるまでの半年間くらいは毎日管理をしていました。

また、モチベーションを下げないために、1日でどのくらいフォロワーが伸びたのか、月でどのくらい伸びたのかといったフォロワー数の推移をメモしていました。

加えて、当時伸びていた同じ縦型動画クリエイターの映像を見て、その人が何時にどんな音源で投稿しているのかなどを参考にし、同じ時間・同じ音源で投稿をしてみたりもしていましたね。そうすることでもやはり見えてくるものがあったため、フォロワー数を伸ばすには分析が重要になってくるのかなと考えています。


投稿時間、音源分析、1時間あたりのいいね数・保存数など、スプレッドシートで可視化できるように管理。



モチベーションを下げないために、フォロワー数の推移を半年間ほどメモしていた。



鈴木さんのInstagramは9割以上が海外へのリーチで、国別で言うとアメリカ、ブラジル、日本、インド、メキシコ、市区町村別だとバンコク、テヘラン、香港、ジャカルタなどがトップとなり、94%が海外へのリーチとなった。