CM、WEB、MVを中心に写真と映像の両軸でクライアントのブランディングイメージを作り上げるクリエイティブスタジオ・bird and insect。本項では、bird and insectが手がけた写真と映像の仕事の実例をもとに、そのクリエイティブの起点やフォトグラファー発想のディレクション術について、さらにチーム体制、予算の組み方、進め方…など、代表のshuntaroさんが解説する。

講師 shuntaro

bird and insect CEO / image director。1985年、東京生まれ。京都工芸繊維大学で建築・デザインを学び、広告系制作会社を経てフリーランスへ。その後、bird and insect ltd.を立ち上げ、代表取締役を務める。2017年には日本のファッション写真史の研究で博士号を取得した。クリエイティブを論理的に行うことを信条としながら、精緻なディテールの詰めや感性を活かすディレクションも大切にしている。広告の写真や映像制作はもちろんのこと、近年はMVやドラマの制作、作品の制作提供を多く行なっている。



第107回全国高校野球選手権大会CM&グラフィック

TV・WEB CM映像、キービジュアルの制作をbird and insectが担当。shuntaroさんは映像ディレクションと写真撮影を兼任し、令和の球児の情熱を力強く描いた。







写真ができることの武器を最大限に活かす

イメージづくりの力を駆使して“正しく”“美しく”伝わるビジュアルに

bird and insectのハイブリッドな制作体制

一般的な座組ではクライアント→代理店→プロデューサー/制作進行→写真/映像ディレクション…という流れになり、そこから各職種を外注する形になるが、bird and insectでは各職種を兼任する、ハイブリッドな動きができるという。




高いクラフト力を持ったメンバーが役職を横断することで柔軟に対応する

bird and insectのshuntaroです。今回は「フォトグラファー発想のディレクション術と実践」ということで、映像と写真を手がけた作品を例に出しながらいろいろと解説していきます。

そもそもbird and insectは「イメージづくりの力を駆使して世界観を描き伝えるcreative studio」と名乗っています。簡潔に説明すると、クライアントの想いを、その企業のブランドイメージを理解しながら、我々の質問力・クラフト力・提案力を最大限に活かし、正しく・美しく伝わるビジュアルを作ることを目指している会社、ということですね。特徴は企画から納品まで一貫して行うのに最適な組織構造を採っていることだと思います。ディレクター、プロデューサー、フォトグラファーなど、完パケでイメージづくりができる社員スタッフが揃っていて、それぞれが高いクラフト力を持っている、と。

ただ、「企画から納品まで一貫して行えます!」と謳っている会社って多いですよね? bird and insectは各職種が同じ会社内にいて、かつビデオグラファー的な動きというか、ひとつの役割にとらわれずに担当できるメンバーが多いので、いろんなところを行き来しながらやる、と。まさにハイブリッドシューターであり、ハイブリッドクリエイターでもあるというのが強みだと思います。

そんな強みを活かした最新の事例が第107回全国高校野球選手権大会のCM&グラフィックです。軸となるキャッチフレーズ「心をひとつに夢の先まで!」から企画をいろいろと検討して、最終的に球児たちの想いをラップバトルで表現する案になりました。映像のディレクションとスチル撮影は僕が担当していますが、、その他の多くのポジションもbird and insect社内で完結しています。本来はレタッチャー、PR、バックオフィスのメンバーも制作や美術として参加していたり、役員のシニアメンバーが各ポジションでサポートしていたり、臨機応変に大規模な案件に対応しているのもウチらしい座組ですね。