TIPS 02: テキストスタイルで「フォントを変えずにデザインだけ」適用する

テキストスタイルとは?
テロップなどに使用するテキストのフォント、サイズ、色、塗り、シャドウ…などの文字デザインの設定・パラメーターをカスタムして保存できる。一度保存したスタイルはテンプレートとして再利用できるため、効率化にはマストの機能。
テキストスタイルの保存
作成したテキストを保存する場合は、プロパティの「リンクスタイル」にある+マークから「スタイルを作成」を選択。保存したスタイルは「スタイルブラウザー」に格納される。ローカルスタイルに保存することで過去の別プロジェクトから読み出さなくてもスタイルが適用できるようになっている。


フォントを変えずにデザインだけ適用する方法
テキストスタイルを駆使していくうえで想定されるのが、装飾部分だけを適用させたいケース。例として、フォントはゴシック体のままで、テキストスタイルにある明朝体のデザインにしたい、という場合は、optionキー(Windowsの場合はAltキー)を押しながらスタイルを選択すれば一発で変更できる。


市井さんおすすめのテキストスタイルの管理・運用術
おすすめはあらかじめスタイルを保存しておく運用法。まずはフォント違いのスタイルを次々と選択して最適なフォントを決め、その後デザイン違いのスタイルからoptionキーを押しながらの選択で最適なデザインを探すのがとても便利。市井さんが販売しているテキストスタイルのプリセットもあるので右のURLを参照してほしい。

詳しくはこちら
TIPS 03: ショートカットのマクロ化

マクロをほぼ使わない市井さんが唯一使っているマクロ
テロップのテキスト入力をしていて、入力が終わった後にテロップの位置を変えたいという頻発するシチュエーション。デフォルトの状態だと「1」の部分に文字入力のカーソルがあり、そこから「2」までマウスでカーソルを移動して選択ツールに切り替え、「3」までテキストボックスを掴みにいかないといけない。

市井さんはふたつのショートカットを組み合わせるマクロ化で上記の手間を解消している。テキスト入力から抜けるEscキー、選択ツールに切り替えるVキーの順でマクロを組んでいるそうだ。地味だが効くマクロとして市井さんは唯一採用している。

ロジクール MX Anywhere 3S MX1800GR
市井さんの愛用マウス。マクロが上部ボタンに仕込まれているため、実行後にすぐにマウスでのテロップ位置調整ができる。サイドボタンにはShiftキーを割り当て、押しながらのホイール操作でタイムラインの左右移動に使う。


TIPS 04: Photoshop連携&Watchtowerでスムーズなテロップ作成

そもそもPhotoshop連携はとても便利
psdファイルを直接読み込めるのはアドビ社ソフトならではの利点。タイムライン上に乗せたpsdファイルを右クリックし、「Adobe Photoshopで編集」を選択すれば自動的にPhotoshopが立ち上がり、psd素材の編集に移行できる。Photoshop上での修正を保存すれば、再リンクや更新の必要がないのも便利。


Watchtowerを使うとPhotoshop連携がさらに便利に
複数のpsdファイルを読み込もうとすると、「レイヤーファイルの読み込み」に関するポップアップウィンドウが毎回表示されてしまう。Watchtowerでフォルダを選択して読み込むと、これを回避することができる。

Watchtower
Premiereにフォルダを自動同期できるエクステンション。フォルダを一括で読み込んでくれるだけでも便利だが、フォルダに新たなファイルが追加された場合でも更新ボタンを押すだけで読み込まれる(設定変更でボタンを押さずに自動同期することも可能)。

「更新」を押すだけで最新のフォルダ&ファイルの状態と同期
Watchtowerを使えば更新ボタンを押すだけでフォルダの最新状態がPremiere上のフォルダにも反映される。編集作業中にどんどんイラストやテロップの素材が上がってきて、すぐに映像に反映しないといけない…というシチュエーションなどで重宝する機能だ。

TIPS 05: 「情報パネル」を使った複数クリップ選択時の尺確認

通常の確認方法(イン点・アウト点を打つ)
編集中に一部のクリップの尺(デュレーション)を確認したいとき、タイムライン上にインとアウトをマークすることでプログラムモニター右下に表示させることができる。

「情報パネル」による確認方法(クリップ選択のみ)
尺確認のためだけにイン・アウトを打ちたくないという市井さんは、ワークスペースの左下に常に情報パネルを配置しているそう。確認したいクリップを選択するだけで、情報パネルの「デュレーション」に尺が表示される。

TIPS 06: 効果音の管理方法(シーケンスに尺が短い音源から順に並べる)

毎回イチから効果音を選ぶ場合
エッセンシャルサウンドパネルの「参照」のタブを開くと、ストックから選ぶことができるが、無料の効果音だけでも1万種類以上あり、すぐに選べない。

短い順にシーケンスに並べておいた場合
頻繁に使用する音源はまずダウンロードしておく必要がある。そのうえで効果音用のシーケンスを作成してあらかじめ並べておくのが市井さん流。ここでのポイントは音の尺が短い順に並べておくこと。ダウンロードした音源を読み込む際にプロジェクトパネル上の「メディアデュレーション」で尺が短い順にソートし、タイムラインに持っていけば、一発で並べることができる。

尺を頼りにして効果音をチェックしながら効率的に映像に当てはめていく方法
どんな効果音をつけるか、その判断材料になるのが尺だと市井さんは言う。右画像の例では、「UIも進化!」のテロップのアニメーションの始点から終点までの尺感に合う尺の効果音からイメージに適したものを探せば無駄が省ける(そもそも尺感に合わない音はつけられない)。音の種類や質によってフォルダ分けするのもアリだが、まずは尺を頼りにするほうが効率的だ。

TIPS 07: リバーブを途切れさせない方法

音声クリップにエフェクトリバーブをかけると…
よくあるリバーブのかけ方は、音声クリップにエフェクトコントロールパネルの「スタジオリバーブ」を直接適用する方法。リバーブの各パラメーターを調整すれば意図通りのリバーブはかかるが、クリップの終点でリバーブが不自然に途切れてしまう。Premiere初学者は意外に見落としがちな部分だ。


オーディオトラックミキサーで特定のトラックにリバーブをかける


オーディオトラックミキサーパネルからトラック全体にリバーブをかければ途切れることなく自然に減衰させることができる。左画像ではトラック「2」に「スタジオリバーブ」を適用した(この場合、トラック「2」全体にリバーブがかかった状態になる)。

その他の音声クリップでリバーブがかけたいものがあれば、同トラックに置くだけで同様のリバーブをかけることができるので、その点でも便利だ。
TIPS 08: トランジション/Clock Wipeの応用

クロックワイプとは?
昨年秋のアップデートで搭載されたFilm Impactの中で、市井さんが推しているのが「クロックワイプ」を応用した使い方。普通に使えば時計の針が回るように映像が切り替わるトランジションだが…。

Film Impactのクロックワイプを応用した強調線

クロックワイプを強調線に使うと、解説動画などでお手軽に視線誘導のアニメーションを作ることができる。①長方形ツールで塗りを消したストロークの枠を作り、②クロックワイプを適用すると、囲みが時計の針のように現れるエフェクトに。③あとは線の始点、種類、速度などを調整する。
① 長方形ツールで線のみの枠を作成

② トランジションからクロックワイプを選択

③ センター、アングル、リピートなどのパラメーターを調整

TIPS 09: エフェクト/プロセスアンプを使ったテロップアニメ

キラッと文字を光らせる効果を簡単につける方法
テロップにも適応できる「プロセスアンプ」。エフェクトパネルからから選択、エフェクトコントロールパネルで明度を調整しながら楕円のマスクを切り(右画像)、キーフレームを打てば簡単に効果をつけれられる。



TIPS 10: テキスト入力時のショートカットでのカーニング調整

カスタムすればPhotoshopのように文字詰めを調整できる
上画像は市井さんのキーボードショートカット。今回紹介したいのは「カーニング」について。Premiereのデフォルト設定では字間調整のショートカットが割り当てられていないが、それ自体の機能は存在しているためカスタムしてカーニングのコマンドを登録する必要がある。こうすることでテキスト編集のカーソルがある場所の字間をPhotoshopライクに調整できて便利だ。


みんな使っていて知っている…Premiereならではの魅力
いろんな編集ソフトを使った経験を踏まえて、僕が感じるPremiereの魅力は圧倒的なシェア率の高さです。みんな使っているから、みんな知っている。これってスゴいことで、なにか分からないことやトラブルがあっても解決するための情報がすぐに手に入ります。
あとはアドビのCreative Cloudファミリーの利点。今回はPhotoshopの連携にも触れましたが、After Effectsを使う場面でもPremiereに優位性が生まれます。ちなみに、PremiereをメインのソフトにしていないTV関係のポストプロダクションはたくさんありますが、Photoshopを入れていないポスプロは見たことがないです。Photoshopが入っているということはすでにPremiereも入っているか、いつでも入れることができる環境ということでもあります。
編集ソフトで比較されるのはDaVinci Resolveあたりでしょうか。Premiereのほうがテキスト周りの機能が優れていると言われますが、昔はPremiereもテキストが全然ダメだったんです(笑)。何年もかけていまの使いやすい状態になっているわけで…。カラーグレーディングの点ではDaVinci Resolveのほうが圧倒的に良いので、Premiereのカラー機能も今後進化していくことを期待しています。
僕はディレクターをやったり、編集マンをやったり、かと思えばYouTubeをやったり…と、ひとつのことをずっとやり続けるケースが少ないんです。ひとつのことに飽きる前に別の仕事をやっているからこそ、いざ編集に戻るとそれはそれで楽しくて、Premiereの作業が苦になることもありません。僕が普段の仕事の中で見つけた今回のTipsを一度試してもらって、もしみなさんのPremiere作業がラクに、楽しくなる一助になればうれしいです。
番外編: Frame.ioを使った他者とのレビューコミュニケーション
Frame.ioとは?
プロジェクトを共有してチームと共同作業を行うためのクラウドベースのプラットフォーム。遠隔地にいる相手とシームレスかつ安全に編集結果をプレビューできる点がメリット。かつてはハイエンドな現場に導入されていたが、現在はCreative Cloudを契約していれば無料から使用できる(有料プランもあり)。
シーケンスを書き出してFrame.ioのサーバーにアップロードする手順
ここでは編集した映像をクライアントチェックに回すシーンを想定。Frame.ioは独自のクラウドを使って映像を共有できるため、Premiereから書き出したデータをファイル転送サービスにアップする手間が省ける。手順は①ウィンドウからFrame.ioのパネルを呼び出し、②「Export」のボタンをクリックすれば、Premiereのシーケンスを書き出し〜データアップまで行える。③データの書き出し設定はPremiereのプリセットをそのまま適応することができる。④バックグラウンドで書き出しがスタートし、すぐにアップロード結果に反映される。




WEB上での動画チェックからPremiereでの修正までがシームレス
「Share」ボタンを押せばプレビュー用のリンクを発行。ブラウザ上のページにアクセスしてみると、映像のプレビューはもちろん、フレーム単位でコメントを残すことができる。コメントはPremiereの作業画面に即座に反映され、そのコメントからタイムラインの該当フレームに飛ぶことも可能。

