ソニーG Masterレンズ、動画撮影時の画質と操作性レポート


Report◎柳下隆之
ソニーEマウントの上位シリーズ、G Master。そのうちFE 24-70mm F2.8 GMとFE 85mm F1.8 GMを動画で使われる場面を想定してテストしてみた。誌面ではポートレートを中心にレンズの描写や操作感についてお伝えしたが、ここでは動画素材をでその真価を見ていただくとともに、実景撮影データを元にブリージングや解像感を見ていこう。

ポートレート編


ポートレート撮影のテストでは、85mm F1.4の美しいボケと繊細な描写は特筆すべきものだった。絞り開放でも十分なキレの良さを見えてくれた。同カットの撮影を手伝っていただいたフォトグラファーとビデオグラファーの2足の草鞋を履く安田氏も、撮影しながら思わず感嘆の声が漏れてしまう程だった。
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写真のようにマウントに近い側が絞りリングで、リングのクリックストップがON/OFF選択できる。ムービー撮影への配慮が伺える。
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24-70mmでは実景においてもブリージングとボケ味について同時にテストしてみたが、結果を見て頂いて分かる通り、ブリージングはズーム全域で極小だということは伝わったと思う。50~70mmのズーム域では特に少なく、ポートレート撮影で役者の芝居を邪魔しないという点は嬉しいところだ。
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FE24-70mm F2.8 GMをα7S IIでテスト。4K収録で評価した。ズームレンズは前玉が繰り出すタイプ。こちらにはマニュアルの絞りリングはない。
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実景編


今回テストとした2本のGMレンズは、同類のレンズに比べコンパクトかつ現時点で最高レベルの画質を提供してくれるという点において、α系フルサイズ機のユーザーは、導入を真剣に考えたほうが良さそうだ。画質の面では、ワイド端の極めて高画質な描写に比べると、望遠側で若干物足りなさを感じるが、実用上では全く不安のない要素だろう。

新製品のSHOGUN FLAMEとも合わせて検証した

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今回のテストではタイミング良くATOMOS社のSHOGUN FLAMEをお借りすることができたので、実景テストではProRes収録も行なってみた。背景のビル群はレンズの周辺部まで繊細な描写を保っていたのが興味深かった。今まで単焦点レンズに求めて来た描写力を、ズームレンズで実現できたという感じだ。これで機材のコンパクト化が図れる他、レンズの着脱回数が減らせれば、現場の作業効率は大幅に改善されるだろう。
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α7SⅡとの組み合わせでは、従来のEマウントレンズと同様に、十分なAF追従精度と手ぶれ補正を提供してくれるので、手持撮影やスタビライザーとの相性も良く、今回のテストでは不満点はほどんどなかった。
唯一不満点として指摘しておきたいのは、誌面でも触れたとおり、ピントリング操作時のダイレクト感のなさで、MF時に欲しいピント位置にピタリと止まってくれないことが多く、何度かフォーカスを送り直す必要があった。電気的な制御が介在する分、ファームウェアのアップデートで改善出来る可能性もあると思うので、メーカーにはぜひともその部分は改善をお願いしたい。
結果として、操作感に不満は残したものの、撮影状況次第ではAF性能の高さが補ってくれるであろうし、得られる高画質には代え難いというのが撮影した素材を精査してみた上での感想で、購入予算さえ許せば手元に置いておきたいレンズだ。
●この動画はビデオSALON2016年5月号記事連動動画です。この動画に関する記事は本誌をご覧ください。
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1573.html