映画「ザ・キングス・オブ・サマー」のルックは DaVinci Resolveで作られた


 青春コメディー映画「ザ・キングス・オブ・サマー(原題)」では、ブラックマジックデザインのカラーグレーディングソフト・DaVinci Resolveが使用されているという。本作は数々のインディーズ映画を世に送り出してきたCBS Filmsが配給し、2013年のサンダンス映画祭のプレミア上映で大絶賛。5月31日より全米の劇場で公開された。森の中に家を建て、自給自足で一夏を過ごそうと決意した3人の少年たちの成長していく姿を描いた青春ストーリー。
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 ブラックリストデジタル社では監督のジョーダン・フォークト・ロバーツ氏と緊密に連携を取り、プリプロダクション、データワークフロー、データストレージ管理、オンセット・トランスコーディング、そしてワークフローテストから、ポストプロダクションに至るまで、監督のビジョンを映像化した。同社のオーナーであるティムス・ジョンソン氏はこう語る。
 「私たちは、プリプロダクションのほとんどの過程でResolveを使用しました。最初からResolveを使って、フッテージのインジェスト、カラーテスト、デイリーの作成を行なったのです。2台のカメラからのフッテージは、フォーマットが異なっており、それらをAvid DNxHD 36に変換して、後ほどオリジナルのRAWファイルにリンクします。Resolveは多くのファイルフォーマットをサポートしています。また、RAWファイルで作業する際、メタデータにアクセスできることは、ポストプロダクションにおいてひじょうに重要です」
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 同社のヘッドカラリストであるナルベ・タトシアン氏がカラーコレクションを担当し、同作のシネマライクな美しいビンテージルックを作り出した。Resolveの無制限ノードを活用し、ほとんどのショットで10以上、時には20以上のノードを使用したという。
 Resolveは各ノードでカラーコレクション、Power Window、 エフェクトを使っての画像処理が可能で、タトシアン氏は自由に創造性を発揮して芸術的なルックを作成できたという。俳優たちが森へ入っていくシーンでは、森が奥深くなるにつれ雰囲気が変わっていき、森の色もそれを反映したものとなる。タトシアン氏はResolveを使って特定のルックを作成し、グリーンを微調整することで、木の葉や木々の色を少しずつ変更した。
 「Resolveのパワフルなツールを使って、イエローを押さえてレッドを活かすことにしました。一般的なカラーコレクションというよりは、絵を描いているのに近い感覚でしたね。1つのノードで4つのPower Windowをトラッキングできます。私は12のノードを作成し、そのうち5つのノードでトラッキングしました。すべての作業をP3カラースペース RAW 4Kでリアルタイムに行いましたが、すばらしかったですね。コンフォームの際に、カラーコレクション済みの映像にグレインを合成し、シネマライクなルックを作ったのですが、それが本物のフィルムのように見えるので、多くの人にフィルムで撮影したのかと聞かれました(タトシアン氏)」
 同作はアナモフィックレンズで撮影したため、モンタージュのシーンでシネマライクな被写界深度を作り出す必要があった。タトシアン氏はResolveのカラーピッカーを使ったカーブグレーディング、ブラー、シャープニング、ミストなどの機能を使用し、これを実現した。
 「Resolveには監督や撮影監督が希望するルックを作成するのに必要なすべてのツールがそろっています。あとは自分の想像力を働かせるだけですね(タトシアン氏)」