7月上旬にファームアップ(無料)が予定されているXC10。ビデオサロン7月号では、ファームアップリリースに先立ち、AFをはじめとするファームアップによる進化を見てみたが、結論から言うと、納得&満足のいく進化ぶりを実感できるものだった。
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Report◎栁下隆之(LimeTec)

AF性能をはじめ、新ファームで大きく進化

動画で実際に見ていただくと分かると思うが、新ファームは明らかにAF迷いが減り、合焦速度も向上。一方旧ファームは遅れを取り戻すように慌てて合焦する感じがあり、新ファームのチューニングの良さを感じる結果となった。
動画ではさらに、新ファームで追加されたAFスピード「ハイ/ミドル/ロー」の違いも確認していただきたい。AFは速く合えばいいというだけのものではなくて、その時に表現したい内容に合わせて気持ちよい感じで合焦してくれることも大事。XC10のスピード設定は、まさに表現者のその願いに応えてくれる機能と言える。
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▲ファームアップでXC10に追加されるAFスピードの選択メニュー

新旧ファームのAF比較+XC10 4K映像


撮影:栁下隆之(LimeTec) 動画編集:岡部 廉 モデル:倉本夏希
今回のファームアップにおけるAF性能の進化はビデオサロンでレポートした通りだが、さらに補足を加えるなら、特にベンチに座る女性のシーンは印象に残るものだった。手元からティルトアップして右にパンして背景に合掌するまでの一連の表現だが、新ファーム・ハイの合焦の速さもさることながら、ミドルまたはローでの表現力も魅力で、演出面でも大変実用的だと感じた。タッチフォーカスも、ハイは機敏すぎる印象もあるが、ミドルやローを組み合わせればさまざまなシチュエーションで活用できることを実感できた。また、旧ファームでは、手前から奥、奥から手前というそれぞれのフォーカス移動において速さに違い(ムラ?)があったが、新ファームの各モードはほぼ一定であったことも補足しておきたい。
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▲人物のほか室内でもテスト。手前から奥に配置したトランプを狙って、4モードのAFの速さをみる
一連のテストを終えた上での本機の印象は、高性能な10倍ズームの組み合わせも功を奏し、m4/3やAPSの一眼動画機からの買い増しや買い換えを視野に入れても良い、ひじょうに実用性の高い1型センサー搭載機という感じだ。用途次第ではファーストカメラになる実力をも持ち、同時にCinemaEOSのセカンドカメラとしても有望な力を持っている。店頭や展示会で実機に触れて、その性能を体感していただくことを強くお勧めする。(栁下隆之)
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▲スタビライザー・RONIN-Mで移動ショットにおけるAF性能をはじめ、XC10を多角的に検証

HDではMP4にも対応。より使いやすくした

また、今回のファームアップでXC10のHD記録では従来のMXFに加えて、汎用性の高いMP4でのHD記録が可能になった。これによりPC上でダブルクリックでファイル再生できたり、コンシューマー向けアプリケーションで再生・編集することも可能になり、活用シーンが大きく広がる。
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XC10のルック設定も見逃せない

ファームアップ内容ではなく、以前から搭載されている機能だが、今回の撮影でXC10の「ルック」が使えることも再確認。薄晴れの微妙な天気のもと、ロケ撮影は基本的にルック3のWide DRで行なった。このモードが顔の白飛びなどを抑えて、全体的に好印象の画にしてくれている。
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(左) ルック1 スタンダード、(右) ルック3 WideDR
◎キヤノン XC10
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●撮像素子:1.0型CMOSセンサー、総画素数約1336万画素(4224×3164)、有効約829万画素(3840×2160)●レンズ:F2.8-5.6 光学10倍ズーム 8枚羽根虹彩絞り ●35㎜判換算:動画 27.3~273mm、静止画(4:3)24.1~241mm ●液晶モニター:3.0型、約103万ドット、タッチパネル ●NDフィルター:内蔵(入/切)●外形寸法:本体 幅125×高さ102×奥行122mm ●質量:本体約930g、撮影時総質量約1040g(バッテリー、フードユニット等も含む)
◎キヤノン XC10 Webサイト
http://cweb.canon.jp/prodv/lineup/xc10/